みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
16.この映画は、ひとつの人間の本質を暴き出した映画だ。 カーツ大佐は戦場で地獄の恐怖と暴力を経験するうちに、それに伴う快感を知ってしまったのだ。ここで言う恐怖と暴力の快感とは、私達がホラー映画やボクシングの試合を見て喜ぶのにも顕著で、私達は実は恐怖や暴力が本能的には大好きなのだ。カーツ大佐は心の闇の奥に触れ、恐怖に魅了されてしまったのだ。この映画のテーマは原作のタイトルにも明白で、「Heart of Darkness」訳すと『闇の心』である。つまり、この映画は戦争に関しての哲学などではなく、人間の闇の心を暴き出す作品なのだ。きっと、カーツ大佐は自らの死が迫る恐怖感をも愉しんでいたのだろう。 【runnershigh】さん 10点(2004-01-22 18:51:05)(良:1票) 15.カーツ大佐はベトナムでの闘いで自分の中(アメリカ)に潜む偽善と嘘に気付いたのではないだろうか。 ベトナムの子供に予防注射をしたが、その子供達はベトナムの兵士により腕を切り落とされたと・・・。彼ら(ベトナム人)には恐怖は存在しない。狂気そのものである。偽善や自らの社会的地位と確立、或いは浅はかな思い上がりで戦場に来たアメリカ人兵士達とは“殺し合う”という意識が全く異なっていると痛感したのだろう。カーツの言う「恐怖を友にしなければいけない」とはそのことを指していると感じる。 人間の内にある暴力性を訴えかける戦争映画は腐るほど有るが、この作品はそんな単純なモノではない。闘うために必要な“恐怖と狂気をコントロールすることが出来る道義心”或いは“自由に対する欲望と精神的強さ”が自らに有るのかどうか、それをカーツは身をもって経験したのではないか。ベトナム兵士はそれを持ち合わせていた。しかしカーツ(アメリカ)は己の中にある恐怖に屈し、精神は分裂した。つまり敗北したのである。闇の心すなわち恐怖である。 この作品はベトナムが舞台では有るが、ソマリアやイラク等の中東におけるアメリカの関与にも十分に連動した内容である。それに対する批判と警告を指したコッポラによる独自の考えであり、偽善と虚による闘争心と本能を題材とした哲学なのだと思う。 あと、くれぐれも言っておきたいのは、通常版の方が断然優れているということ。完全版は無意味に話の流れが殺されている(例えばフランス人入植者のエピソード)。通常版は話の流れがスムーズで極上の編集がほどこされている。無意味に長いのは客の興味を削いでしまうし、気付かぬ内に集中力が散漫になりラストの余韻が薄らぐ。 【おはようジングル】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-01-22 16:28:00)(良:1票) 14.映画としては破綻をきたしており、決してバランスの取れた映画ではないが、とんでもないものを見たという印象。映画が観客に投げかけるテーマの大きさ、深さに圧倒されてしまう。アジアへの畏れのようなものも、ここかしこに見える。この映画に対して「長い」という理由で低い点数つけてる人もいるけど、それでは批判したことにはならないよ。ましてや「眠かったから」なんてのは論外。ちゃんと体調整えてこんかい! 【ひろみつ】さん 10点(2003-11-23 01:27:30)(良:1票) 13.《ネタバレ》 私はこの映画が“マイ・ベスト・ムービー”なので、いくら未公開シーンが加わって長くなっても基本的に大歓迎です。伝説の7時間バージョンも死ぬまでに是非観たいと思うくらいです。ですが、やはりここは冷静にこの“特別完全版”で追加されたシーンについて検証したいと思います。 【要らないシーン】キルゴアのサーフボードを巡る追加エピソード~終始深刻な顔で独白していたウイラード大尉が唐突にこんなイタズラをして子供のように笑っているのは不自然です。中途半端に大尉のキャラを掘り下げるのは全体の雰囲気を損ねる危険有り。同様の理由で燃料とプレイメイトを交換するくだりも不必要。 【良かったシーン】フランス人農園のエピソード~説明的ではあるが、ベトナム戦争という背景を理解するためには、カーツの苦悩を理解するには必要。同様の理由でカーツがベトナム戦争における米兵の任務期間の問題などを糾弾する書簡を大尉が読むシーンも理解を助けてくれる。 【トマシーノ】さん [DVD(字幕)] 10点(2003-09-25 14:45:54)(良:1票) 12.映画史上に燦然と輝く傑作。3時間半、まったく退屈しませんでした。CGにはない実写の迫力に体が震え、重厚なテーマに胸を打たれました。この作品を見てしまうと、最近の他のハリウッド戦争映画が全て偽善であるとわかります。「ひとたび戦争が起こってしまえば、善も悪も無くなってしまう。戦場の人間全てに狂気が伝染していく」という、戦争の狂気を主題に置いたストーリーは時にショッキングな描写を伴い、見る人を選ぶことになりますが、それだけに重く深い。ハリウッドの資本と監督の芸術性が見事に融合した稀有な例。今後これを超える作品が作られることがあるのだろうか…。未見の方も、凄惨描写への嫌悪感を乗り越えれば、最高の映画的興奮を得ることが出来ると思います。 【安濃耕二】さん 10点(2002-05-26 00:45:36)(良:1票) 11.《ネタバレ》 原作というよりベースにしたと言うほうがいい「闇の奥」では、アフリカにおける帝国主義という西欧文明の欺瞞と廃退ぶりが描かれているが、映画では、半世紀以上後のアジアにおいて大国アメリカが正義の名の下に行った戦争の欺瞞と兵士の常軌を逸した精神を描いている。為政者が、自由を守る民主主義を守るといって、正義や大義を叫んでも、軍隊にとっては破壊と殺戮の手段でしかない。殺さなければ殺されるだけである。