みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
16.《ネタバレ》 子供たちがわんぱくなのが良い。尊敬できるお父さん像が良い。お母さんこそ死別して居ないが、理想的な家庭、家族。お父さんが説明できない事は何もない。世の中の成り立ちとか、大人としてのご近所付き合いの立ち振る舞いとか、学校では他の子供たちと集団生活を送るうえで、しばし実行しなければならない「妥協」というものの存在とか、そういう生活の知恵みたいな事を少しずつ分かりやすく、しかし一定の威厳を保ちながら教えてくれる。少し難しいんだけど、無害の野鳥は殺すべきではないし、狂犬を駆除するのは勇敢な行動。これが正義なんだと教えてくれる。正義の象徴であるお父さんが弁護する黒人の裁判。その判決を受けて、結果二人の人間が命を落とす。お兄ちゃんは怪我をして、顔の見えなかった変人の隣人は、以外にも優しい恥ずかしがり屋の青年だった。正義とは何か、真実は正義か、良心が正しいのか、そこは妥協すべき事なのか・・・。子供目線の日常を描きながら、実はこの世の中で一番矛盾を帯びた、永遠のテーマのようなものを突き付けられる。力のある作品です。面白いとか楽しいとかではなく、観るべき、考えるべき、作品です。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 10点(2023-01-31 12:09:08)(良:1票) 15.《ネタバレ》 この映画、私にとって『第三次映画鑑賞ブーム』の引き金になった記念碑的な映画です。 私も40代半ばになって、気になってた映画、名画と呼ばれてる作品は、いまの内に観ておかないと、きっと一生観ることはないぞ!と。 で、たまたまこの映画のDVDを(数合わせで)買い「古いのになんて素晴らしい映画なんだ!」って思ったんですね。大袈裟に言えば「こんな映画があることを知らずに死ぬところだった!」なんて。 それまでホント、映画は年に両手に収まる程度しか観なくなっていたけど、この映画との出会い、このサイトへのレビュー投稿をキッカケに、今では全盛期(小~高までの第一次映画鑑賞ブーム)並みに観るようになってます。 さて -To Kill A Mockingbird- “マネシツグミを殺すには” 日本では馴染みがないけど“ものまね鳥”なんて言われてて、他の鳥の声真似がとても上手な、無害な鳥のこと。無実の罪を着せられた黒人のトムや、噂で危険人物扱いされているブーに対する世間の対応や反応。幼いスカウトが自らの目で観た世界とアティカスの教え。古き良き'30年代に、子供の目線で何を学んでいったかを、大人になったスカウトが振り返る、そんな構成です。 スカウトとジェムが家の周りで遊んでるだけなんだけど、それが観ていて楽しい。好奇心がエスカレートして夜中にブーの秘密を探りに行くところとか、子供の冒険らしくて好き。エジプト人歩きとか、もうツボった。 普段は年配のお父さんを「アティカス」って呼び捨てにする子たちだけど、真面目な話のときは「yes, sir」って答えるの、TPOしっかりしてて好き。 何よりスカウトの“ハムのコスプレ”がとんでもなくカワイイ。アレをハロウィンの衣装に選ぶセンスがもう可愛くってたまらない。 見た目が本物に忠実なハムなんで、ご丁寧に胸にわざわざ『HAM』って書いてあるの。あの衣装、7割方アティカスが手伝って作ったんだろう。スカウトは史上初のコスプレ・ヒロインじゃないだろうか。あ、仮装か。 子供向け映画と思いきや、アティカスが扱うのは黒人による白人レイプ事件。人種差別が根強いアメリカ南部の狭い社会で起きた事件を、住人ばかりの裁判で裁く。裁判所の一階席に座る白人と二階席の黒人。'62年の映画だけど内容はかなり生々しく、序盤の“子供の冒険映画”とのギャップに驚いた。 フィンチ家は街のど真ん中。教養のある黒人メイドがいる。隣人ラドリー家は社会に出て働けない青年ブーをずっと家で育てられる。言い換えると金銭的な余裕があるんだろう。 黒人加害者トムの家へは、フィンチ家から車で行く距離だから、相当街の外れなんだろう。そしてトムの家と畑の間にあるのがユーウェル家。貧しい白人は黒人の家の近所に住んでいるようだ。そういう、ギリギリの生活をしているユーウェルみたいな人ほど、黒人に対する対抗意識が強かったんだろうな。被害者メイエラ・ユーウェルは、内面が粗暴で、貧乏人の子沢山じゃないけど7人の兄弟がいる。ユーウェル婦人が出てこないのも気になるところ。 愕然の評決。だけど2時間にも及ぶ陪審員の協議が、人種差別の根の深さと、自分たちの良心の葛藤を物語っていたとも思えた。閉廷後アティカスを直立無言で見送る黒人たちが印象的。 そして原作の話だけど、本作の続編に当たる『さあ、見張りを立てよ』の存在、大まかなあらすじにも大いに驚かせられました。読もうかどうか迷ってます。 【K&K】さん [DVD(字幕)] 10点(2022-09-05 12:11:08) 14.今観賞しても「子供目線」から描いたというのは、とても斬新だと思います。 