みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
129.《ネタバレ》 人類の叡知を遥かに越えた未知の高度知的生命体がある。「神」に近いが、「神」では誤解を招くのでXと仮称する。Xは400万年以上前に地球に飛来し、第1モノリスを設置。Xが地球に生命の芽を植えつけたのかは不明。BC400万年に原人が第1モノリスを発見し、触れた。これでモノリスが原人の意識に作用し、原人は知的進化を遂げ、道具を使うようになる。道具の象徴である骨を投げると瞬時に宇宙船に変貌する。Xにとって数百万年は一瞬のこと。月で第2モノリスを発見。人が触れると(太陽に触れると)木星に信号を発した。第2モノリスは、人類が月に到達するレベルにまで進化したことを第3モノリスに知らせる発信機。木星探査の宇宙船が木星に近づく。探査目的はモノリスだが、添乗員には秘密。パニックを恐れたためだ。探査目的の秘密と、添乗員の命令に従うことは相反するので、宇宙船を制御する万能コンピュータHALは矛盾を抱えた。故に異常をきたし、エラーを起こす。添乗員が自分の抹殺を企んでいるのを知ると、逆に彼らを抹殺しようとする。ボウマンはただ一人生き残り、HALの切り離しに成功。そのとき本当の探査目的を知る。宇宙船が第3モノリスに近づくとスターゲイトが開き、異次元空間(他銀河)に移動、ボウマンは肉体を離れ、意識だけの状態に。そこでは時間軸がゆがみ、高齢の自分、死の直前の自分もいた。来世では宇宙を漂う赤ん坊に。人類は新たなる進化の段階を迎え、肉体を持たず、意識だけの知的存在に。それの象徴としてスターチャイルドが映し出される。HALの反乱は、万能を誇る人類の叡知もいまだ不完全であることの象徴。だから進化しなければならないのだ。この映画の最大の特徴は、神に近い知的生命体が人類を産み、進化させているという概念の提示。これは衝撃的。鑑賞後そら恐ろしいほどの畏敬の念に打たれるのは、それが同時に神の存在も身近に感じさせるからだ。会話や解説は極力廃し、映像と音により無意識に直接働きかける斬新な手法。数百万年単位で繰り広げられる、人類の誕生と進化の壮大な物語。美しいデザインと高い芸術性。宇宙船が子宮なら、HALは母。母を越えて、新しい人類の誕生。象徴性に富む内容。Xの概念が、実際の人類の意識の進化に貢献しているように思える。今もなお観る者に衝撃を与え続ける。映画を越えた映画、傑作中の傑作。最大の賛辞を込めて言おう。この映画がモノリスそのものなのだ! 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-09-24 09:00:15)(良:8票) (笑:2票) 128.《ネタバレ》 カナダのメディア学者マクルーハンの「メディアはメッセージである」という言葉に対し,キューブリックは「メッセージがメディアである」とわかりやすく切り返した。キューブリックはこの映画を作るに際し,メッセージが映画というメディアに与える影響を強く意識していたに違いない。つまるところ,彼のメッセージとは言語化できない「主体的な体験」なのだ。それを考えれば,この映画に対して「難解だから分かりやすく」という要求をするのは,アプローチの仕方というか,"立ち位置"みたいなものが全然違っているように感じる。例えばそれは,モーツァルトの音楽に"説明"をつけ,分かりやすくして欲しいというのと同じようなものなのだから。また,「わざと難解にしている」というのも少々違っていると思う。キューブリックが「観客にわかる」ように作ろうと思えばそりゃ作れるだろうが,さきほども言ったようにそもそも「解説」できないものをあるわけだし,「解説」したとたんに失われるものもあるのではないだろうか。「解説」をしないことで生まれる「主観」や,言語化できない「体験」を「映画」で観る人に伝えたい,それがキューブリックの狙いだと私は思う。...余談。「難解」とみると突然否定的な態度になる人が身近にもいたが,はっきり言ってそういう心理は近親憎悪に近いと思う。他人が頭よさげに振舞ったって,別にどうでもいいじゃん。 【veryautumn】さん 10点(2003-12-18 19:36:31)(良:5票) (笑:1票) 127.