みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
156.この「十二人の怒れる男」を高校時代、有志のメンバーで文化祭の出し物として演じました。 教室を一つ借り切って半分を舞台、半分を客席に設えた即席のミニシアターでの公演です。 場面が部屋1か所だけで、劇中の時間経過が現実とぴったり一致している点が幕なしの舞台で演じるのにうってつけ。また登場人物がすべて男というのも男子校の生徒として都合が良かったんです(泣)。 テレビ放送をテープレコーダー録音してメンバーが耳コピ縦起こししたものが台本です。今では考えられませんがテレビの音だけテープに録音するのって当時けっこうやっていたものです。 サブスクのストリーミングなどない当時気に入った映画を好きな時に見るわけにはいかないですから、せめて音声だけでも再生して楽しんでいたのです。 とは言えこの映画、よほど視聴率が取れたようでしょっちゅう放送してはいました。 手元にあるのは音声の情報だけ。画面は思い出しながら、また想像で補って演技を付けたわけです。 これをいま映像を見直してみるといろいろと気づくことがあります。これは違っていたとか意外と合っていたなとか。 じつは僕はこの映画のテーマについて勘違いしてきたのだと映像を見なおして気づかされました。この映画の存在意義の根本について僕は思い違いをしていたんです。 僕は当時この映画を、冤罪により裁かれようとする少年を一人の男の努力で守り死刑を回避するヒューマンドラマといったように考えていました。 ところがそうではない。この映画が僕らに求めているのは、「被告は刑が確定されるまでは無罪と推定される」とする法律の在り方に対しての議論なのです。 この少年が実際に殺人を犯しているかどうかは問題ではない。むしろこの脚本家の設定の中では少年は実際に殺人を犯しているのでしょう。 ぼくがそう考えたのは、画面に現れる三人の人物の表情のためです。 1人目は冒頭だけ登場する裁判長。 毎日同じような事件を担当しているのかウンザリしたような表情を露骨に見せています。 「この裁判の結果も話し合うまでもなく有罪となるだろう、決まりきっている」という表情です。 2人目はその後にちらっと映る被告人の少年。 彼はこの後自分の運命を他人に決められる状況だというのに、顔になんの表情も浮かべていません。 彼も自分のしたことの結果が決まりきったものになることを承知しているので、期待も希望も焦りも猜疑もその表情に現れないのです。 この後、陪審員たちの間で事件に関して「根拠のある疑問」が次々と浮かび上がり、評決は劇的などんでん返しを見せるのですが。 3人目。これがかなり重要です。 映画の終盤で陪審員たちがそれぞれの帰途へ向かう中でただひとり、主人公男性に話しかける老人の表情です。 この老人は無罪を主張した主人公に最初に同調する人物です。 主人公にしても無罪を言い出したのは、「すぐに死刑を決めてしまうのはかわいそうだから」という動機にすぎませんでした。そしてこの老人も、「主人公がひとりで頑張っているのを見て気の毒なので」同調したに過ぎないのです。 そんなところから全員の評決が変わっていくストーリーが実にミラクルなのですが。 この映画にはミラクルがもう一つ。陪審員たちはみな名前で呼ばれず番号で呼ばれます。話し合いが進んでいくにつれてそれぞれのキャラクターの生い立ちも現在置かれている状況もものの考え方もすべてが露わになってくるのですが、名前だけがわからない。そして映画の最後に主人公とこの老人だけが名前を名のりあう。 僕たちはこの2人以外のキャラクターについては名前以外のことは何でも知っている。ところが名前を知っているこの2人についてはどういった人物なのか今一つ詳しいことはわからない。どうですミラクルでしょう。 そしてこの老人が主人公との別れ際、ふと奇妙な表情を見せるのです。 まるで「本当にこれで良かったのかな?」といったような表情です。 映画の最後にこんな表情は見せないものですが、これは観客にこの映画の内容を遡って考えてほしいという演出でしょう。 深い。 それに比べて僕たちが演じた舞台では、実はこの老人役は僕が演じたのですが、「やりましたね」みたいなさわやかな表情で主人公と握手をかわしちゃいました。 今考えるとちょっと寒いです。 アメリカで今でもよく知られるサッコ・ヴァンゼッティ事件やジョー・アレディ事件といった不幸な冤罪事件が起きてからそれほど離れていない時代です。 また、映画の中のようにさまざまな理由で偏見を持つようになった人間が被告を有罪と決めてかかるようなことの多い社会だったでしょう。 この映画がもつ意味はとても深いです。 ぜひ映像と一緒に見ましょう(当たり前)。 【かずくん】さん [地上波(吹替)] 10点(2024-10-07 23:46:40) 155.《ネタバレ》 11対1の不利な状況からの逆転劇。密室の会話だけの展開なのにも関わらず、論理的に分かりやすく説明して相手を納得させるあたり、かつての敵を仲間として引き入れるジャンプ漫画的な熱さを感じるのは自分だけか。ゲームのように一つ一つクリアしていく没入感がある。ただ現実はゲームではない。一人の少年の人生が掛かっており、常にヘンリー・フォンダみたいな男がいるとは限らない。一周回って少年はクロかもしれない。