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【クチコミ・感想(10点検索)】
8.政治色の強い題材ながら、緊迫感あふれるサスペンスに仕上がっており、フラッシュバックを交えた演出と、後半の追及劇のスリル、まさに第一級のミステリ映画とも言えます。多彩な登場人物のそれぞれが、個性豊かに描かれているのも見逃せません。議員「Z」と、彼を囲む面々、真実を追い求めつつもどこかチャラチャラした記者、告発オヤジ、敵か味方かつかみどころがなくハラハラさせられる予審判事。一方のいわゆる“悪役”側の面々もまた各々が個性的で、これほど多くの登場人物を印象的に、巧みに描き分けた、人物造形のうまさが、娯楽映画としても成功しているポイントですね。前半の政治劇から後半の追及劇、そして最後にその輪が閉じたときに感じるのは、ファシズムへの怒り……ではなくて、“政治”というものの不気味さ、異様さ。Zは確かに生きている、いや亡霊となり姿かたちを変えながら、未来永劫我々を苦しめ続ける。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-11-24 08:10:49)
7.《ネタバレ》 非常によくできた政治サスペンス
2時間飽きずに引き付けられる映画はそうざらにあるものじゃないが、これはその1本だろう。
暗殺事件までの異様な雰囲気、そして事件後の展開。
ときどき入るフラッシュバックや音楽、余計なシーンがほとんどないカットなど、随所がうまく作られている。
そして後半に判事が猛然と追い込みをかける。
孤高のヒーロー的に次々要人を告訴していくのは圧巻。
そして満足して終わろうかというところであのニュースのラストで絶望へと追い落とされる。
しかしこれが現実だともいえる。
全体のテンポがよく、うまくまとまった秀作。
最後に
これを「左翼はもっと頑張らねば」的に読んでいる人が(ここにはいないようだが)巷には多かったりもするのだが、それはこの映画を根本的に取り違えている気がする。
監督が批判しているのは「全体による圧制」であって、右とか左とかの話ではない。
あえて右左でいいたいならば、いまどき政府の弾圧とか起きるわけもなく、「第四の権力」マスメディアが主力を左翼が牛耳っており、ちょっと危ないことを言うと「軍国主義、戦争賛美、危険人物」的な取り扱いを受ける(実際それで大臣の首が飛ぶこともままある)この日本で、「全体」の側に立っているのは一体どっちかを考えてみて欲しい。実際、言論弾圧法案である人権擁護法は左翼の側から出されているのだし。
さらに言えば、この監督は次に共産主義を痛烈に批判する映画を撮っている。そして今ある共産主義国(中国とか北朝鮮とか)を応援しているのは左右どちらだろうか。 【θ】さん [地上波(字幕)] 10点(2008-08-14 23:15:35)
6.《ネタバレ》 脚本・演出・撮影・音楽・キャスト、全てが素晴らしい。自分の欲を満たすために、相容れない主義・主張を国家権力を駆使して抹殺しようとする権力者達。身の危険に動じないイブ・モンタンや、検事に良心を問われてそれに起訴で応えたジャン・ルイ・トランティニャンの静かな怒りと気迫(渋すぎる)に、信念を持った人間の強さを感じた。ラストで実話を元にした作品のせいか、国家の力が個人の力よりも圧倒的に優位だという絶望的な現実を見せつけられる中での僅かな希望、ナレーションの『Z』の意味が胸に響いた。 【The Grey Heron】さん 10点(2004-05-26 22:31:51)(良:1票)
5.役者としてのイヴ・モンタンが好きだったのもあって、最初にこの作品を深夜放送で見たときから、最も好きな作品になったと言ってもいいかもしれない。
①事件が起こるまで。②事件が起こって調査に乗り出すまで。③調査開始からクライマックスまで。
と、大別して3つに分けることができるのだが、後半以降、特に③辺りから、アドレナリンが最大限に分泌される。
常に冷静で、思想に囚われずに客観性を重視しながら聞き取り調査を進めていく検事が、ある段階に来て、思わず口を滑らせ、
記録担当係に再確認される辺り、ユーモアのセンスがキラリと光ると共に、心理描写としても非常にうまい。
そしてエンドロール間際の最後の語りは何度見ても鳥肌モノだ。 【あむ】さん [地上波(吹替)] 10点(2003-12-21 19:30:53)
4.うひゃあー。嬉しい、他の人がやはりそういう高い評価をしていたことが。大学生のときに夜中に一人で見てました。あまりの衝撃のラストと映画の内容の深さに感激して、映画マニアの両親に話したら、「あれはいいでしょう」と二人が言ったことを覚えています。もうずいぶんまえなので細かい描写ははっきり覚えていないのですが、アメリカ映画しか見たことのなかった私に開眼させてくれたような映画でした。 【みんみん】さん 10点(2003-01-30 18:10:53)
3.音楽のミキス テオドラキスが獄中で書き上げた音楽ということもあって、他の映画にはただならぬ気迫というかもうキレの良さがいい意味でおかしいんですよね。彼の主張が音楽にすべて凝縮されています。僕もモンタンみたいに、この映画を見たときは棍棒でぶんなぐられたような衝撃を覚えました。一般の人には社会主義だの、アバンギャルドだの、なんだの、そういう話は学者や知識人がするものだという概念のようなものをこうやって娯楽映画のようなものにして、普通の人にもわかりやすく、かつ重く描いていて、この監督を尊敬してしまいます。 【通りすがり】さん 10点(2002-12-24 15:29:44)
2.最高水準の政治映画。客観的な事実描写、鮮やかなカメラワーク、無駄のないストーリー展開、そして衝撃のラスト。完全無欠の傑作。 【X】さん 10点(2002-11-03 08:49:15)
1.とことんリアリズムを追求し、ポリティカルな題材を敢えて中心的に描き、どんな難しい内容でもしっかりとエンターテイメント性を忘れないコンスタンチン=コスタ・ガブラスの文句なしの代表作。最近じゃ「マッド・シティ」とかハリウッドに渡って映画を撮ってるガブラスですが、私が高く評価しているのは「ミッシング」まで。もちろん、近年の作品も亜流の社会派エンターテイメントと異なり、ヒーローが誰一人たりとも存在しない世界観を基調とし、独特のドキュメンタリー的手法からキャラクター描写をし、それでいてガブラス特有のブラックさは最近には無い。そんなフィーリングが見事に爆発しているのは本作品であり、過去にアカデミー外国語映画賞を受賞した作品の中でも、かなりの上位にランクインしてもおかしくない映画ではなかろうか。1人の反体制派の議員を沈めるために行われる人々の妨害工作。それが挙句の果てには殺人にまで発展し得るという狂ったような構図をクールな視点から描ききった、文句なしの傑作。 【チャーリー】さん 10点(2002-05-21 20:11:43)
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【点数情報】
Review人数 |
28人 |
平均点数 |
8.32点 |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 1 | 3.57% |
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6 | 1 | 3.57% |
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7 | 8 | 28.57% |
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8 | 4 | 14.29% |
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9 | 6 | 21.43% |
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10 | 8 | 28.57% |
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【その他点数情報】
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