みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
11.エミール・クストリッツア特集上映「Unza!Unza!Kusturica!2017」にて鑑賞。 本当は本邦初公開の”完全版”(5時間14分)を観たかったのだが、悲しいかな私の地域では”通常版”のみの上映だった。 通常版の2時間50分ですら長いのに、そこから2時間半近くも上乗せされているなんてヤバい、狂ってる。でも観てみたい! さて、こっから”通常版”のレビューですが、何というか一言では言い表せない作品だ。 色んな部分で狂気を感じるし、クストリッツァ独特の演出は他の作品と併せて観れば観るほどハマってしまう中毒性がある。 はっきり言って訳がわからない内容なんだけど、鮮烈に印象に残る場面がいくつもある。 特に彼の作品には多くの動物が登場し活き活きと活躍していることも特徴だが、本作では戦争の悲惨さを表す為かやや扱いが酷かった。しかし、そんな中活躍してくれるのがチンパンジーだ。愛らしい表情で和ませてくれるし、時に人間に復讐したりしてなかなか憎い役所だ。彼には演技賞をあげたい。 戦争の悲惨さを時にリアルに描きながらも、寓話的に作られたこの世界では人々は決して悲しみ暮れる事なく、永遠に続くかと思われる宴、いや狂宴に身を投じていくのだった。その宴のテンションは異様で、観る者を圧倒するだろう。ただ、かなり好き嫌いの分かれる作品だと思うので注意は必要。ちなみに、最新作の「オン・ザ・ミルキー・ロード」はこれに似た作品でありながらもかなりマイルドなので、先にそちらを観て気に入ったら本作を観るというやり方もおススメです。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-21 23:43:50)(良:1票) 10.悲しい。イデオロギーとエゴ、金欲と愛欲にまみれた狂騒のうちに、それぞれの人生は、はかない幻のように終わってしまう。そして気がつけば、彼らの祖国もまた、まるで儚い人生と同じように、夢のように消え去ってしまう。 この映画の悲しみが、祖国愛を強く喚起するためのものだと解釈することはできます。そして、そういう解釈は政治性を帯びずにはいられません。私は、祖国というものは元来、人生と同じようにもろく儚いものなのだろうと思うけど、かりにそう納得したとしても、それはそれで、また逆の意味での政治性を帯びる。 この映画がはらんだ政治的主題を、日本人の自分がどう受け止めるべきかを考えるのは、正直とても難しいけれど、そういったテーマの難しさは措いたとしても、この作品の脚本の見事さと表現の力強さには感嘆せずにいられません。たんにバルカンブラスを聴かせるだけの映画じゃあなかったです。 【まいか】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-10-03 02:37:35)(良:1票) 9.かつて在った国・ユーゴスラビアの歴史を描いた、パワフルでコミカルで、とてもユニークな作品。戦争の滑稽さ、悲哀、残酷さを描くと同時に、憎めないし切り離せないが素直に愛せない故国への憧憬が描かれていた。 国の想いで1つだった過去、チトー亡き後、混迷し分断され…祖国が失われる哀しみが、ジプシー・ブラス音楽の音色にのって、独特のユーモアと哀愁、痛みで彩られていた、とてもとても力強い作品でした。 【泳ぐたい焼き】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-02-11 10:41:52)(良:2票) 8. 映像からビシビシ天才が伝わってきて、この変な世界にもっと何時間でも居たくないけど居たいと感じさせるセンスが凄い。 設定や世界観、紛争なども非常に良く作り込まれていて、箱庭的でありながらリアリティがあるという一番難しい見せ方を受け手が気づかないと言う作りには、見終わった後びっくりすると思います。 音楽も秀逸で、完成度も中毒性も高くて世界に引き込まれる。再生ボタンを押す度に勝手に三時間後の未来に飛び込む。それも何度でも。非常に危険な映画だ。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-10-19 18:27:42)(良:1票) 7.《ネタバレ》 本来ならコミカルな要素など入る隙間もないはずの素材なのに、天才クストリッツァ監督は見事に自分の色でコーティングしている。光の届かぬ地下世界の人々に、笑顔や歓喜や活き活きとした生命力をしっかり注ぎ込んでいた。その一方で地上にいるマルコはナタリアと共に、あまりにも多くの人々を騙し、自らの気持ちにも目を背けていた。本当の意味での、地上は一体どちらにあったのだろうかとずっと考えていたが、結局どちらもそれぞれの地下でしかなかったように思う。愛は人を迷わせ、戦争で得るお金や地位は人を狂わせてゆく。地下の物理的なアンダーグラウンドと地上の比喩的なアンダーグラウンドが絶妙に描かれている。だからこそ、クストリッツァ監督が鮮やかで活き活きとした息を吹き込まなければ、あまりにも苦しすぎる作品だったことに気付かされた。地下で希望を胸にマルコの弟が作ったチャペルの模型。地上でマルコの弟が鳴らした絶望的なチャペルの鐘の音。ゆっくりと動き続けるマルコとナタリアを乗せた火達磨の車椅子。視覚と聴覚同時に感じる絶望。それを見つめるクロ。 だからこそ、ラストシーンの描写だけが希望に観え、アンダーグラウンドからようやく抜け出せた彼らの姿に心が震えた。 【ボビー】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-08-23 17:38:24) 6.凄く力強い映画ですよね。大きな悲しみや痛烈な風刺を素晴らしい映像と笑いと音楽で表現していて、映画の醍醐味を感じます。監督のエミール・クストリッツァは本作が大問題になってしまい引退を宣言したと記憶していますが、その後「黒猫・白猫」を撮ってたから引退は撤回したんでしょうね。まだまだ良い作品を見せてくれることを期待してます。 【黒猫クロマティ】さん 9点(2003-12-02 16:10:18) 5.このノリでカンヌグランプリってすごいよなぁ~って思います。もちろん見て納得です。映画っていいなぁ~ 【おでんの卵】さん 9点(2003-11-12 01:55:20) 4.悲しすぎる。陰と陽か。陽気さと暗さを併せ持つ映画 うまく描いている 【たましろ】さん 9点(2003-10-15 00:37:23) 3.ヴァイタリティというか、勢いと言うか、国の一生というテーマでここまでエンターテイメントしてるのは凄い。ブラスバンドも凄い。(監督のバンド映画はいまいちだが)もっとビデオ屋に置いてくれ。 【ブッチュくん1969】さん 9点(2003-07-02 05:55:18) 2.良い出来の映画だと思います。もっと多くの人に見て欲しい。「赦してくれ。」「赦すけど、絶対に忘れない。」前に人に言ったことがあるセリフだったので妙に忘れられない・・・ 【恥部@研】さん 9点(2002-12-05 14:22:35) 1.ジュネ+キャロ作品に近い作風で綴る「フォレスト・ガンプ」のアンチテーゼ(?)。第二次世界大戦から現代までの旧ユーゴスラビアが辿る悲劇的な歴史を、滑稽なる大河ドラマで体感させてくれるカンヌ映画祭パルムドール受賞の傑作。しかし惜しい、惜しすぎる! 最後の最後まで完璧だったのに…。この映画のメッセージは映画自体でいやと言うほど解るので、ラスト3~5分程カットしてくれていれば文句なしの10点。だからと言って傑作に変わりはないですけど、すんなり終わらせて感動に浸らせておいて欲しかった私としては、残念ながら9点献上。 【sayzin】さん 9点(2002-02-24 19:07:57)
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