みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
27.《ネタバレ》 ハードボイルド青春映画とでも呼べばいいだろうか。社会に足を踏み入れ、自分なりのサクセスストーリーを歩みはじめていたはずの二人の少年たち。彼らが、それぞれに過酷な現実に足下をすくわれ打ちのめされていく様が、徹底して乾いた視点で描かれていく。そのあまりの容赦のなさは、リアリズムというよりも、もはや悲観主義にすら見えるかもしれない。けれど夢敗れた者の目に映る世界とは、おそらくそんなものだろう。彼らの目に映るその世界。北野武はブレることなくただその一点ばかりを、憑かれたように丹念に描出する。この映画が青春映画の型を成しているにもかかわらずサイドストーリーとしての恋愛はおろか、過去の北野映画における石田ゆり子や国分亜矢らのような添え物的ヒロイン像すら描かないのはそれゆえだろう。北野はただ彼らの姿を、そして彼らが見る世界を、描くのだ。この作品以前の北野映画は大なり小なり「死」をその主題としてきた。昨日と今日の同じ風景の中に主人公だけがいないことでそれを表現した『あの夏、いちばん静かな海。』、あるいはやがて来たるべき死そのものを具現化した『ソナチネ』のように。けれど本作で北野武が一心に見据えているのは、生きるということだ。「俺達、終わっちゃったのかな?」「バカヤロウ、まだはじまってもねえよ」ラストの台詞は実に北野武らしい。北野特有の、きわめて日本人らしく、そして厄介なその照れ隠し。彼は、ふりだしに戻って自転車で校庭をグルグルと回るだけの二人の姿に、生半可な希望の光をさしこんだりはしない。ただありのままの姿をありのままに描くのみだ。先の未来なんてだれにもわからないとばかりに。それは照れ隠しであると同時に、力強いメッセージでもある。安直なハッピーエンドなんていらない。どれほどに打ちのめされようと彼らは生きているのだ。そして生きていくのだ。 【BOWWOW】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-30 21:16:23)(良:2票) 26.北野武監督の最高傑作! ラストシーン、二人の自転車をアクロバットにこぎながらの会話に身震いがした。 久石譲の音楽もカッコ良すぎ。 くじけそうになった時、実際に何かに敗北した時、この映画で力をもらいたい。 そういうパワーを持った作品。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-07 00:29:09) 25.《ネタバレ》 とってもよかったのです…サントラまで買ってしまいました。ラストは涙で画面が曇りましたが、何が?と聞かれるとうまく答えられません。展開がベタとか演技が硬いとかもありましたが、なぜか気になりませんでした。当方、彼らとは性別からして異なった人生を歩んでいると思うんですが、なんでこんなに切ないのだろうか…。懐かしいはずないのに。ヤンキーじゃなかったし、カツアゲもボクシングも無縁だし、そんな男子すら周囲にはいなかったし。なのに最後の二人の姿が焼きついて離れません。某生命保険のCMよりもよほど切ない望みがここに。なんだかうまく説明できませんが…ああ、感動した作品にレビューするのはほんとに難しい!! 【旅する仔猫】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-02-10 23:34:57) 24.《ネタバレ》 新春最初の映画はずっと観たいと思いながら未見だった北野監督の「キッズ・リターン」である。地上波深夜枠、CM入りまくり、画質も悪いという悪環境での鑑賞であったけれども、静かな牽引力にひっぱられ、最後までダレることなく緊張状態のまま観た。この映画のすべての人々に救いがない。「俺たち、もう終わっちゃったのかなあ」「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」とうそぶく若い二人にも救いがない。おそらく北野監督の歩んできた人生のなかのほとんどの人々が「救いのない人々」であり、彼はそれを肌で知っているのである。世の中の多くの人たち、殆どの人たちに救いがないという事実、現実をこんなにもあたたかく、残酷に描いた映画が他にあるだろうか。今やアメリカンドリームに毒されたわれわれ日本人につきつけられた挑戦状のようにさえ思える。わたしはこの映画を観て自分もこちらの側に立ちたいと切実に思った。それも一種の幻想といわれればそれまでだけれども。 【はちかつぎひめ】さん [地上波(邦画)] 10点(2008-01-04 14:08:19) 23.悲痛、悲惨、残酷、無情。汚さにまみれても、それに粉々にされても、『まだ始まっちゃいない』という言葉が出てくるのはなぜだろう。二人は始まるのだろうか。徐々に徐々に走り出すエンドロール。これから先の物語は、一体どうなるんだろうか? 想像が尽きない。 【ローリング@ストーン】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-26 11:23:48) 22.《ネタバレ》 ラストシーンのセリフを前向きと取るか後ろ向きと取るか、そういうことがよく書かれているけれど、それは観た人が自分の人生をこれからどうするのか、どうしたいのか、どうあるべきなのか、それによって決まるのであって、映画の中に答えがあるわけではないのだ。 弱々しくて、脆くて、それでも、どうしようもなく気持ちが高揚する。傑作。 【小塚】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2006-12-21 18:40:33)(良:3票) 21.いばってるけど繊細なマサルになんか共感できた。あれだけ挫折しても「まだはじまっちゃいねーよ」って言える若さって素晴らしい。 【Sleepingビリ-】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-09-05 21:56:57) 20.《ネタバレ》 北野映画で一番好きな作品 「俺たちもう終わっちゃたのかな?」「馬鹿野郎!まだはじまってもいねーよ!」