それでも一つの疑問から議論し尽す姿勢こそ重要であり、それを放棄することもできる民主主義の恐さと脆さを体現した名作に間違いない。 【Cinecdocke】さん [地上波(吹替)] 10点(2020-11-27 21:32:35)(良:2票) 154.金をかけずに、部屋の中だけで完結した面白い映画を作ることができている。 スタントなし、CGなし(笑) 陪審員同士知り合ってはいけないルールなのか、名前を呼び合わない=登場人物の名前を覚える必要がないのも、視聴者にやさしい。 文句なしに10点! 【チェブ大王】さん [DVD(字幕)] 10点(2018-10-28 16:49:20) 153.《ネタバレ》 同じ部屋だけで話が展開するのに観ていてまったく飽きない。 人間ドラマと推理パート、どちらの要素も非常に完成度が高く纏まっているからだと思う。 多数派に巻かれずに自分の道を信じ続けることの偉大さを感じた。 ラストシーンも爽快。 【Nig】さん [DVD(字幕)] 10点(2018-08-21 03:22:49) 152.《ネタバレ》 最初はどっからどう見ても有罪でしょって思わせて、徐々に無罪だなと理解していく内容。 死刑判決の裁判官のやる気のなさと、犯人の善人っぽすぎに、若干無理があるが… 基本、11対1からひっくり返ることはないらしい、人間はみんな多数派に押される。 実際、陪審員8番も、無記名投票の結果次第では、諦めると言った。 そこへ、「てめえ、なんで寝返った!」と怒られる陪審員5番(笑) 「わたしですよ」と、陪審員9番のおじいちゃんが最高★★★ で、映画だから許されるナイフ、机にバーン! そして電車の騒音。 「聞こえるわけないよ」とこそこそ話す陪審員5番と6番。 そして9番のおじいちゃん、とどめに陪審員4番にめがね★★★ 陪審員10番、スラムへの偏見丸出しでみんなから無視。最後は小さい机。 で、1対11。 親を殺す息子と、自分の不仲な息子をだぶらせて、最後は涙ながらに「無罪だ。。。」と語った陪審員3番。 みんな白熱して怒ってて、「怒れてる」とまで言われ、これほどの人間ドラマはないだろうな。うん。 【新しい生物】さん [DVD(吹替)] 10点(2016-04-13 23:50:38)(良:1票) 151.《ネタバレ》 この映画、何回観ても面白いです。ストーリー、結末は分かっていても何度も観たくなります。自分の中では「推理物」というイメージですが、アガサ・クリスティーから金田一までいろいろ観ていますが、最終的にはこの映画に行き着いてしまいます。会議室の一室だけで進んでいくのに我々の頭の中には犯罪の場面場面が不思議にイメージでき、また焼きついてしまいます。最初観たときは、これは映画と言えるのか?と思ったのですが、何回も観ていくうちに「これが本当の映画なのか」と勝手に思うようになりました。映画とは空想・想像の世界、ならば「絵」ではなく「話」だけで観る人それぞれが、それぞれの頭の中に映像(映画)を創りあげていけばいい、と勝手に解釈しております。 【金田一耕助】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-09-09 21:42:56)(良:2票) 150.《ネタバレ》 脚本のお手本として語り継がれる時を超えた名作。構図から人物設定、話の流れなど文句のつけようがありません。初めて見たとき、雨上がりの階段を降りるヘンリー・フォンダの清々しい姿に民主主義の素晴らしさを感じました。正義を貫き、偏見を打破した正義の人といった印象。ところが時を経て再見してみるとまったく印象が変わりました。冒頭でヘンリー・フォンダは、もっと議論が必要だからと無罪に一票を投じます。その後の投票でも、皆が有罪なら自分も有罪で良いとまで言います。少年の無罪を信じているわけでもなく、正義の人でもない。単に自分が気にかかることが見過ごせない神経質な男が議論をふっかけただけ。なのですが、話の流れで嫌みな人間や、頑固な人間、偏見を持った人間といった対立軸ができ、持ち前の弁舌で相手を叩き、巧みに有罪の証拠の信憑性を揺らがせていく中で、相対的に正義の人といった印象が強くなっていく。最後まで抵抗を続けた男が折れた瞬間の、やった、と手を叩きたくなるような爽快感。多数派の同調圧力に従おうとしない人間を叩きつぶした快感。あれこそが民主主義の持つ危うさなのだと改めて思い直しました。優れた扇動家の怖さを感じてしまった映画です。 【kirie】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-01-25 22:39:58)(良:1票) 149.どの映画より素晴らしいと思える脚本です。96分という短い尺の中でこれだけのものを作ってしまうのは神業としか思えないですね。偉大な作品。 【キリン】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-12-25 23:01:11) 148.《ネタバレ》 ここまで素晴らしい心理描写を自分は見た事がありません! 法廷サスペンス?ぼく裁判とかよく分からないしぃ、眠くなっちゃうんだよねぇ。。。 否いや!眠くなるどころか、目を離すスキも与えてくれません! 次から次へと何かが展開してゆきます。 僕も偏見により「有罪側」にいましたが、どんどん裏切られました。 絶対に真実だと誰もが疑わなかった事が、どんどん揺らいでゆく様は見事です。 