みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
9.《ネタバレ》 小学生の頃に読んでいた東宝特撮映画を紹介した本の中で紹介されていたのでタイトルだけはその頃から知っていたが、実際に見るのは今回が初めて。見る前は軽い娯楽作という印象が強かったのに大シリアスな映画だったのは驚き。フランキー堺は喜劇映画以外ではあまり馴染みがなかったが、喜劇とは違うとてもいい演技を見せていて素晴らしい。前半の人々の慎ましい日常生活の描写が丁寧である分、主人公が物干しで夕日に向かって家族の未来を思いながら叫ぶシーン、星由里子と宝田明の「コウフクダッタネ」「アリガトウ」の無線でのやりとり、パニックの中、娘の所に駆けつけようとする母親(中北千枝子)の姿、町中のみんなが逃げ去った後、ささやかに食卓を囲む主人公一家の姿など後半は涙が止まらないシーンばかりで今これを書いていても思わず泣きそうだ。子供たちが歌うお正月の歌も物悲しい歌として見終わったあといつまでも耳に残る。(たぶんしばらくは聴く度にこの映画思い出すだろうなあ。)ラストの笠智衆のセリフも言っているのが笠智衆なだけに説得力があり、よけいに胸をうってまた泣けてくる。21世紀の今見るとラストのテロップに異様なリアリティーを感じずにはいられない。この映画は一応はSFという形をとってはいるが、これ以上の反戦・反核映画は今後出ないのではではないかと思う。もちろん文句なしの満点をつけたい。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-09-18 17:37:20)(良:1票) 8.《ネタバレ》 凄い。凄すぎる。戦争の恐怖に対しここまで徹底的に描いて見せたこの凄さ。特撮シーンの凄さ、恐ろしいほどのリアルさに眼を奪われがちですが、そんな中、フランキー堺演じるタクシー運転手の一般庶民の眼から見た戦争に対する怒り、悲しみ、そして妻、娘への思いやり、人間の優しさが全てフランキー堺の演技から見てとれる素晴らしい映画です。。娘が恋人との別れを済ませるあの場面のコウフクダッタネの通信、ここらから終わりまで涙で眼の前が曇ってしまうぐらいこれは泣ける。母の死を知らずにフランキー堺や乙羽信子、星由里子達の前で食事をする幼い二人の子供の姿にも涙!この場面なんて生活感溢れる素晴らしいシーンだ。フランキー堺が一人部屋の窓を開け、夕焼けの空の中、「母ちゃんに家を建ててやるんだ」と泣き叫ぶシーンなど泣けて泣けてヤバいぐらいです。その他にも国会議事堂がぶっ飛んだ後、船上の皆に向かって東京へ帰ろう!と言う東野英治郎の船長、更に人間は誰でも生きている権利があると訴えて涙する笠智衆さんと、最後に流れてくるお正月の歌、涙、涙で戦争映画という枠を超えた見事なまでの人間ドラマに文句なしの満点。人間として生まれてきた以上、本当に見るべき戦争映画はずはりこの映画だと言いたいぐらいの映画です。 【青観】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-01-12 11:37:14) 7.藤子・F・不二雄の短編漫画に「ある日」という作品がある。 日常の何気ない生活が何の前触れもなく”プツン”と核爆発によって消失してしまう可能性を秘めた「現実」を、シニカルに表現した傑作である。 そして、この特撮映画の傑作を見て、まさにその短編漫画を思い出した。 人が自分自身の努力によって幸せに生きるという権利の崇高さと、それを一方的に消失させるという世界で最も愚かな暴挙。 「戦争」とはその暴挙そのものであり、どうしたって取繕うことなどできない「罪」だ。 映画では、平凡で幸福な人々が健気に生き、緊迫する両陣営の現場ではそれぞれの兵士らが「最終命令」が出ないことを心から望み、日本政府は事態の回避に苦闘する。 すなわち、世界の誰も「世界の滅亡」など望んでいるわけもなく、誰しもが平和に暮らしたいのだ。 愚かなのは、人間一人一人の意識を超えた、人間という「種」そのものの「不安定さ」だと思う。 