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【クチコミ・感想(10点検索)】
2.《ネタバレ》 やばい、やばい、やばい・・・観てる途中からずっとこの言葉が頭の中を鳴り響く。何故ならば、主人公の自称「甲斐性なし」生島に、自分がすっかり感情移入してしまっていたから。多分もしああいう場所・ああいう状況で寺島しのぶに誘われたら自分もフラフラとついて行ってしまうだろう。彼女と昼夜を問わずまぐわい、貯金通帳も有り金も全部渡してしまうけれど、結局一緒に死ぬことも、彼女の手を取ってどこか遠くへ逃げることも出来ず、だらしなく下駄を足に引っ掛け、無様に彼女を見送ることしか出来ないだろう・・・痛い、痛い、痛い。男は死にながら生き、女は死を見据えながら生きる。これは男の(いや、そーゆー物言いは逃げだな、敢えて言うけど「俺の」だ)弱さ、情けなさ、そして甘えを容赦無くあぶり出し、見せしめにし、断罪する作品。てか、面白いとかどうとか言う前に、人物も、描かれる風景も、音楽も、エンディングのキャスト・スタッフクレジットに至るまでの画面からほとばしる全てのモノの質量・密度が、そこらの映画とはケタ外れ。まるでブラックホール。僕は映画賞、特に日本国内のそれをあまり信用していないのだが、この作品が数々の賞を受賞しているという事は、まだまだそんなに捨てたものじゃないのかもしれないと思う。それにしても荒戸源次郎、名前もごついが撮る映画もごつい。
【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-05-03 18:02:35)(良:2票)
1.主人公の青年はただの負け犬で、自分では「死ぬ為に生きてる」などと呟いてはいるが、実はなんとか生きることの口実をつけようとしてるだけのように見える。もちろん映画はこの男をヒーロー然と描こうとはしない。その事務的な毎日を綴るだけだ。そして彼の前に現れる奇妙な人々もまた、なんら象徴的な意味を帯びてはいず、ただ彼のつまらない日常を通り過ぎていく。この前半は、何というか、臓物を串に刺すそのリズムが妙に心地よいように、ただただ面白い。■そして後半、登場する女は、何というか、まとわりつく「死」を一生懸命振り払って、一生懸命生きていこうとする女だ。なにしろ、彼女と「くりそつ」な兄貴は暴力と死に満ちているし、愛人は「刺しちがえる覚悟」で仕事をしているのだから。■このような男と女の「死」への道行きがはじまる。その齟齬から生じる可笑しさと幻想、対比がうみだす「生」の素晴らしさ。■しかし彼女は悟る。「あんたはあかんな」と呟くとき、彼女はすべてを悟ったのだ。この男が「死」に憧れつつも常に「生」の側におり、自分は常に「死」の側にいるのだということを。いくら懸命に振り払っても「死」は自分につきまとっているのだと。自らの存在が「死」をよびこんでいるのだと。それでも生きていこうとする寺島が素晴らしい。■そして男もまた気づく。自分は死ぬことも生きることもできない負け犬であることを。「死の中だからこその悦楽」も「生」もまたただの幻想に過ぎなかったことを。女が生の証として与えたパンティーはなく、自分が社会不適応者だと告知してある明解さんだけが手元に残る。実は少年時代に知っていたはずなのに。彼は美しい蝶をつかまえることはできない。それは悲しく、そして実に可笑しい。合掌。 【まぶぜたろう】さん 10点(2004-08-22 10:16:54)(良:4票)
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【点数情報】
Review人数 |
23人 |
平均点数 |
6.26点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 1 | 4.35% |
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3 | 3 | 13.04% |
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4 | 1 | 4.35% |
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5 | 4 | 17.39% |
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6 | 3 | 13.04% |
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7 | 3 | 13.04% |
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8 | 4 | 17.39% |
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9 | 2 | 8.70% |
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10 | 2 | 8.70% |
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【その他点数情報】
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