監督自らが「一度観ただけでは理解できないよ」なんて馬鹿野郎な発言をしている作品などよほどのことがなければ到底認められない。しかーし!これがそのよほどのことなのだよ。ただ観るものではなくて体験する映画。わけわからんと憤っておられる方もいらっしゃいますが、宇宙の彼方にふっとばされるなんて体験をした当人はわけわからなくって当然じゃありませんか。主人公から極力個性を排除してあるのもキューブリックの作風云々というより観客の参加を容易にするための配慮ではないかと(優れたRPGがそうであるように)。あの至福の映像ドラッグ体験はその後観たどんな映画もかなえてくれません。脳内麻薬ドバーの快感がくせになっちゃって10回くらい劇場に足を運んだが、実家のある田舎のボロい小屋で観たときには映写機の光量不足のせいか、スクリーンに映る星の数が10分の1くらいだったので驚いた! 【皮マン】さん 10点(2004-07-22 13:02:20)(良:2票) (笑:2票) 126.《ネタバレ》 「進化」という言葉はときどき耳にするが、目の当たりにすることは無い。それは比喩的に用いられることを除くと、我々が日常に使っている時間概念…「年」や「世紀」など…を超越したところで起こる生物の変貌だから。そんなものを描いているからこそ、本作は真のSF映画なのだとずっと思っている。宇宙に戦闘機が飛んでレーザー砲を撃つような作品とは次元が違うワンダーを秘めている。本作におけるヒトの進化は2段階に分けて行われる。猿人が道具を使う局面と、ボーマンがスターチャイルドになる局面。モノリスの役目とは進化の閉塞状況の打開だと思う。モノリスによって「道具」を与えられた猿人と月や木星宙域まで到達したヒトは、モノリス的な進化の系譜上では同レベル。そして、ボーマンを使ってモノリスは次の進化を提示した。HALの変心も一種の「進化」と解釈していた時期もある。進化には必然が必要なはずで、それがとても啓示的だ。つまり、現代のヒトは 「進化」の袋小路にいるという概念。それは私の実感だ。この100年ほどで急激に進んだ科学文明がどんなレベルに到達するかを見届ける前に私の寿命は尽きるが、このペースで技術が進んだ1000年後の世界に明るい未来を感じない。仮にあらゆるテクノロジーがとんでもなく進歩しても、それを操るヒトは何も変わっておらず、つまり「進化」しておらず、生物として幼稚なヒトとアンバランスに進んだ社会、というイメージしか持てないのである。スターチャイルドは、そんな閉塞概念に対するひとつの回答だと思う。随分と映画のレビューから逸れているが、何かを考える契機を与えてくれることも映画の機能だとすれば、それが最大限に発揮された作品が私にとっての「2001年」でした。学生時代から今日まで、もう何度観たか分からないし2001年も通過しましたが、今後も観るたびに現代や未来のヒトに想いを馳せることでしょう。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 10点(2010-08-20 00:11:25)(良:3票) 125.初めて観たときは、正直、意味不明やってん。何がおもろいのかさっぱりやってん。これから観る人は覚悟しーや。映像は確かに、どこかしらリアルやけど、まず、ストーリーがわかりにくいし、後半なんて何が起こったんか全然わからんで。それにチンタラしてるで。淡々としてるで。眠くなるで。緊迫したアクションとかないで。登場人物も誰一人キャラたってないで。音楽でいうなら、あんまりなじみのないクラシック聞いてるみたいなもんやで。それでも、ここの評価は7以上。しかも、この映画大好きな人がいるねん。なんでやろ?って思うやん。それを理解したいって思うやん。んで、最近、何気にすっごい観たい気分になったので観てみたら、しびれてもーたわ。なんか、ゾクゾクしてもーた。意味がわかりにくいとこが不思議とおもろい。モノリスの正体が不明なところが、神秘的でおもろい。淡々としてるところが、余計に酔える。壮大感が映画から出てる。これは、ロックとかが好きでクラシック聞くのがダルくて、すぐ眠くなったりして、落ち着いて聞いてられへんかったのに、あるとき、ふと、クラシックを聴いて、これえーなーってなぜかゾクゾク感じて、ずっと最後まで落ちついてクラシックのメロディーに酔えてしまって、最後には理解不能で感動してしまってる感覚に似てる。だけど、おもろないって人は結構いると思う。映画を撮った背景や哲学とか色々考えだすと受け入れらない人もいると思う。 俺の友達や彼女には、これ、おもろいで、って絶対ススメへんわ。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-11-13 14:38:40)(良:3票) 124.《ネタバレ》 オープニングの「ツァラトゥストラはかく語りき」を聴いた瞬間から映画の醍醐味を満喫させてくれる映画。とにかくあまりの映像美に鳥肌が立ちっぱなしでした。68年の作品とは思えない!スペースオペラからの展開がよくわからないという人が多いようですが、あの部分は自分で考え、答えを出すようにキューブリックがあえて説明をしなかったように思います。僕の未熟な脳みそをフル回転させて考えた自分なりの答えを参考までに書いときます。ディスカバリー号のかたちは精子を表しています。そのディスカバリー号がモノリスに導かれ、やがて画面が赤に染まります。これは、処女膜が破れ、血が吹き出たことを表します。あの白い部屋は卵子を表し、そこで精子のボウマン君が着床し、そしてボウマンが死ぬことにより、新人類らしきものが生まれるのです。生と死の見事な描写ですね。t多分この映画が面白くなかったと思う人は何らかの説明を期待していたのでわないでしょうか?そういう人には、イメージを膨らませながら自分なりの答えを見つけ出すような見方でもう一度見てほしいですね。ちなみに、僕のささやかな夢は、家の本格的なホームシアターでこの映画を見ることです。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-10-29 00:09:44)(良:2票) (笑:1票) 123.この作品の素晴らしさは、その芸術性にあるでしょう。ストーリーは、人間が神のような存在(モノリス)と接触して、更に進化するというだけのものです。これは、単なるキューブリックの想像で、モノリスにしても、科学的根拠はありません。 世界の起源、神の存在については、どれほど科学が進歩しようとも、分からないでしょう。そこで人類は、過去に神という存在を作って、その疑問を解決しようとして来ました。この作品は、現在のそれに似ています。つまり、この作品では、現代版の、キューブリックにとっての神という存在を作ったのです。 キューブリックは、そのような「神のような存在」を、映画という具体的な表現方法で表現する事で、人々に感動を与えようとしたのではないでしょうか。 そしてそれを、完璧ともいえる映像表現で、芸術的に仕上げています。 その映像表現の素晴らしさは、誰が見ても認めるでしょう。 また、生命の進化を、暴力の進化で定義しているのも良い表現の一つだったと思います。 この定義によって、人間の愚かさを表現しているように思えます。また、生命が進化する事で、 今後どのような暴力が用いられるのか、それによって生命は何を目指すのか、神(モノリス、もしくは宇宙)は何を生命に求めようとしているのか、疑問を投げかけているように思えます。 このように、この作品は芸術として素晴らしく、感動的に仕上がっています。 公開から36年も経った今も、その輝きは色あせず、素晴らしいです。 そういえば、このレビューを見ていると、「もともとエンターテイメントだった映画を、芸術のみの表現で製作する事は間違っている」といったような感想も多々ありました。この意見に対してですが、この映画で感動できた人にとっては、それでもう、エンターテイメントとしての役割を果たせているのではないでしょうか。 映画にも、観客を選ぶ権利はあるのではないでしょうか。ただ、この作品が分からない人は映画を見る資格がない、といった意見は間違っていると思います。映画には、多角的な、色んな見方の評価が必要なのではないでしょうか・・・。 ともかく、この作品は、個人的には素晴らしかったです。SFとして、芸術作品として、自分が見たSF映画の中では、1番素晴らしい作品だったと思います。この作品以上の作品を期待して、今後も映画を見たいと思います。 【カジ】さん 10点(2004-05-31 22:46:26)(良:3票) 122.このフィルムが生まれた背景に「キューバ危機」と「ケネディ暗殺」が大きく影響していると考えているんです。核戦争による人類の一大危機を目の前に、クラークとキューブリックは、何か人類に“進化を促す”メッセージを送れないか、と考えたんだと思うんです。なぜ人は争うのか…映画はその問いかけから進化の壮大な過程を眼前に提示します。ここで「物質」と「精神」というキーワードが見えてくる。人類最初の道具となる骨が物質なら、宇宙船やHALもそうです。で、その道具を使うお猿さん、さらにボーマン船長らつまり人間も、その肉体に限って言えば物質です。モノはいつか壊れます。つまり「死」。死という恐怖が潜在意識に常にあるので、人間も動物も、つねに生存競争という輪から抜け出すことはできません。冒頭から様々な生存競争が描かれてきますね。お猿さん然り。また未来でも月面などの宇宙開発で、米ソの冷戦状態は続いているようですし。ボーマンとHALがチェスで戦う“前哨戦”のシーンあり、やがて本戦ではボーマンはHALを殺すことになります。もう物質としての進化に限界がきていることが暗示されます。ここで映画は“次次元への大きな進化の流れ”として「物質から精神へ」という壮大なビジョンを提示し、人類が元素でできた肉体の中に、「精神」という摩訶不思議な世界を宿していることを再認識させられます。物質としての滅び行く旧ボーマン(人類)を見せ、生存競争のカルマから解脱する新しい進化のビジョンを、新ボーマン(スターチャイルド)と表現し、人類の進化が肉体ではなく精神体という存在へと移行してゆくことを暗示します。そのスターチャイルドの精神レベルは「神意識」と呼んでいいでしょう。ここにも「死の恐怖を持つ潜在意識」から「神意識」への進化が見て取れます。その意識レベルから見たら人類の争いは、アメーバの同士の争いと大差ないでしょう。冒頭に戻れば、そんな超絶した精神的存在の先駆者が、愚かな核戦争をしようとしている人類(ルサンチマン)に「モノリス」をプレゼントしたわけです…そうまさに超人思想、ニーチェ。曲として「ツァラストラはかく語りき」が使われる必然性がここにあります。人類には、まだまだ無限の可能性が秘められているんだよ…クラーク&キューブリックの壮大なメッセージは、冷戦が収束した今もって新鮮であり、僕の魂をバイブレーションし続けます。 【BUNYA】さん 10点(2004-01-12 10:57:33)(良:3票) 121.本作は私たちの世代には観たくても観られない“幻の映画”だった時期が長かったのです。封切時に観た友人がいて、彼の持っていたテアトル東京の名が入ったプログラムが宝物みたいでとても羨ましかったものです。ぴあの『もあテン』がきっかけになって再上映を求める運動が起きたことは今や伝説ですが、ついにリバイバルされたときはもちろんテアトル東京に駆けつけました。 最初の20分はセリフがまったくなくて(そりゃ猿人しか出てこないんだから当然ですよね)、この映画まさか全篇セリフがないんじゃないかとちょっと心配になりました。そして上映終了、場内が明るくなると満員の観客の8割が首をひねって「訳わからん」という表情だったのを鮮明に憶えています。でも不思議なんですけど、初見の時からこの作品を難解だと思ったことは一度もないんです。何と言うか、キューブリックのイマジネーションが、自分が何となく宇宙や地球外知的生命体そして神について感じていたことにひとつの解答を与えてくれたような気がしたからでしょう。 映画史には、その作品が登場したことによって映画の概念を変えてしまったオーパーツのような特別な映画がありますが、『2001年宇宙の旅』はその筆頭でしょう。 【S&S】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-02-11 22:15:16)(良:2票) 120.《ネタバレ》 BSで放送されたので、久しぶりに見た。やはり唸らされるのは、これが1968年の作品だということ。機器類がタッチパネルではなくボタンだったりするなど、さすがにハード類の一部は古臭いが、それを割り引いても驚異的な未来世界の描写である。1968年といえば電卓がようやく出始めたころだから、この世界をつくり上げた創造性には驚くしかない。 宇宙のシーンのBGMにクラシック音楽を用いたというのもコロンブスの卵で、回転する宇宙ステーションと「美しく青きドナウ」は絶妙の組み合わせだ。心地よいイマジネーションに浸ることができる何度見ても飽きないシーン。ステーションや月に向かう宇宙船は「パンナム」となっていて、当時はまさかパンナムが消滅するとは、さすがのキューブリックも想像できなかったらしく興味深い。ヒルトンホテルは現存しているが。 この作品は「理解できる・できない」ということが一つのポイントとなっているが、私には完全に理解できなくても十二分に引き込まれる映画である。説明的な要素は極力省かれ、そういう意味では不親切きわまりないが、説明がない分、見る者の想像に委ねられ、各人各様の鑑賞が保全されているともいえる。また、説明がないこと自体が本作独特の乾いた魅力を生み出している面があり、物事は「わかればよい」とは限らないということを示しているようにも見える。それに、説明的な本作なんぞ見たくない気がする。 ところで余談的になるが、R・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」がメイン的な音楽として使われているためか、ニーチェの超人思想がテーマだとされることがあるが、私的には違うような気がする。ちょっと重箱の隅をつつくようで心苦しいが、ニーチャの説く「超人」とはそれまでの世界(あるいは神の存在)を否定したうえで、己の意思と力のみに依拠して生き抜こうとする人間のことである。モノリスによって誕生した本作のスターチャイルドは、それまでの世界をとくに否定しているわけでもないようだし、何より、己の力だけではなくモノリスという神のような存在の助けを得て生まれているのだから、「ツァラトゥストラはかく語りき」はあくまでも音楽的な効果として用いられたのではないかと思う。 【delft-Q】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-10-14 13:00:42)(良:2票) 119.初めてこの映画を見たときは『何だか凄いものを見てしまった』と思ったものだけど、見返してみてもその感想は変わらない。途轍もないスケールと映像美に、ただ、ただ、圧倒されるばかり。この映画自体がモノリス的で、画面に赤ん坊が映し出されるころには自分の中にも新しい命が生まれたような、観る前と観た後では別の人間になってしまったような、そんな感覚を受ける。 【回転】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-02-22 18:39:01)(良:2票) 118.映画史上、最高傑作を争う一本。ジャンルを超越した名作です。原作の素晴らしさを余すところなく表現した作品の一本とも言えます。 思えば30年ほど前、この作品を初めて観た時には衝撃を覚えました。当時の私にとって、映画というものは単に娯楽であって、決して自らの存在を問うような対象ではなかったからです。この作品は、観ている「その時」に感銘するのではなく、見終わった「その後」に感銘し、それが増幅していくという特別な影響力を持ちます。私自身、その持つ意義について、初めて真剣に議論した作品でもあります。 SF映画としても、30数年前にこれほどまでに将来の科学技術を具現化した作品は稀でしょう。少なくとも私は他に知りません。勿論、優れた原作に拠るところも大きいのですが。唯一、「無重力状態の宇宙船の中でストロー内のドリンクが下に落ちるのはオカシイ。」という意見を昔なにかで読みましたが、そんな指摘は何の意味もないですね。 【タコ太(ぺいぺい)】さん 10点(2004-09-25 07:23:12)(良:2票) 117.何度見ても途中で寝てしまった映画。ゆっくりとした綺麗な映像・音楽・無音・浮遊感……どれをとっても最高の入眠映画でしょう!? ハッキリと意味が分からなくとも、生命・宇宙・機械(道具)との調和の変化といった何か神がかり的な雰囲気を醸し出していて「全て深い意味が有る」と素人ながらにヒシヒシと伝わってくるコノ映画。