ラスト、笠智衆の演じる炊事長のセリフにもあるが、人類全体がもっとシンプルに「生きたい」という願望を貫くことができれば、世界はもっと単純に幸福に存続していけるのではないか。 そういうただただ「生きたい」という望みが、フランキー堺の演じる父親の行き場のない嘆願に溢れ、涙が止まらなかった。 様々な面において、日本映画が世界に誇れる名作の一つだと思う。 こういう映画があることを、もっと多くの日本人に知っておいてほしいと切に思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-12-30 12:46:29) 6.《ネタバレ》 これはすごい映画です。SF?人間ドラマ?反戦映画?特撮映画?そのどれもであり、それだけでは収まり切れず、それ故に評価が定まらずに語られることが少なかったのかも知れません。それほど、内容のインパクトに比して、知る人の少ない映画だと思います。核戦争を描いた映画は「博士の異常な愛情」や「未知への飛行」など傑作が多く、そのいずれもが当事者である政治家や軍人を描いた作品がほとんどです。それ以前の今から40数年以上も前に、慎ましやかな下町の人々の暮らしと核戦争、この一見ありえない取り合わせでこんな作品が日本で作られていたとは…驚きです。核を使用した国と使用された国、それぞれが体験し背負ったものの違いが表れているのかも知れません。まずは未見の方は、どれどれSF?特撮?みたいな感じでとりあえず観てみて下さい。ぶっ飛びます。そして、号泣します。 【ParaP】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-07-31 00:24:35) 5.こんな名作のコメントが4人だけというのは実に勿体無い。「反戦」という重いテーマながらそのストーリーは軽妙で重くなり過ぎずタクシー運転手の一家を通して戦後の復興,反戦への市民の想いを描き,反面では軍部の緊迫感を上手く描いている。軽妙と記述したが観賞後に心に残るものがあるのは間違いない。約40年も前の作品でありながら特撮技術も現在でも充分観賞に耐えうる出来にある。未見の方には是非観賞して頂きたい作品です。 【北狐】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-11-11 09:58:12) 4.本作は昭和29年製作の「ゴジラ」以来、数々の特撮映画を生み出してきた本多・円谷コンビ作品とは味わいが異なるものであり、メガホンを撮った松林宗恵自身の戦争に対する深い思い入れで、「反戦」というテーマがより鮮明に打ちだされた作品だったと言える。まさしく次なる世界レベルでの全面戦争を描いたものであり、その終末イメージの強烈さは、公開されて40年以上経っても未だに脳裏に焼きついて離れない。市井の名もなき庶民の生活をホームドラマ風に描いた本編と、破滅へと向かう一連の破壊スペクタクルの特撮部分とのトーンが、明確に違うのが本作の特徴とも言えるが、それは勿論違和感があるという意味ではなく、ドラマも特撮も描き方がいずれも直截的であり、互いに拮抗するほど自己主張していることに他ならないからである。主人公のタクシー運転手を演ずるフランキー堺は、元々コミカルな持ち味で人気者となった人だが、同時期公開された「モスラ」の熱血漢溢れる新聞記者とはまた違った力演で、どちらかと言えば「私は貝になりたい」の主人公と重なるほどの性格俳優ぶりである。とりわけ終盤での物干し場から涙ながらに世界へ訴えかけるシーンは、「反戦」の代弁者としての熱演を見せてくれている。当時、典型的な「絶叫型反戦映画」と揶揄されたこともあったが、それでもなお、真実味のある血の通った生身の人間の素直な感情表現は、我々一人一人の心に十分伝わるものがあり、ストレートな感動を呼び起こす名場面となっている。またしっとりとしたラブストーリーでもある本作は、團伊玖磨の叙情的な旋律がより深い哀しみをもたらし涙を誘う。そういう意味でも、極めて日本的な反戦映画だったと言える。