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王将(1948)

1948年【日】 上映時間:94分
ドラマモノクロ映画実話もの伝記もの戯曲(舞台劇)の映画化
[オウショウ]
新規登録(2003-12-25)【_】さん
タイトル情報更新(2022-07-24)【イニシャルK】さん
公開開始日(1948-10-18)


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監督伊藤大輔
助監督加藤泰(クレジット「加藤泰通」)
キャスト阪東妻三郎(男優)坂田三吉
水戸光子(女優)小春
三條美紀(女優)玉江
奈加テルコ(女優)玉江(少女時代)
滝沢修〔男優〕(男優)関根名人
斎藤達雄(男優)大倉
大友柳太朗(男優)毛利
小杉勇(男優)菊岡
三島雅夫(男優)新蔵
香川良介(男優)小澤七段
葛木香一(男優)八代
寺島貢(男優)封島
近衛敏明(男優)中浜
上田寛(男優)眞砂
葉山富之輔(男優)佐分
石原須磨男(男優)由松
島田照夫(男優)柿花
玉置一恵(男優)番頭伍平
三浦志郎(男優)
小林加奈枝(女優)
原作北条秀司
脚本伊藤大輔
音楽西悟郎
撮影石本秀雄
製作永田雅一
企画奥田久司
配給大映
美術角井平吉
西岡善信(美術助手)
衣装黒沢良子
編集宮田味津三
録音海原幸夫
長岡栄(録音助手)
照明伊藤貞一(照明助手)
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3.《ネタバレ》 阪東妻三郎、この俳優を見ていると役者とは何か?それを超えて一人の人間とは何か?って考えさせられる。同じような役者に今は亡き名優、渥美清という人がいる。この二人の共通点、それは言葉のトーンで泣かせることの出来る俳優であって、言葉の奥に秘められた感情表現の仕方、演技、身体全体から伝わってくるユーモアと優しさの全てを持った正に名優中の名優!それが阪東妻三郎という俳優であると言いたい。この映画の主人公、坂田三吉などその典型的人間味溢れる男の中の男!「無法松の一生」の富島松五郎と同じで、阪東妻三郎の男粋、優しさが画面全体を通して伝わってきて、もう、そこにいるだけで泣けて泣けて仕方がないぐらいだ!将棋のことしか頭になく、自分の大事な妻と娘のことをほったらかし状態にしてしまうほどの大の将棋バカであるそんな三吉が将棋など辞めると将棋の駒を投げ捨てる場面で落ちた王将と書かれた駒を拾う妻、水戸光子の演技も素晴らしい。夫の為にと尽くす姿、そこには夫と妻という夫婦の絆が見事に描かれている。そして、再び将棋の世界へと足を踏み入れた三吉がどさくさ紛れに放った手で勝利し、それを見ていた娘(三条美紀)に勝ちさえすればそれで良いの?と涙ながらに訴えかけられるあの場面、どこかのプロ野球チームの関係者全員に聞かせてやりたい!そんな娘の涙する姿に自分が間違っていたと涙する三吉!そんな三吉が関根名人の祝いの会で関根名人への思いを打ち明ける場面と、大阪に残してきた妻がもう、命は短いと解りながらも電話の受話器を持って一生懸命と妻に語りかける場面なんて、見ていて眼の前が涙で雲ってしまうぐらい本当に泣けてやばかった。これは単なる男と男の闘いのドラマではなく、それ以上に人間ドラマとして、素晴らしい大傑作の名に相応しい映画である。文句なしの満点です。 青観さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2007-12-31 12:18:06)(良:3票)

2.《ネタバレ》 まず人前では泣くことはない私だが、年に数回は名画に涙する。殊に洋画ならチャップリン、邦画なら阪妻の主演映画に滅法弱い。『無法松』にしても『高田馬場』にしても、そして本作『王将』にしてもそう。阪妻の芝居に対し、観るたびに全幅の信頼感を寄せている自分が居る。この坂田三吉役も、まさに富島松五郎と並ぶ一世一代のハマリ役で、かくも映像を通して人間の体温が伝わるものかと驚嘆を禁じ得ない。 そんな阪妻に対し、堂々と伍しているのが水戸光子。戦前のアイドル的存在感も可愛らしくて好きだが、戦後は『女』や『雨月物語』、そして本作での糟糠の妻・小春の如く、全身から苦労が滲み出たような役柄で一層の輝きを放つ名女優に化けた。他にも父への愛情に充ちた批判をする玉江の三條美紀が凛々しく、滝沢修の知性漲る関根名人も秀逸。そんな充実した役者陣、厚みのあるストーリー展開に終始釘付けとなり、やがて迎える感無量のラスト。視界が溢れる涙で歪んでしまうのだが、その満足感たるや凡百の映画では到底得られるものではない。邦画史においても私個人にとっても、掛け替えのない至宝と云いきれる珠玉の一本である。 丹羽飄逸さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2007-09-22 17:49:09)(良:2票)

1.将棋だけに限らず芸術や音楽、一家の大黒柱がそんな芸ごとに仕事そっちのけでうつつをぬかすとその家族は悲惨である。ましてや子供が二人もいようものなら…。それはさて置いて、この映画は人情ドラマとして文句の付けようがないほど良く出来ています。まず演技力確かな役者陣が良い。ちょっとユーモラスな坂田三吉を演じた阪東妻三郎はもちろんのこと、生活感溢れる女房小春を演じた水戸光子、そして迫真の演技を披露した娘玉江役の三條美紀などなど。監督伊藤大輔のメリハリを効かした味わい深い演出が冴えに冴えており、思わず唸ってしまうシーンも枚挙にいとまがない。また手作り感に満ちたセット美術も素晴らしく、とくに通天閣を望む人情味溢れた長屋の風景もノスタルジック充分。やはり本作での圧巻は二五銀のくだりでしょう。ピーンと張り詰めた雰囲気から不吉な風が吹く。自陣は破られる寸前で負け将棋の様相を呈している三吉だが、ここで一発敵陣に思いもよらぬハッタリの一手をかます。泡を食った関根八段は逆転劇を許してしまう。勝利でいい気になっている三吉だったが、娘玉江に腹の底を見透かされなじられる。勝てば良いというものではなく、名人位をねらうに相応しい堂々たる将棋を指して欲しいと。三吉は激怒し玉江を追いかける。それに追いすがる女房小春。鏡に映った自分の顔を見て我にかえる三吉。そこにはくも助将棋の顔があった。玉江の言うとおりだった。三吉は名人位をねらうに相応しい将棋指しになることを誓う。この一連のシーンはただただ圧巻で、父を心の底から思う娘玉江の姿に涙なしではいられなかった。その他にも記憶に残るエピソードばかりで、ついレビューが長くなってしまいます。そしてラスト、三吉が病床の小春にお題目を唱える中、彼女がお守り代わりにしていた王将の駒(この駒にはこの物語のすべてが詰まっている)をアップでとらえるエンディングシーンなんかもヤラれてしまい、またもや目頭が熱くなった。まさに人情ドラマの名作、文句なしの10点満点。 光りやまねこさん 10点(2004-12-06 11:09:06)(良:4票)

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【点数情報】

Review人数 23人
平均点数 7.30点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
314.35% line
414.35% line
528.70% line
628.70% line
7626.09% line
8521.74% line
9313.04% line
10313.04% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.50点 Review2人
2 ストーリー評価 8.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.50点 Review2人
4 音楽評価 8.50点 Review2人
5 感泣評価 9.50点 Review2人

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