分からないまま点数を付ける訳には行かない!解ってから点数を付けよう!と思っていた唯一の映画でした。 しかし、最近【http://www.kubrick2001.com/2001.html】を見て、ある人が考えた一つの答えを知った時、全て繋がった気がした。 一つの回答を踏まえた上で改めて見直した時に今まで助長だと思っていた部分の意味を考えるようになり無駄が無い作りだと素人ながらに感じる事が出来た。 大げさかも知れないが、それはもう映画と言う枠を超えて神を見たような気分だった。 半分は入眠映画と考えていたのが、今では眠いなどとは全く思わない最高傑作に変わりました。 人の力を借りましたが、20年掛かってようやく見終わった気がします。 【oO KIM Oo】さん 10点(2004-07-30 23:08:58)(良:1票) (笑:1票) 116.《ネタバレ》 人に聞かれた時、生涯一位として上げるのは本作です。迫力の映像、クラシック音楽との連動、宇宙ミッションの完璧さ、そして群を抜く訳のわからなさ、最高に興奮しました。 今の若者には退屈な映画の代表となっているようで、残念です。 宇宙服を始め宇宙ミッション全体の大道具・小道具の完璧さについて、これは実際に人類が月面に到達する前に公開された映画でありそれなのにここまで違和感のない道具だてはすごいと言っても、それがどうしたなんでしょう。 【ほとはら】さん [映画館(字幕)] 10点(2022-03-20 15:13:46)(良:1票) 115.4K版を購入したので久しぶりに再鑑賞しました。 今更、この作品について講釈述べるのも、他に立派に考察された視標が多くあるので 省き、、純粋に感想だけ述べます。 「面白い」の定義は人それぞれですが、いつしか食い入るように魅入ってしまう本作は 何度見ても新しい発見があり、やっぱり面白いです。 【シネマブルク】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2021-02-02 15:11:32)(良:1票) 114.まさかこれほど古い映画の映像に魅了されるとは想像だにしなかった。宇宙船が宇宙を漂う姿は、優雅で上品なお姫様が宮殿を歩くがごとく、あるいは広大な海中を浮遊するクラゲのごとくひたすらに美しい。対照的に黒いモノリスやHALの存在は闇夜にただずむコウモリのごとくただただ不気味である。鑑賞中は様々な作品を思い出した。スターウォーズ、エヴァンゲリオン、いつしか読んだしがないSF小説。キューブリックがのちの創作者たちに与えた影響は計り知れない。妙な言い方だが、傑作と呼ばれるような本当に価値ある芸術とは「こんなことやっていいんだ(できるんだ)という衝撃を私たちに与え、私たちの認識の幅を広げてくれるもの」だと思う。その意味において本作は間違い無く傑作である。いや、もはやこれは革命だ。 【ばかぽん】さん [インターネット(字幕)] 10点(2019-11-09 01:55:43)(良:1票) 113.《ネタバレ》 これぞ総合芸術としての映画ではないだろうか。映画でしかできないことをやっている。何年か前にリバイバルで映画館で観た際、最も印象に残ったのが最後のロココ調の部屋で年老いたボウマンがベッドに横たわりながらモノリスを観るシーン。そこに配置された緑色のソファに圧倒された。なぜか凄い迫力を感じてしまったのだ。このソファー、完全に計算されて配置されている事が分かる。勿論、他のシーンのセットも全てキューブリックの中で計算されている。(計算というか、キューブリックの中では直感でやっている部分が多いのだろうが。) デビット・リンチとスタンリー・キューブリック。私の好きな2大監督だが、リンチは元々画家であり、キューブリックは元々フォトグラファーである。共に静止画の世界出身だ。それ故か、両監督とも一つ一つの画に対する姿勢に共通する物があるように感じる。動画である筈の映画だが、両監督とも、一時停止するとそのまま一つの静止画として機能してしまうほど、一つ一つのシーンの「画」が完成されているのである。 もう一度映画館で観たい。