みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
6.《ネタバレ》 これは男にとっては、鬼のような映画。 今、一緒にいる女性が果たして正解なのか、とかそんなことを 考えずにはいられなくなる恐ろしい映画。 この感動の涙はなにか、ずっとこの映画に涙できるのか、 そんなことを考えたら、仕事一途に生きた方が気楽だわぁとか考えてしまう(笑) まぁでも木下映画は泣けるよね。 素敵な台詞があった。 恋する少年の気持ち「民さんを想うと神さまに抱かれて雲に乗ったようだ」 二人の悲恋を予言したおばあちゃんの台詞 「一番幸せだったことは、おじいさんと一緒になってよかったこと」 泣けます・・ p.s.あんな小さな子があんなストレートなラブレターを書くとは思えない(汗) 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2022-01-11 02:07:08) 5.「野菊の墓」とせず、「・・・如き君なりき」と題名をつけたセンスの良さ。また、楕円形のフレームを使用した撮影は、古いアルバムをめくるような画面作りで郷愁を駆り立て、叙情性豊かな名作となった。今では考えられないことだが、「次郎物語」というテレビドラマを観て育ったせいか、映画に描かれた時代背景(家父長制等による「家」の重み)は認識できる。回想画面における笠智衆の静謐な語り(短歌の朗読)は、遠い日の物悲しい記憶を美しいまでに描写している。 【風小僧】さん [地上波(邦画)] 9点(2015-09-13 13:39:54)(良:1票) 4.夏目漱石が絶賛したという伊藤左千夫の「野菊の墓」その小説の持つ美しさ、悲しさを見事に映し出した映画だと思う。もし伊藤左千夫が生きていてこの映画を見たとしたら、自分の思いが十分伝えられていると感謝したのではなかろうか。(私の勝手な想像) この映画のすばらしさは、飾らない、作らない、自然にそのままの形で美しさを表現していることだと思う。映画は淡々に、まさに水が流れるかのように淡々と進んでいる。笠智衆のぶっきら棒の表情や歌詠みも、主演の二人が名もない新人だということも、すべてが良い方向に・・・。 したがって何の説明もいらず、何の演技もすることなく、主役の二人の純粋な思いも周囲のやっかみもすべてが伝わってくる。 この時代は女子に学問は不要と考えられ、二十歳前で嫁に行ってそれが女の幸せと信じられていた時代であり、「男女七歳にして席を同じうせず」が尊ばれ、幼な馴染みと言えど、年若い男女がいつまでも仲がよいことがねたまれ、世間体が優先されていた時代でもある。そういう時代の中で、好きな者同士、女が男より年上ということがそんなにいけないことなのだろうか。とても寂しくとても悲しく胸を打つ。 良くできた映画の中でただ一つ気になるのは、政夫の回想シーンを丸く囲んだこと、作らない、飾らないことに逆らっているように感じられて惜しい。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-06-03 22:25:23) 3.「二十四の瞳」と並ぶ木下恵介監督の代表的傑作の一本で、これまた画面全体を包み込むその美しい映像、美しい風景、本当にため息が出るほどの美しさです。卵型で白く縁取った画面、いつまでも続く効果的な長回しによる撮影、構図の素晴らしさ、どれを取っても間違いなく一級品で木下恵介監督らしいその愛情たっぷりな人間ドラマとしてこれまた素晴らしくいつまでも心に残る。ヒロインを演じた有田紀子の輝き、そして脇を固める俳優陣、笠智衆に杉村春子の相変わらずの存在感といい名作の名に相応しい作品です。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-13 19:16:13)(良:1票) 2.モノクロ作品にもかかわらず、何故か淡いパステルカラーで思い出される。これもひとえに監督木下恵介の洗練された演出と描写の賜物なんだろう。そうそう、笠智衆が演じる老人の回想という構成も切ない雰囲気を盛り上げていた。さらに、木下忠司の哀感溢れるメロディーも作品の印象付けに多大に貢献。封建的な村社会で生きてゆかざるを得ない哀しい定めを、そこはかとなく漂わせており、木下恵介の抒情的な世界観に思う存分浸れた。観る者の涙腺を緩める、余りにも日本的な名画。 【光りやまねこ】さん 9点(2003-11-24 16:01:46)(良:1票) 1. 原作は御存知、伊藤左千夫の「野菊の墓」であるが、木下恵介監督による映画化は当時には未だ健在だった信州の美しい自然を見事なまでに映像としてフィルムに定着させている。楠田浩之のカメラワークは本作でも鮮やかの一語。今日の邦画界には当時の天衣無縫な木下監督の如きセンスが無いのは勿論だが、この美しい風景が開発により、ほぼ失われている点でもリメイクは絶望的かと思われる。政夫と民子を演じた田中晋二と有田紀子はハッキリ言って大根なんだが、これが巧まざる上手さへと転化してプラトニックな初々しさを横溢させて見事!原作の持ち味を損なうことなく微妙な恋愛感情を表現していると感心させられた。「政夫さんは竜胆(りんどう)の様な人だ」「民さんは野菊の様だ」こんな素朴な遣り取りでも原作発表当時の日本では大胆に映ったのである。茶髪・金髪に染め鼻ピアスだのコギャルだのと昨今のTVに露出される現代の無軌道な若造と正に好対照!!あと、脇を固める杉村春子や浦辺粂子がマタ実に上手い!!つくづく現在の邦画界に不足しているのは渋いバイプレーヤーであるコトを痛感してしまう。ただ、回想シーンに楕円形の縁取りをあしらった木下監督の技巧が純情素朴な本作とミスマッチに感じて仕方ないので…個人的に1点マイナス。映画&原作共々是非一見&一読をオススメ! 【へちょちょ】さん 9点(2003-04-19 01:08:11)(良:1票)
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