みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
3.《ネタバレ》 原作未読ですが、DVDは何度も(おそらく10回近く)観ています。 私はこの映画が本当に大好きです。 でも正直言うと、初めて見た時は「まぁ面白い」程度の評価でした。(点数で言えば6~7点) しかし、この作品には不思議な中毒性があります。 なんだか急に、本作に溢れている『さまざまな愛の形』に触れたくなるんです。 そういう時は大抵、自分の心が疲れて荒んでいたり、優しくされたい、愛されたい!と思っている時なんだなぁ…ということに気がついたのも、ごく最近のことです。 一度目より二度目、二度目より三度目とどんどん魅せられていき、最終的には私にとってバイブルのような存在になったのが、加点の理由だと思います。 序盤は、ただひたすら不憫な女性にしか見えない幸江と、端から見ればただのダメ男であるイサオの関係性が、テンポよくコミカルに描かれています。 悲壮感は一切漂わず、寧ろ笑ってしまう(幸江ちゃんごめん!)描写が多いので、不快感もありません。 では何故イサオに不快感を抱かずにいられるのか? それは、彼から「幸江に対する深い愛情」が感じられるからだと思います。 イサオは天性のヤクザ気質を必死で抑え、堅気として真っ当な人生を歩みたいのに歩めない葛藤に苛立ちます。 ゆえに物に当たりギャンブルに逃げるものの、決して幸江には手を挙げず、弱音も吐かず、言い訳もしません。 どんなに辛くても、嫌気が差しても、すべては幸江のため、愛する幸江あってこその決断だから。 幸江に対する誹謗中傷も一切許さない彼の姿勢には、「深い愛」と「男としてのスジ」を感じさせます。 その「スジ」が厄介だったりするのよね…と女の私は感じる時もあるのですが、それはきっと男の人にしか解らない領分ですから、私も幸江のように受け容れようと思います。 そんなイサオの醸し出す「何か」があってこそ、幸江が献身的に尽くす理由に含みを持たせてくれています。 その「何か」は、現在の2人とは真逆の関係性だった「過去」にあることが判明します。 2人の関係だけでなく、幸江自身の過去も詳らかになることによって、彼女の人間性にも深みが増してゆきます。 人間は多かれ少なかれ、裏切り、裏切られる人生を歩むのだと思います。 幸江は若くして信じていた人たちに裏切られ、たくさん傷つきますが、彼女自身も自分を必要としてくれた人を裏切り、傷つけていたのもまた事実です。 しかし悲しいかな、人間は傷つけるより傷つけられた事実の方が心に大きな影を落とします。 ゆえに幸江は常に愛されることを望み、愛されることこそ幸せになる近道だと信じていましたが、自分から人を愛するという観点は無いため、愛し方にも疎い、悲しい人間になってしまったのだと思います。 けれど、そんな彼女に『ありのままの自分と向き合う強さと勇気』を教えてくれたのが熊本さん。 そして『一途に人を愛することの難しさと美しさ』を教えてくれたのがイサオ。 死の淵でも『自分の見方を変えれば愛や幸せは常に感じられる』ということを、幸江は母から教わります。 私が思う『彼女にとって最も幸せなこと』とは、「愛とは、幸せとは何か?」を教えてくれる人たちが周囲にたくさん居たことだと思うのです。 彼女はそれに気づき、自分を変え、受けた愛情や恩を彼女なりにお返ししていこうとする心を持ったからこそ、ずっと欲しがっていた愛情や幸せに値する人間になった…のではないかと思います。 不思議なパラドックスですが、渇望するほど遠のき手放せば近づいてくるのは、世の真理なのかもしれません。 彼女は一見、決して幸せとは言えない人生を送っているのかもしれません。 けれども、その過程で彼女が手に入れたのは、何よりも大きく、何にも代えがたく、日頃は気が付きにくくて手に入れるのがとても大変なもの、だったのではないでしょうか。 「愛する」とは「必要とすること」や「信じること」で、受け取る以上に惜しみなく与えるもの。 それが自然にできた時こそ、幸せは私たちの心に訪れるのかもしれません。 幸も不幸も同じだけ価値がある。人生は確かに意味がある。今の私なら、その言葉に心から同意することができます。 ありがとう。 【港のリョーコ横浜横須賀】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2015-11-18 17:22:00)(良:1票) 2.《ネタバレ》 いぃ~。とっても良い。原作の昔からのファンだったので、映画化の話を聞いた時にはあの四コマの世界をどうやって映画にするんだ!!とあまりの暴挙に怒りを覚えて、絶対観に行くか!なんて思ったけど、取り合えず阿部ちゃんファンでもあることから公開と同時に劇場へ…そしてびっくり。原作の世界観を壊すこと無く、逆に映画という世界の中で新しい自虐の世界を拡げて見せえくれた。キャスティング自体もそこから原作キャラをイメージすることなどできないが、映画の世界では何故か彼らがきっちり納まってそこに居る。そしてエンドロールの後のラストはとても感動的であり、これは映画でしか表現することができないな、映画化されてよかったな、と感じた。 【リニア】さん [映画館(邦画)] 10点(2007-12-16 01:10:21)(良:1票) 1.《ネタバレ》 俺は泣いた。中谷美紀、演技うますぎ。阿部寛、パンチ似合いすぎ。こんなに素晴らしい作品をタダで見せてもらって良いのだろうか? 自責の念に駆られ、俺は前売り券を買った。嫁さんをロードショーに連れて行ってやろう。「人生に負けてしまいそうです」手ぬぐい、を手に入れた。部屋に飾ってある。原作の漫画、上・下巻も買った。業田良家さん、印税でどうか楽な余生を送られてください。男ならだまって、ちゃぶ台返し!! 追記;映画館で鑑賞。夫婦で泣いた。まさか、アジャ・コングで涙するとは・・・。不覚じゃ。私たち夫婦の幸せ度が少しは上がっただろうか。子役達も良かったぞ。 【ジャッカルの目】さん [試写会(邦画)] 10点(2007-09-26 22:47:38)
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