みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
6.《ネタバレ》 日本の怪獣映画の流れを変えた、エポック・メイキングな作品。これまでの怪獣映画といえば、どちらかというと暗くて重めの作風でしたが、本作はそんなものをまったく吹き飛ばしてしまっています。ファンタジーの要素もありますが、とにかく華やか。モスラ(成虫)の羽根模様もさることながら、劇中での小美人のショーが華やかです。こんなシーンの出てくる怪獣映画なんて、国内外を探してもほかに見つからないんじゃないでしょうか。それと、頻繁に出てくるユーモラスなシーン。あちこちで笑って楽しめる映画です。重要な役どころで子供が出てきますし、ファミリー向けを狙っていることはたしかでしょう。それまでの怪獣映画も基本的に娯楽作品ですが、これは娯楽の方向性が違う。そして今後、東宝の怪獣映画はこの方向性に向かって進むこととなります。ただそのために、単純な善悪二元論に陥ってしまったのは残念でした。 とはいえ、個人的にはこうした方向性が好みなので、高く評価したいです。歴史的な意義や特撮(特に合成)のみごとさも含めて。(レビュー700本目) 【アングロファイル】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2015-01-21 19:20:39)(良:1票) 5.《ネタバレ》 私は東宝怪獣ものではだんぜんこれが好き。映画好きになった一因は本作との出会いにあり、感謝の一本。変態していく展開がほかの怪獣にまさるし、やっぱり東京タワーに繭を作るっていうあのファンタジーね、これにまさるイメージは、ついに怪獣映画からは生まれなかったんじゃないか。また、やがて映画界を衰退させていくテレビの電波塔を折り倒して成虫する映画の怪獣、ってのが、今から見ると別種のファンタジーでもある。東京湾で消えたモスラがダム湖から出現するのをフォローするのが、フランキー堺の「どうしてこんなところへ…」というつぶやきだけで、それで済ましちゃってるのは凄いなあと昔から気になってたんだけど、このほど「江戸歌舞伎の怪談と化け物」という本を読んでいたら、役者の水中早替わりに関して「日本には地の底で水はつながっているという異界観があった」という説明があった。ああこれだったのか、東京湾から山の中の湖に移動するってのは、日本文化の伝統的な世界観に則ればごく自然な展開だったのだ、と永年の謎が氷解し、ますますこの映画が好きになった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-12-01 12:15:31)(良:2票) 4.《ネタバレ》 モスラの本格的な大暴れまで1時間以上かかるので、子供の頃はイマイチ面白くなかった作品だったんだけど、最近久々に見返して驚いた。60年代の東宝特撮映画の中では珠玉の出来映えではないだろうか。何を隠そう、画面からのインパクトが凄い。色鮮やかで煌びやかな成虫モスラの羽化シーンはインパクト大で思わず圧倒される。巨大な羽で徹底的にニューカークシティを破壊し尽くすモスラの雄姿は、後のシリーズのそれとはまた違う魅力を持っていると思う。そして根底に流れている反核、平和への祈りといったテーマや安保闘争後の当時の社会情勢を反映した物語を、フランキー堺たちのコミカルなやり取りで娯楽色たっぷりに見せる手法には、ただただ脱帽である。ラストの「平和こそは、永遠に続く繁栄への道である」は21世紀だからこそ、心に留めておきたい一節である。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-25 22:54:38)(良:2票) 3.イヤ全くファンタジーの具現化とはこういうものだ~!という好例として永遠に記憶されるべき傑作ですね。「卵→幼虫→繭→成虫」の4大変態をビジュアルで納得させる力強さは、平成リメイク版も遠く及びません。特に東京タワーに繭を作り、羽化するシーンは絶品かつ圧巻!モスラの羽化を助長することになるロリシカの原子熱線砲のデザインが又素晴らしい。ザ・ピーナッツ扮する小美人が歌う「モスラの歌」も実に見事!容姿よりも歌唱力で勝負していた当時の歌手らの中でもズバ抜けて上手かったピーナッツ姉妹をこの役に抜擢した製作側の慧眼には恐れ入るばかりです。加えてカラーであることが当たり前の現代では到底考え及ばぬ色彩への拘り。先述の羽化シーンの息を呑む美しさも、この拘りが有ればこそだと思います。キャストも上原謙・フランキー堺・志村喬・香川京子ら一流を揃え、抜かりナシ。とどめにインファント島住民を嬉々として演じた東宝大部屋俳優たちの群舞!に圧倒されつつ…9点進呈。福永武彦先生が本作にどれほど貢献したのか甚だ疑問なのでマイナス1点。円谷英二特技監督ごめんなさい…。 【へちょちょ】さん 9点(2003-12-29 18:16:05)(良:2票) 2.《ネタバレ》 まさに東宝特撮の金字塔だと思う。やはり、この時代の東宝特撮ものは、作品世界がちゃんと構築できている。引き込まれるのもそれ故だろう。ザ・ピーナッツ演じる小美人はじめ、出てくるキャラクターはどれも存在感抜群だし、モスラが徐々に都心に迫ってくる緊張感も良い。後半の都心での攻防~東京タワー蹂躙に至っては(いまさら言うまでもないが)とにかく圧巻!各シーン、ミニチュアとは分かっていても見る者を引き付ける、もの凄い力を持っている。やはり、この手の作品が好きな人間は、幼少期「この風景のあそこに怪獣がいたら凄いな!」という思いを一度は抱くと思う。この映画はまさにそういう画を見せてくれる。とにかく全編に渡ってエンターテイメント性は抜群で、未だにそれは色褪せていないと思う。 当時の東京も楽しめて(109が無い!東急東横店古!…などなど)二度おいしい。先日、デパートでモスラ幼虫の人形を売っていて、本作のファンとしては勢いで思わず買いそうになったが、彼女の「気持ち悪い」の一言で挫折した。確かに、夜中に目がさめた時にクネクネ動いてたりしたら、一生立ち直れないだろう。 【カシス】さん 9点(2003-11-17 15:50:32)(良:1票) (笑:1票) 1.本多猪四郎&円谷英二の手による単体怪獣映画。先輩格に当たる「ゴジラ(54)」「空の大怪獣 ラドン」と比べてみても着想、内容、特撮ともども決して遜色はなく邦画史上、トップクラスの特撮映画に仕上がっている。しかもファンタジックに彩られた異色作で、モスラは都市を破壊する恐ろしい怪獣としてではなくむしろ平和を愛する巨大な生き物として描かれている。やはり“モスラの歌”を歌う小美人ことザ・ピーナッツを抜きにして本作は語れず、彼女たちの存在とエキゾチックな歌声がこの独創的な空間作りに大きく貢献している。また成虫型だけではなく幼虫型も用意されている点も見逃せず、ザ・ピーナッツの幻想的なステージシーン、インファント島の原住民による踊りなど見どころは満載で、二人の監督を筆頭に当時のスタッフの特撮映画作りに対する真摯な姿勢と意気込みを十分に感じさせてくれた。イマジネーション豊かなファミリー向け映画の名作として高く評価したく思います。 【光りやまねこ】さん 9点(2003-10-17 23:16:26)(良:1票)
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