そして今回の「破壊」をテーマにした円谷特撮の素晴らしさは、国会議事堂やパリの凱旋門などの建造物のミニチュアを逆さ吊りにして、水爆のエネルギーで一瞬にして跡形も無く吹き飛んでしまうというイメージを具象化し、また溶鉱炉でドロドロに溶けた鉄などを使って焦土と化した東京を表現したりと、かつて無いほど画期的で大胆な発想を、そのまま実践に移すことの凄さにある。この「破壊の美学」とも言える、今や伝説となった彼ならではの奔放なイマジネーションには、CG万能の現代のクリエイターたちは足元にも及ばないだろう。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-08-15 17:20:39)(良:1票) 3.最近、ちゃちな古い特撮にはまってて、なんか楽しいな~って色々あさってたら、とんでもない映画にぶちあたってん。こんな映画、日本にあったやんやね。全然知らんかったわ。この映画、フランキー堺がきのいい親父役で味があるとか、星由里子って今の感覚で観てもかわいーなとか、特撮はやっぱチャチくておもちゃみたいやなとか、外国の軍隊の描き方がいくら昔の時代でもヘボすぎるとか、あんな核の解除の仕方はありえへんしとか、そんなんで爆弾の誤動作はないやろとか、メッセージ性ですぎてるわとか、そんな色々な思いはどーでもよくなる。とにかく後半、涙がとまらんかった。しかもその涙も凍りついてもーた。これは、今の時代やからこそ日本国民全員観なあかん。特に政治家は観なあかん。外人も観なあかん。てゆか、世界の映画人は、まったく同じな各国バージョン作らなあかん。平和は粗末にしたらあかん。ってゆう熱い気持ちが、映画鑑賞後、フツフツこみ上げてくるほど冷静ではいられんかった。昔の映画やのに、アメリカCG娯楽大作好きな俺でも、これはデイアフタートゥモローより怖かったし迫力あったと本気で思えたで。(またゆーてもた、ごめん)。 でも、こんなすごい映画やのに、レビュー少なすぎひん? あと、正月に観ると悲しさ倍増、あんな悲しいお正月の歌はあかん。 【なにわ君】さん 10点(2005-01-06 13:33:01) 2.《ネタバレ》 核戦争の恐ろしさを普通のタクシー運転手の一家の視点で描いている。 本当に核戦争で東京が焼け野原になってしまった結末には泣けました。 今のアメリカに絶対見せたい不朽の名作です。 【哀しみの王】さん 10点(2004-08-11 12:51:16) 1.タイトルから分かるように第三次世界大戦という大作だが救いようのないテーマを、平均的な市民である運転手一家の視線を通じて描いています。監督は松林宗恵で、特撮はもちろん円谷英二。人間ドラマと特撮との役割分担をはっきりさせた割りには違和感のない仕上がりになっており、核ミサイルを制御する軍人達のスリリングなシーンを取り入れたりで、最後まで緊張感を持続して見れる。やはり最大の見どころは、特技監督円谷英二の集大成ともいえる精巧なミニチュアセットと特撮。今現在の視点で見るならば、時代を感じさせなくはないが(もちろん当時としては衝撃的だった)、それよりもいかに描写すべきかという発想そのものに舌を巻く。(これだけはセンスの問題であろう) 富士山の背後で閃光と共に立ち昇る巨大なキノコ雲、溶岩状の地上に僅かな原形を残す国会議事堂などなど、そら恐ろしい光景が画面に映し出される。それこそ核戦争が勃発しようものなら人類はこの様に崩壊するのだ、ということを見事描写しており、いつまでも脳裡に焼き付く。特撮という素晴らしい技術は、確かなテーマと強烈なメッセージに裏打ちされてこそ最大限に活かされるということをも、この作品では教えてくれた。「ゴジラ(54)」と双璧をなす特撮映画の傑作として、この作品を高く評価したく思います。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-06-17 11:11:39)
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