トム・ソーヤの冒険みたいなストーリー展開の中に上手く黒人差別をテーマにしたものを織り交ぜてあって、観客に痛感させます。 スカートが嫌いなボーイッシュな女の子、スカウトがとても可愛いですね。彼女の正直な部分が大人たちに痛いところをつつかせています。 後味悪くなる展開でしたが、救いも描いたのは成功につながった理由の一つではないでしょうか? 邦題のセンスが悪すぎます。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2013-05-28 12:26:52) 13.《ネタバレ》 この物語はさまざまな出来事が子供の目を通して語られる。大人を理解すること、公正さとは何か、差別とは何か、妥協とは何か、そしてそれらの思念の中で彼女らの誠実さの行方がそのイノセンスによって赤裸々に綴られている。そして、その語られる中に、アメリカという国の「正義」、その形が見え隠れする。 「ぼくはね、いまはっきりわかったよ。世の中には四種類の人間がいるってことだよ。ぼくたちや近所の人たちのようなのがふつうの種類、森のなかからでてくるカニンガムのような種類に、ごみ捨て場にいるユーイルのような種類、最後はニグロだ」 無実の黒人を死に追いやり、子供達を襲ったユーイルは思わぬ援護者によって逆に刺殺されてしまうのであるが、結局、ユーイルは事故死の扱いで処理される。そのまともな裁判もない事故死の扱いがこの作品を貫く正義の報いであり、この作品がアメリカ人の良心であるところのアメリカの正義なのだと思う。 この物語を思う時、僕は名作映画『十二人の怒れる男』を同時に思い出す。この作品もアメリカの陪審員制度における「正義」を扱ったものであるが、ここでの十二人は皆が顔の見える人間として自らの歴史を語り合い、納得するまで議論を尽くして、一旦は有罪と決まりかけた少年を無罪へと導く。但し、ここに『アラバマ物語』で差別の主題ともなる黒人と女性はいないし、ユーイルもいない。アメリカの正義というのは単純なものではないのだ。『アラバマ物語』は1930年代が舞台となっているが、まだそれから70年しか経っていない。当時、黒人は人間ではなく、学校教育も受けられず、当然まともな仕事にも就けなかった。何かあれば簡単に吊るされた、そんな時代からたったの70年しか経っていないのだ。黒人のみならず、森の中で自給生活をする人々、ゴミを漁って生活をする最下層の白人などが歴然と存在していた時代からほんの少ししか経っていない。差別は人々の意識に根付くものだ。アメリカという国はそんな差別を乗り越えようとして、結局は乗り越えられず、それがアメリカの正義を形づくってきた。その正義は微妙に歪んだ形を維持しながら、それを柔らかい衣に包んだまま何十年も受け継がれてきたような気がする。この問題はとても深い。それはアメリカ人の意識に深く根付き、彼らの正義を確実に規定しているのである。 【onomichi】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-04-18 23:26:11)(良:1票) 12.まずは描かれる子供の世界。実にユーモラスに、実に活き活きと描かれており、この点だけをもってしても稀有の作品だと私は勝手に思い込んでいるのですけれども。この「子供の世界」が見事に描かれることによって、グレゴリー・ペック演じる父親、その存在は我々にとっての父親ともなる訳で。完璧な人間ではないかも知れないけれど、カッコいいのが父親。家族っていいよね、そういう映画。家の外には、危険もあれば(狂犬病の犬とか)、怪しさもあり(ブーとか)、そして不正義もある(人種差別とか)。父親の力をもってしても、どうにかなることもあればどうにもならないこともある。しかしそんなときこそ家族の絆……といいたいところだけど、時には隣人に、見知らぬ人に助けられることもある。そうして子供の世界は、家から社会へと少しずつ広がっていく。そういう映画。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-03-26 22:50:32) 11.とても素晴らしい作品に出会えて感謝しています。親と子、子供の冒険、人種差別、陪審制、精神病等いろいろな要素が丁寧に描かれていて素直に感動出来ました。特に子供の冒険シーンの雰囲気が大好きです。法廷シーンが少し長すぎる気もしますが、その減点を補っても余りある内容でした。 それにしてもこのセンスのかけらもない邦題がこの映画の知名度を下げている気がしてなりません。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-03-05 00:46:58) 10.今、NHKBSで久し振りにまた見た所です。ロバート・マリガンは「おもいでの夏」といい、この作品といい、子供の視点から大人が見ても面白い映画を作るので、好きな監督の一人です。40年以上前の作品ですが、イラク戦争に首を突っ込んでいる現在のアメリカにも通じる社会性と、永遠の家庭像と、そして、今見ても全然退屈させないテンポと映像の表現力と、やはり傑作だと思います。