前半は戦争の狂気が圧倒的な迫力で描かれる。村を破壊しジャングルを焼き尽くす。遠くから見る者には美しく感じるほどの描き方だ。そして後半は人間の心の奥にある闇を浮き彫りにする。アメリカ兵の人間性の崩壊、フランス人入植者の屈折した言動、そして極めつけは、カーツ大佐が築いた驚愕の王国での蛮行だ。それらは、西欧的文明の常識では到底受け入れられない行為であり、観る者は、狂気の沙汰だと眉をひそめてしまうだろう。だが、反面、心のどこかで納得している自分もいることにふと気づくのだ。 【パセリセージ】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-04-23 22:19:15) 10.特別版になって、物語の意味がわかりやすくなったと思います。 【TVC15】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-02-25 11:02:04) 9.《ネタバレ》 ベトナム戦争の狂気を描いた傑作。模範的な軍人カーツが何故カンボジアの奥地に自分だけの「王国」を築いたのか? その理由はカーツのみ知っている。 カーツの狂気は、ベトナム戦争の狂気そのものかもしれない。 カーツの「王国」は消えても、ベトナム戦争の恐怖は消えずに残っている。 【哀しみの王】さん [地上波(字幕)] 10点(2006-01-06 08:04:31) 8.《ネタバレ》 初めて高校生のときにオリジナル版を見て以来何回となく繰り返して見た映画。 ドアーズとの出会いのきっかけでもあります。 復刻版をDVDで久しぶりに見てみたけど、やっぱりいいですね。 若いときは例のワーグナーの攻撃シーンまでが圧巻で後は不可解な尻つぼみの映画という印象がありましたが、改めて見てみると後半にいくほど凄みを増してくる奥深い映画だと思いました。どなたかも書いておられたがカーツ大佐を探し求めるこのウィラード大尉の旅は自分探しの旅なんですね。でも最後のカーツ殺しをどう考えたらいいのか難しいです。 ともかく全編にわたり映像の美しさは比類がないし、何度見ても飽きない映画です。 【JUNK】さん 10点(2004-06-21 06:23:58) 7.先に特別盤じゃない方を観ていたのとこの映画がなにを言いたいか説明を受けていたのでとても面白かったです。三時間をゆうに越える時間も気になりませんでした。ただ説明されないとわかりづらすぎるのがちょっとねえ…。 【Keith Emerson】さん 10点(2003-12-08 21:44:06) 6.オリジナルは中学生時代にビデオで初見。カーツの存在意義は?プレイメイトはどうなったの?疑問点多々。この度、特別完全版を映画館で観た。カーツの存在も何もかも面白いようによくわかる。わかりやすい映画になったことに加えて、シネスコで観れたことと少なからず自分の理解力が増していたことが要因か。 【上海魔人】さん 10点(2003-06-22 11:46:21) 5.堪能しました。3時間超の上映時間中、どっぷりとこの映画の世界に浸かってしまいました。サイケ、ジミヘン、ドラッグ等の要素が混ざり合ったベトナム戦争の猥雑な雰囲気って、当時を知らない僕にとってすごく鮮烈です。でも、好き嫌いの分かれる映画でしょうね。 【ハナー】さん 10点(2003-02-27 01:11:57) 4.恐ろしいほどに生々しく、物語自体が今でも息づいている感じ。過去を描いたようで現代までも見透かした印象があるのは、真理をついているからだろうと思う。マーロン・ブランドの契約違反によるダイエット不足は欠点だけども、それを補うほどのエネルギーを感じた。オリジナル版は対して好きではなかったけれど、これは最高。 【カンダラッキー】さん 10点(2002-10-29 15:07:00) 3. 【ハッチ】さん 10点(2002-08-15 20:24:25) 2.Reviewになってませんが。。。オリジナルを観たのは、小6の時。。。全然解りませんでした。(このときは、70mmで観ていると思う。)「何だ、この映画、解らないけど、すごい。。。」それから、ビデオで観る事、十数回。戸田奈津子さんの「字幕の中に人生」を読んだり、DVDでエンディングの問題点へのコッポラのコメントを観たり、ベトナム戦争や当時の背景をよく解っていない私は、立花隆さんの「解読 地獄の黙示録」を読んで、その後DVDで2回オリジナル(字幕は間違ったまま)を観て、特別完全版にのぞみました。実に約20年ぶりに劇場で観る「地獄の黙示録」は、あっという間の3時間半、素晴らしい映画でした。ウィラードと一緒に自分探しの旅を体験できる良い映画に生まれ変わってました。特に、キルゴアの登場シーン、タイムなどを朗読するカーツ、フレンチプランテーション、オリジナルにはなかった性表現、これら今回復活した映像は、この映画を解りやすく、最高のベトナム戦争映画にしてくれました。しかし、解らなかった私を、解るようしてくれた立花さんの本、そしてこの特別完全版、この映画は、私の中で、キューブリックの「2001年宇宙の旅」と列ぶ、素晴らしい作品だと思います。はやく特別完全版のDVDが出て欲しい。 【つくる】さん 10点(2002-03-24 12:55:32) 1.ベトナム戦争の無意味さ、惨さ、虚しさを如実に表した素晴らし映画だと思う。そして映像の美しさ、CGで作られた映像を見慣れた人達にとってはものすごく新鮮に映るのではないでしょうか。戦争に対する思いが最後にウィラード大尉が言った言葉に詰められていると思う。これからはこの「特別完全版」がオリジナルになるでしょう。 【風と共にサリエリ】さん 10点(2002-02-27 18:58:46)
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