みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
3.《ネタバレ》 フォントリアーの映画は疲れます。とっても。後味も何とも言えないのが多い。 でも本作は、ちょっと雰囲気が違ってました。 それまでは迷惑で厄介な鬱病患者としての存在だったジャスティンは、 いろいろなものが見えすぎてしまって苦しんでた。 理解者もいないし、自分が異能者であることもわかっていて。 メランコリアが衝突するとわかってみんなが絶望する中で 唯一、魔方陣のような木のテントを作ればって助かるんだよって、 終焉しかない地球に、希望はあるよって幼い子に信じさせようとする最後が悲しかった。 絶対に助かることはないって伝えず、どこまでも希望はあるんだよって、 一緒に魔方陣を作ろうって、彼に木を削りくみ上げさせて 絶望を共有させず、希望を持たせ続けようとした。 僕が作った魔方陣に大好きな母親も入って、きっと僕が守れるんだって信じさせて。 助けて欲しかった絶望の中で生きてきたから その絶望が消えることはなくとも、希望を持たせてあげたいと思ったのか。 終焉を受け入れるジャスティン。 最後まで希望を信じさせてあげて欲しいとジャスティンに目で伝えられで、必死で涙をこらえるクレア。 そしてきっと僕が作った魔方陣の中にいるみんなは大丈夫だって信じてる子の穏やかな微笑み。 とても綺麗なラストでした。 【こっちゃん】さん [インターネット(字幕)] 10点(2025-02-19 18:30:15)(良:1票) 2.これはキューブリックの感性を上回る作品でした。映画の進化が著しく、秀作が目白押しの気がしますが、その中でもこの作品は凄かった。映像的にも、音楽的にも、演出的にも。いろんな意味付けが可能なのでしょうが、映画好きな自分には、自分の中で「映画的」という形容詞ができあがってます。まず結婚式に時間をたっぷり使います。実に豪華な顔ぶれ。ここはここで群像劇的な色合いで、ジャスティンの女性心理をじっくり描きます。そして一転、姉のクレアの惑星接近に動揺する彼女をじっくり描きます。いろんな意味付けができるのでしょうが、自分はこの二つの視点を持つ映画の「映画的さ」にひたりました。ラースフォントリファーの世界にひたったんですねぇ。そして「映画的」をたっぷり感じ取りました。彼の容赦のないラストを持ってくるストーリーには辟易もしますが、この作品で大好きな監督になったことは間違いないです。最初の数分を観て、ネットでDVDを購入しました。 【トント】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-09-19 04:26:59)(良:1票) 1.《ネタバレ》 トリアーの作品の多くは、神経の弱ったアウトローの人間を、まわりの複数の人間たちが、「もっと周りの人間たちと協調しなさい」と注意したり、「かわいそう」と同情したり、憎んだりする描写が中心に描かれている。鬱とは何か?それについて他人は「悩むな」とアドバイスを与える。「もっと頑張れ」とも言う。しかしそのアドバイスには、憎しみと軽蔑が含まれていることに、言っている本人たちが気が付いていない。これを偽善という。トリアーはこの「偽善」を描くために生きているようなものだ。社会の一員になれない異端児を攻撃する本能が、われわれ社会にはある。地球破滅願望の心理は単純です。今、鬱病の自分が持っている不安を凌駕する不安が起これば、小さな不安は消えるからです。しかもそれは自分だけの不安ではなく、自分に対して「もっと頑張れ」とアドバイスをおくる憎悪すべき人々まで巻き込むことができる。姉のクレアの「滅亡」に対する恐怖は、さぞかし主人公にとっては心地よかったと思います。反対にメランコリアが地球から離れていこうとしたとき、彼女は少しがっかりした様子さえ見せます。トリアーはどの作品でも一貫して、社会の一員になりきれない弱者を描いてきた。そしてそういう弱者を周りの我々が、同情や軽蔑によって攻撃する様子を、偽善を交えて描いてきた。偽善こそ憎むべき存在であり、それは人類そのものを意味する。メランコリアは主人公の期待通り、すなわち彼女の敵である我々を滅ぼすために、再び地球に接近する。そして滅亡!ついに出たよ、トリアー流のハッピーエンド。彼の頭の中は人類に対する復讐心でいっぱいなのでしょう。そして私はそういう彼に共感するのだ。勇気を持って爽快感を味わえる映画だと断言しておきます。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-08-18 20:18:55)(良:1票)
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