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【クチコミ・感想(10点検索)】
5.《ネタバレ》 ビスタサイズで撮られた映画の最高作、と言ったのはスコセッシだが、私が見 た西部劇の最高作はこれ。映画史上の真の最高傑作、と言われても不思議ではな い映画的興奮度満点の「画面と音」の映画。
とにかく、演出技術であらゆる感情 を画面に定着させる事が可能だった映画史上ただ一人(ちょっと言い過ぎ)の監督 による究極の画面を堪能することができる。
イーサン・エドワーズ(ジョン・ウェイン)の情動によってこの映画に表出して いる怒りと悲しみと誇りと、そして落伍者としての寂寥の凄み。
私が最も好きなのは前半部分、デビー(ナタリー・ウッド)捜索の長い旅に出る 前の追跡シーン。イーサンが、埋葬されたインディアンの死体、その両目を拳銃 で打ち抜くシーンがあるのだが、私は恥ずかしながら何度見てもこのシーンで必 ず目が潤んでしまう。それは決して倫理的な感情で心を揺すぶられているわけで はない。純粋に映画というメディアで、ここまで徹底したキャラクターを、俳優 の所作と撮影(繊細な照明や完璧なフレーミング!)と、こだまする銃声音の音響 効果で造型したことに心を揺すぶられているのだ。
私にとって映画とは情動を突き動かされるメディアであって、歴史や風俗なり を学ぶメディアではない。映画は「興奮」のために見るのであって、付随的に 、知識」が得られるとしても「知識」を得るために見るのではない。
映画は決して「現実」を映さない。あくまでも「虚構」しか映さない。極論を 恐れずに言えば、ドキュメンタリーというジャンルの映画であっても、ひとたび 現実をカメラが切り取ってしまった瞬間に「虚構」に転じる。 映画を「現実らしさ」の指標で論じることは決定的に間違っていると思う。
間 違っているというのが言い過ぎであれば、ナンセンスだ。現実に起こり得ない、 つじつまが合わない部分があっても当然、全ての映画は「虚構」であり「フィク ション」だからだ。勿論、つじつまの程度の問題はあるけども。
ただし、映画を道徳的、倫理的、人道的な観点や、作者の時代認識や題材に対 するスタンスでもって評価する姿勢は、これは嗜好の問題。
私のようにそんなこ とには殆ど関心が無く、「画面と音」という表層(といっても大変奥深いのよ!) を最重要視するのも嗜好。両者が並存しているからこそバランスがとれていると 認識している。
まあ極私的には映画以外のメディアで学べたり楽しめたりする事柄は映画以外 のメディアでやればいいんじゃないのって思いますが。
繰り返しますが『捜索者』は最高の「画面」を持った映画です。美しい細部を 上げていくとキリがない。 【ゑぎ】さん [映画館(字幕)] 10点(2017-03-28 05:56:26)
4.映画では表現するのが難しい距離と時間を見事に体感できる映画です。「もういいよ。諦めようよ」と見ている方に思わせるこの説得力!西部の広大さを常に意識させる、人間なんてちっぽけであると思わせる素晴らしい構図。厳しさとその中でも決して失われる事のないユーモア。否応なく気持ちを高揚させる馬上でのスピードとアクション。そして皆々様が既にご指摘の通り、人々があるべき場所に収まっても、一人帰る所のないさすらい人、ジョン・ウェイン。いやもう最高です。私ごときが今更言うことではないかもしれないけど、ジョン・フォードは映画のなんたるかを熟知している人です。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-09-14 22:54:06)(良:1票)
3.観終わった瞬間の充実感、格別のものがあります。映画冒頭、暗い家の中から女性が扉を開けると、そこは広大なる荒野、観るものをいきなり別世界へといざないます。すると向こうから馬に乗ってやってくる人影、それこそが、久しぶりに現れたジョン・ウェインなのでありました。で、話は飛んで映画の最後、残念ながら冒頭シーンとは別の家なのですが、今度は人々が家の中に入って来て、カメラも屋内に下がり、ジョン・ウェインだけを外に残して扉が閉められ、THE END。↓おっさん様もご指摘の通り、誠にシビれる大団円であります。さてこの映画、先住民に身内を殺され、誘拐された男達の壮絶なる追跡劇でもあり復讐劇でもあるのですが、陰惨な雰囲気に堕していないのは、絶妙のユーモア感覚のお陰でしょう。今で言うところの、ロード・ムービーみたいな味わいすらあります。途中、エピソードと手紙朗読を交差させる等、演出の面白さにも事欠きません。そして戦闘シーンのダイナミックなこと!俯瞰の構図による立体感、カメラが全速力の馬に併走する躍動感。まさに満腹感を味わえる一本だと思います。 【鱗歌】さん 10点(2004-02-01 16:29:10)(良:4票)
2.へんなインディアン擁護映画こそ逆差別。白人世界対インディアン、人間と人間、文化と文化が対等にぶつかるからこそ闘争が生まれる。そこには偏見も差別もない。人間の生命の真剣な営みと、そこから生じる痛みがある。インディアンの食料になるからと、野牛を殺そうとするイーサン。すさまじい悲しみを秘めた名シーンだ。それをつつみこみ、さまざまな表情を見せる自然の美しさ。アメリカ映画の最高峰のひとつである。 【ちょうじ】さん 10点(2002-08-10 16:50:01)
1.西部劇の最高傑作と名高い作品。確かに一部で言われている差別的感情が存在している作品だと捉えることはできるのですが、客観的に観れば凄い映画だと思います。技巧的には優れていて「これぞ男の西部劇だ!」と言わんばかりのシーンの連続に息を呑むこと間違いなし。デビュー直後のN・ウッドも印象的でノリにノッていると感じさせます。J・フォード流の乾いたユーモアもあり、それが上手に溶け込んでいることも演出の妙か。歴史に残る名作でしょう。 【チャーリー】さん 10点(2002-07-16 08:52:40)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
35人 |
平均点数 |
6.74点 |
0 | 1 | 2.86% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 3 | 8.57% |
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4 | 1 | 2.86% |
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5 | 2 | 5.71% |
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6 | 7 | 20.00% |
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7 | 9 | 25.71% |
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8 | 5 | 14.29% |
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9 | 2 | 5.71% |
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10 | 5 | 14.29% |
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【その他点数情報】
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