こんなカッコいい父親にはとてもなれませんが、父親と子供の理想的な関係を見せられた気がしました。この監督の「悪を呼ぶ少年」なども見たいのですが、DVDなどないのが残念です。 【きりひと】さん 10点(2005-02-07 22:31:13) 9.有形、無形の思い出の詰まった「宝箱」は、いつの時代、どんな子供にとっても存在する。最近「アメリ」を観て、その思いを強めた。隣人「ブー」からもらった石鹸人形はもちろん、彼の存在自体も、そして、不条理な大人社会で闘う父親の姿を垣間見ることも、かけがえのない宝なのだ。そんな素晴らしい「宝箱」を携えて大人になっていく主人公のスカウトを、私はうらやましく思うばかりである。 【トバモリー】さん 10点(2004-02-24 19:24:12) 8.この映画で内容抜きにしてまず目に付くのが子役だけの空間が多い事。特に前半はペックより兄妹が目立つ。子役だけの画でこれだけ安心して見れるのが素晴らしい。主題の人種差別、1932年の話ならこんな田舎町でなくても黒人の人権はこんな感じ。裁判の結果は時代に忠実だった、差別に立ち向かう弁護士、白人万歳の陪審員。人種・性等差別がいかにもクリーンになってるかのような似非民主主義を画に書いたような90年代に目立つ映画とは当然重みが違う。最後にスカウトがブーの手をとって送ってく、まさに駄目押し。現実世界の白人天国できっちり正義を貫く人格者ペック父さんの姿は本物のヒーローだ。 【スルフィスタ】さん 10点(2004-01-25 03:06:14) 7. 良い映画だった。アメリカのビデオ会社か何かがアンケート調査で選んだアメリカ映画の最高のヒーローがフィンチ弁護士だとか。何かのニュースで見た。フィンチ弁護士はあらゆる暴力的な脅しにも一度も拳すらふるいませんが、勇気がないわけではありません。どこにもいないような超人的なスーパーマンでなく、普通の市民でもある。だけど、誰にもできるはずなのに、なかなかできない、勇気ある行動で子供たちに正しい行いを示そうとする。今の時代に移して、似たような状況でフィンチ弁護士のような行動を取れる人がどれくらいいるだろう。個人的には、つばを吐きかけられて、ハンカチで顔をぬぐっただけで立ち去る場面が良かった。あれを見ても、誰もフィンチ弁護士が腰抜けとは思わない。もっと古くさい映画かと思ったけど、全然古くさくありませんでした。女の子がかわいかったなあ。ハムのかぶりもののシーン、大笑いしました。それと、全盛期のグレゴリー・ペックと共演してるとは、ロバート・デュバル、恐るべし、です。結構好きなバイプレーヤーです。 【しまうま】さん 10点(2003-12-24 03:07:48) 6.まず日本語題名がいいですね。アメリカの田舎町で起こる人種差別事件をテーマに、父と娘の愛情物語が淡々と描かれています。原題どおり「物まね鳥を殺すこと」なんて訳したら?ま、それはそれで興味を引いたかもしれませんが・・・ 【フー・マンチュー】さん 10点(2003-11-05 05:53:25) 5.いつ見ても古さを感じさせない映画ですね・・・。グレゴリー・ペックの格好いいこと・・・・。アクションが得意な訳でもなく、容貌だけで観客を呼べるような俳優ではありませんが、とても格好いいです。他の方がコメントされていましたが、法廷で働いている弁護士は21%しかいないそうです。後はすべて企業弁護士・・・。(アメリカ人の学生から聞きました) 【Titans】さん 10点(2002-09-22 07:31:45) 4.私も文句なしに素晴らしい映画だと思いました。法廷サスペンスとファミリー・ドラマを融合させたシナリオの妙。人種問題に対するメッセージ性も強く、ラストの在り方には強い問題提起性を感じさせる。名優グレゴリー・ペックも頼もしい父親像を几帳面な芝居で名演、監督のロバート・マリガンもベストワークではないだろうか? 【チャーリー】さん 10点(2002-03-26 14:34:42) 3.BSでやっているのを観た(4度目くらい)が、出てくる3人の子供達の表情がとてもいい。それとグレゴリ-ペック演ずる父親が、不器用そうだがとてつもなく芯がある、これもいい。地味だがくっきりと心に残る。因みに30年ほど前、小学生の頃テレビでこの映画を観たが、そのころの感動とあまり変わっていなかった。 【ポルコロッソ】さん 10点(2002-03-24 21:50:12) 2.理想の父親像がここにあります。お父さん必見の一本。 【がんもどき】さん 10点(2002-03-06 22:28:05) 1.法律家を志すものなら、この映画を見てエクイティというもの真剣に考えるべきである。皮肉な事だが、現代のアメリカには(ビジネス・ロー)が大半である。ラストの裁判のシーンでの黒人の老人が主人公に言った言葉が印象深い。 【ソフィスト】さん 10点(2001-09-25 06:18:27)
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