あと、凄く長い映画というイメージがあるが、上映時間思ったほど長くない。 【rain on me】さん [映画館(字幕)] 10点(2016-07-28 19:42:44)(良:1票) 112.《ネタバレ》 何度も見た。至上のSF。あの美しい宇宙。カッコいい宇宙ステーション。HALの可愛さ。モノリスの不気味さ。そしてラスト、土砂流のように目に雪崩れ込む映像。 カッコ良くて、美しくて、よくわからなくて、それでも面白いと思える最高の作品です。 だけど本作の良い所はそこだけではありません、この作品は寝ていても『良い』映画だと思ってます。だって凄い心地良いんだもん。 映画館の暗く冷房の効いた空間、リラックス出来る柔らかい席で、本作はとても気持ちよく眠らせてくれる。(でもいびきをかいちゃダメよ) 素晴らしい音楽、美しい映像、静かな宇宙、見ているとだんだん心地よくなってくる。 目を閉じてうつらうつら意識が遠くにいくあのなんとも言えない気分…二周目以降の楽しみ方の一つだと思っています。 【えすえふ】さん [映画館(字幕)] 10点(2015-09-18 14:46:56)(良:1票) 111.《ネタバレ》 『午前10時の映画祭』にて鑑賞しました。他のSF映画とは一線を画した孤高な魅力を持つ作品ですね。SF大衆娯楽映画によく見られる、科学的考証を無視し、宇宙船や異星人が多数登場するような、荒唐無稽な子供向け活劇というSF映画に貼られたレッテルを破り捨てて、厳密な科学的考証に基づき徹底的なリアリズムを追求し、さらに哲学的なテーマをも盛り込み、SF映画を芸術的水準まで押し上げた功績はかなりのもの。もしこの作品が未見であれば、是非とも観ていただきたい映画です。きっと途中で寝てしまうでしょう・・(笑)。いや、本当に訳が分からずに寝てしまう事必至だと思います。僕も初見時は寝てしまいました(苦笑)。しかし、ヒトザルがふと骨を掴んだ時の『ツァラトゥストラはかく語りき』が 流れるシーン、その骨を放り投げてそのまま宇宙船へと変化していくシーン、宇宙船の移動時に『美しく青きドナウ』が流れるシーン、極めて難解なスターゲイトのシーンや終盤の主人公が年老いた自分自身を見ていくシーン等々、非常に気になるシーンが脳裏に焼き付いたため、当時LDを購入してピックアップレンズが故障するくらい鑑賞し(実際に故障してしまいました(笑)。)、観るたびに新しい発見がある事に驚愕しました。但しスターゲイト以降のシーンは今でも理解不能ですが・・。(そこが芸術的水準まで押し上げたところでもあるのですが。)あと、この映画の製作年は1968年と遥か昔の作品ですが、将来を予想した機器や概念が多数登場します。最近新たに発見したところでは、iPadのようなタブレット端末があったのが興味深いところ・・。長くなりましたが、僕の生涯ナンバーワンの映画です。また恐らく今後も変わらないでしょう・・。 【けんおう】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-12-15 12:37:30)(良:1票) 110.《ネタバレ》 もう10回以上劇場で見たが未だに発見があります。10年以上前までは最初の猿人時代の描写に興味が持てず散漫に見ていたのですが、今回は引きこまれました。彼らの行動が今の私達と大きな違いはないーのだなと。ただ未来である『2001年』は猿人時代とは違いは黒い物体が何かを分析でき、追求できたーのだと。HALとのやり取りには今回もハラハラ。カットでの星々とモノリスとのプリミティブな組合せからのダグラス・トランブルのCGは毎回感動します。最後のボウマン船長の生活は見る度に解釈が変わるのですが「木星」に着陸し木星にいる「知的生物」に「地球のヒトという種の生物」として飼われているのを表しているのかなぁ....とか思ったりしました。文句なしの10点。これからも見続けたいし劇場でやっていれば足を伸ばすつもりです。 【reitengo】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-05-20 15:53:26)(良:1票)
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