学校の校庭でぐるぐる2ケツしながら交わしたあのセリフがまじ大好き この映画を見て、海に行った時友達と意味もなく海岸沿いをぼろぼろの自転車で2ケツしたなぁ 【buyobu】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2005-03-31 15:24:55) 19.初めて観た時、体全身に電流が流れた。 【Syuhei】さん 10点(2005-03-20 15:35:32) 18.《ネタバレ》 本当に久しぶりに見た。年齢を重ねたからか、高校からの思春期を描いた傑作だと思えた。学校ではさえなくて、勉強もできないけど自分の価値はこんなものじゃ計れなくて「何か」になれると誰もが信じているあの時期。もちろん教師達はほとんどの人間が特別な人生を送るわけではないということを当然知っていて、学校にすらまともに適応できず、継続性がない彼らに「ろくな未来はない」と断定する。実際そのとおりなのだが。一度負けたくらいでボクシングを投げ出し、自暴自棄になってやくざになるような奴は結局何をやっても成功しないし、目先の快楽におぼれてボクシングの練習に身を入らないような奴は決して成功できない。モロ師岡が演じるくたびれたボクサーも非常に印象的で、現実の工場の労働から逃げ、かつて手にした栄光にしがみつき、努力もせずに、夢という甘い言葉でごまかし、無駄に年を重ねピーターパンになっている姿は、だらだらと芸暦を重ねた多くの芸人崩れを見てきた監督ならではの登場人物だと思います。またこういう人たちはネガティブなオーラを持ってて足を引っ張るんですよね。とくに若くて才能があった場合に。そこで誘惑に負けないのが真の成功者なのでしょうが。バカにされ続けても愚直にアタックを続けた男が女を妻とできたことも夢というか、目標に向かって継続することの大切さみたいなものを言いたかったのだと思います。芸人として大成功した監督だって、昔芸人になるって言ったときには周りにはバカにされて、絶対に無理だと言われたはずなんですから。最後の台詞をどう思うかなんですが、もっと若ければ(まだ20代ですけど)「若いんだからまだまだこれからだよ」というポジティブな意味で捉えていたのですが、今の自分にはフランス人たちがこの映画を観た感想と同じように「ああ、こいつら終わってる。きっと何をやっても根気強く継続的に努力もできず、決して一角の人間になることはできないだろう」と思いました。(『カイジ』とか読んでるからこんな風に解釈するのかもしれません。笑)漫才ブームの時には図書館から部屋がいっぱいになるくらい大量の本を借り、必死に努力を重ねた結果、大成功を収めた監督からの「自分は特別」と思ってる具体的な努力もしない若者達への痛烈なメッセージ。時間は「リターン」することはできないんだから将来に向けて努力を積み重ねなくては、と強く感じました。 【バチケン】さん 10点(2005-01-28 22:53:59)(良:7票) 17.邦画は殆ど見ない僕ですが、この映画は大好きです。 カッコ良すぎ。 【やぶ】さん 10点(2004-05-22 13:39:03) 16.これほど素晴らしいラストシーンはなかなかお目にかかれない。そして久石譲によるこれまた素晴らしい音楽。北野映画のみならず、日本映画史上に残る青春映画の傑作といえる作品だと思う。グラウンドで2ケツしながら笑う「あのばか」2人にこれから何が始まるのか、少し期待しつつ満点を。 【goose】さん 10点(2004-01-28 22:26:35) 15.言うまでもないことですが、僕は劇中のマサルともシンジとも似ていません(内外両面の意味で)。それでもこの二人が他人と思えないという事は、個人的には驚異的と思うほかありません。別に焦るという事でもないのに、どこからか滲み出てくるあの年代特有の危うさと、それを経た上でのあのラストの短い会話は、本当に味わい深いです。 【マーチェンカ】さん 10点(2003-11-30 20:43:02) 14.最近見てないけど。安藤正信と金子賢かっこいいよね。とにかく良かった。ビデオ保存版にしてるくらいだから良かったんだと思う。曲がかっこよい。 【スマイル】さん 10点(2003-11-29 20:02:01) 13.若いうちにたくさん失敗することはいいことだと思った。いいもの見せてもらった、タケシありがとう。 【アルカポネ】さん 10点(2003-11-29 19:20:25)(笑:1票) 12.監督の再起とストーリーがかぶっててそこがいい。安藤政信がよかった。 【jami】さん 10点(2003-11-08 22:08:47) 11.独身の頃、ボクシング観戦大好きで、よく後楽園ホール通ってました。ボクシングシーンがほんとにリアルに描かれていて驚きました。ここまで違和感なく描かれているのは初めてです。だから余計に主人公達の生き方が嘘っぽくないんでしょうね。とても切なくて、でもこれからまたなにかが始まりそうな希望も最後にあって、すごくいい映画です。それにしても、石橋凌のヤクザ役ってほんとにぴったり! 【きょうか】さん 10点(2003-10-16 02:42:48) 10.かっこ悪いかっこ悪さっていうのがでてた。2人が2人とも堕落していく、そのストーリーが好きでした。作品全体の雰囲気もとても好きです。また北野映画を見てみようという気になった。(今回が初めてだった) 【対馬の奇跡】さん 10点(2003-06-13 21:40:39) 9.北野映画の最高傑作。混迷しながらも成長していく二人の少年の姿を泥臭く描いていく。北野監督の間、久石譲の音楽、みずみずしい映像美すべてが少年たちの感情を映し出していて引き込まれる。とにかく素晴らしい映画であるが、この映画の最大成功要因はこれがデビューとなった安藤政信と金子賢の発見であろう。 【スマイル・ペコ】さん 10点(2003-06-04 19:17:46) 8.とても面白い。大人の世界に足を踏み入れ挫折する若者達の虚しさを登場人物世界観音楽で絶妙にあらわしている。作品中にバカと言われた二人の生き様最後の台詞に感じる前向きな姿勢その後に流れる爽快な音楽が感動に包み込み見るものに今までの物語を振り返らせエネルギーに満ち溢れた感覚になる。 【キヨ】さん 10点(2003-06-01 07:54:57)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS