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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です!
【クチコミ・感想(10点検索)】
4.出来すぎた偶然と見るか、究極のリアリズムと捉えるか、いずれにしても現代のアメリカが心の底から飢えている癒しがこれなのだろう。不幸は振り重なるものだし、孤独な魂は惹かれ合うもの。「アフリクション」がダイレクトに攻め込み過ぎて今ひとつ余韻を残せなかったACの苦悩と再生への過程が、黒人としてのハリー・ベリーを抱え込んだことで物語に新しい世代に与えられた選択肢の広がりという奥行きと広がりを見せた。ここに描かれるのは二世代に跨る二組の父と息子、その支配の連鎖と一つの時代の終わりである。アメリカ社会最大のタブーと言われた異人種間セックスを扱った問題作「ジャングル・フィーバー」で脚光を浴びたハリー・ベリーがここではその当事者として登場しているのも興味深い。人種を超え、肉親のしがらみを断ち切って剥き出しの魂のみで生きて行くことを決意するビリー・ボブ・ソーントンの姿は、決して声高に叫ばれることのないこの物語の最大のテーマを余すことなく語っている。彼の孤独、彼の絶望、彼の惨めな人生は貧しい黒人の寡婦に跪き愛を乞わせる。聖女レティシアは受け取り手のなくなった溢れ出る愛情を彼に与える機会を得、非現実的な絶望感の中で二人はそれぞれにとって必要としている「愛の代用品」を見つけるのである。黒人で初めてのオスカー主演女優賞に加え、ここまで激しいファックシーンでオスカーを手にしたのも彼女が初めてではないかと思われるが、ここはひとつ最後まで涙を流す素振りさえ許されなかったビリー・ボブ・ソーントンの抑えの演技に手放しの拍手を贈りたい。関係ないけどヒース・レジャーってグレン・クローズの息子じゃないかと本気で思うほど似てますね。ホントに何の関係もないんですか? 【anemone】さん 10点(2004-03-20 03:19:02)(良:1票)
3.「愛してるから~」という台詞は用途が広いが、遣い方は難しい。誰もが「自分は愛されているのか」と不安になることがあると思うのだが、そんな時でさえ、「愛してるよ」と言われても、満たされないこともある。かえって、疑念や孤独感が大きくなることさえある。それを体験した人の中には、惰性のままに生きていけたらいいと思う人もいるのではないだろうか。この作品の登場人物たちは、まさしく、惰性で生きている。愛を受けたり与えたりした瞬間もあったのだろうが、それを思い出せば辛くなるだけだ。それを思い出せば、惰性で生きてはこれなかったのだ。それぞれに息子を失った二人は、喪失感によって息子への愛情を再認識したかというと、そうではないと思う。愛せなかった自分を認識しただけだ。そんな二人が結びつく。二人の間で、「愛してる」という言葉が交わされるようになった時、二人の結びつきは壊れているだろう。それでも、二人は生きていけると思う。チョコレートをほおばるような瞬間さえあれば、二人は生きていけるのだ。自分が今手にしている愛は、偽者かもしれないと怯えている人は、その不確かさを確認する必要もないし、わざわざ捨てることも無い。愛されていない人は、生きる意味を考える必要も無い。「愛」を重要視しなくていいのだ。この作品は、尊いとされている「愛」を、チョコレートという代用品で補ってしまうことをヨシとしている。人間に対して、とっても優しい作品だと思う。 【日雀】さん 10点(2004-06-20 09:55:00)
2.観終わった後に思わず「深いねえ~」とうなっらずにはいられなかった。物凄く濃厚で潔いラブ・ストーリーだ。そろそろもう一度見たいところです。ハル・ベリーも良かったけど、賞賛すべきはビリー・ボブ・ソーントンだと確信する。見事だった。 【スマイル・ペコ】さん 10点(2003-05-24 19:03:32)
1.黒人女性レティシアは死刑囚の夫ローレンスを失い、その悲しみも癒えぬ間に息子タイレルを事故で失うことになる。その事故の現場に通りかかり、彼女の助けになってゆくのが、皮肉にも彼女の夫の刑の立会人で看守のハンクであった。ハンクは差別主義者の元看守の父と、やはり同刑務所で働くソニーと共に暮らしていた。が、ローレンスの刑の当日、ミスを犯した息子と口論になる。ハンクの容赦ない叱責に、ソニーは「父さんは俺が憎いだろう?でも俺は父さんを愛してた」と自分に向け引き金を引いた。人生のすべてを他人の手により消去されたレティシアと、自らの過ちにより大切なものを失ったハンク。黒人女性と白人男性。すべてが正反対の二人は、この不幸な出来事さえなければ惹かれあう事の無かった二人は、悲しみのなか出会うことになる。お互いがお互いの存在を知らぬまま、お互いの人生の最悪の時のなかで・・・。新鋭監督マーク・フォスターは、観客にある一定の距離をつくり、このサディスティックな愛の物語を撮りあげている。観客に涙させるのでなく、冷静に運命の結末を見守らせ、あえてレティシアを孤高の女性に仕立て上げた。だからこそ、運命の残酷さより、彼女の孤独感に感情が震え、失う痛みより、手にする痛みに不安感を抱かせることに成功したのであろう。そして注目すべきは、レティシアに命を与えたハル・ベリーの全身をかけた演技。息子タイレルを失い泣き崩れる彼女の演技には、身体中を電撃ににた衝撃を受けるにとに違いない。これは失う以上の痛みを伴う愛の物語。レティシアが最後に手にするのは果たして幸せなのだろうか?彼女自身は答えを見つけた。あなたはどんな答えを見つけるのであろう。 【L.b.】さん 10点(2002-11-09 23:30:20)
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【点数情報】
Review人数 |
178人 |
平均点数 |
6.33点 |
0 | 0 | 0.00% |
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【その他点数情報】
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