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【クチコミ・感想(9点検索)】
2.画面の美しさにいちいち感嘆したのは『バリー・リンドン』以来であった。室内と風景と。煙がたなびき、人々の表情が捉えられない遠景。まるで影絵のような世界。主人公の半生もののドキュメント形式映画なんだけど、その彼の「生きざま」が浮かび上がって“こない”ところが特徴で、その個人の半生が、台湾史の中に溶けて拡散している。歴史でもないか、記憶? 歴史と普段承知しているものは、つまりこういうものなのか、と逆に目から鱗を落とされたような気がした。物憂げに響く木のサンダルの音の響きの中にこそ歴史はあるのかも知れない。映画のスクリーンと、人形劇の舞台と、芝居の舞台と、スケールをカチャカチャと替えつつ、「意志」を何かに預けている雰囲気がある。主人公は精一杯自分で選んで生きてるんだろうけど、作者の視線は、その意志が預けられているものを凝視している。これは個人と歴史との関係を描いて、もしかしてすごいことを言っている映画なのではないだろうか。この人の映画では身内の病気・その看病ってのが繰り返し出てくるなあ。親密な不安のために寄り添っている人々ってのがいいんだなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-04-07 09:20:52)
1.自らの半生を語る天禄爺さんがカッコいい。時代に翻弄され続ける自分の人生や台湾を感傷や誇張を交えず淡々と語るその語り口は淡いユーモアーと威厳に満ちている。昔、「徹子の部屋」に出演した時の藤原釜足を思い出してしまいました。人生に於ける局面、局面をカメラは辛抱強く距離をとってワンカットの長回しで切り取る。フレームの中に収まった人々のなんて事の無い営みや遣り取りは、動きが少なくて、ややもすれば退屈になってしまうが、不思議と夢中で見入ってしまう。ホウ・シャオシェンの視線は劇中の人々の感情に気前よく付き合うことはしない。一点集中的に感情を照らすのではなく、各々の感情はどしょっ骨のあるワンカットの引き絵全体から如何し様も無く滲み出る。冷徹であるが冷淡ではない。そして、時折、挿入されるダイナミックで美しい自然風景のカットが力強く優しい印象を与えている。ホウ・シャオシェンの撮る絵を見ていると、つくずくこの人は情が深くて、その上、腕っぷしが強く強靭な体力の持ち主だと思う。なかなかこうは撮れませんよ。あと語らずには居られない事は音楽を挿入するタイミングの好さです。まさに絶妙!!またこのギターがカッコいいんだ。鳥肌が立った。天晴れ、傑作です。 【水島寒月】さん 9点(2004-05-09 11:35:25)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
7人 |
平均点数 |
6.14点 |
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1 | 1 | 14.29% |
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