人物描写が素晴らしく、キャラクターが個性豊かで、皆それぞれに存在意義があるように思います。とても演技とは思えません! 皆がそれぞれの意見を持っているというか、その人の考え方はその人にとっては正しいのだと思います。それが一つの部屋で交錯するので、とても激しいです。 一人の人間を人間が裁くというのはとても恐ろしい事だと思いました。 とても責任が重くて、凄く慎重にならなければいけない。自分の偏った考えや、自分が感情的になっている事に気づかない事も多々あるので、そういう部分も真実を曇らせます。 真実なんて誰も分からないのですが、それでも出来るだけ真実に近づけないといけない。 大変だなと思いました。 この作品ではそういった事をとても重大に扱っているように思います。 最後に、みんながバラバラになる場面が良かったです。 (※上の感想文は2009年3月29日に書いたものです) 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-05-09 03:08:06) 147.《ネタバレ》 すばらしい、の一言です。決して陪審員制度に対する批判でもなく、これだけの硬い内容をエンターティメントとして完成させた監督の手腕に脱帽。 特に最後まで有罪を叫ぶ陪審員の背景に息子との確執が隠れていた、という落ちも最高です。 この年、「戦場に架ける橋」が、あったがためにアカデミー作品賞を取れなかったのは残念。こっちの方が、作品賞にふさわしいと思うのですが…。 【love】さん [地上波(字幕)] 10点(2012-05-03 08:37:15) 146.《ネタバレ》 リメイク版(ジャック・レモン版)を先に観てたので、初見時の衝撃は無かったが それでもやっぱりスゴイ このオリジナル版はモノクロ ほぼ一室での展開がよりシンプルになり カット割りやカメラの動きも力強い(ちと強引な気もするが) リメイク版と甲乙付けがたいが、やはりオリジナルに敬意を表して10点 この先見性は後にリメイクされてることで証明されてますね 古典だけどやっぱり名作 ぜひご覧になって下さい。 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-03-09 08:22:32) 145.《ネタバレ》 あぁ、これは凄かった。脚本書いた人は天才かもしれない。これはほぼ完璧でしょ。舞台でもない映画で、わざわざ情報発信の制約のある密室劇を選び、役者の力量のみで事件を構築してみせる。下手な再現ドラマの数倍、事件が鮮やかに立ち上がる。過ぎる列車の音が聞こえる。最終車両の窓越しに現場のその瞬間が見える。 一人の男の提示する疑問をきっかけに意外な展開を見せる事件の様相もサスペンスフルだけども、事件追求が深まるにつれて十二人各人の人間性があぶり出されてゆくのに息を呑む。どきどきしたなあ。“人を裁く”プロセスでむき出しになる傲慢さ、偏見、日和見、飛び交う感情論。自らの偏見と個人的葛藤をまぜこぜにしてついに崩れ落ちた3番陪審員の心理が全くの他人事とも思えない。人間だなあ。結果彼をそこまで追い詰めることになったH・フォンダが上着をそっと持っていってやる。けっこう過激に討論していたけれどもやはりアメリカの良心なのだった。彼もまた尊いなあ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-02-23 23:41:50) 144.《ネタバレ》 いやー見事。 12人の設定で濃い部分と薄い部分がでていますが それを補って余りまくる素晴らしい脚本。 考えると久々のモノクロ映画ですが ここまで見事だとそんなの忘れますね、 むしろ想像力が掻き立てられるという。 この映画は情報をあまり入れずに見たもんですから 最初はどういう話か良く分からず 小難しい話かなぁーって思っていたんですけども あまり手に入らないはずのナイフが出てきたあたりからが凄い。 90分がこんなにあっとういうまだとは 紙に書かれた「Not Guilty」が出た時 映画館にいても「うぉーー」って言ってたでしょうねぇ キサラギに似た展開でしたが(会話の中で真実が明らかになっていく) あちらを9点と付けた以上、これは10点ですね ここまで見事な脚本は久々だなぁ 【シネマレビュー管理人】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-10 14:29:22)(良:1票) 143.1つの部屋で、そして少ない役者だけでここまで魅せる作品はなかなかありません。 最後まで目が離せませんでした。 【抹茶御膳】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-12-13 19:00:44) 142.ひとつの部屋の中、言葉のやりとりだけで進んでいきます。説得していく過程が面白かったです。 【*まみこ*】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-12-04 23:50:07) 141.《ネタバレ》 『奇跡の人』同様、小学生の時にテレビで見て、感動を覚えた映画。こちらは中学年の頃「水曜ロードショー」だったと思います。やはりなんの予備知識もなく偶然チャンネルが合って見始めたため、社会派ドラマとはつゆ知らず、法廷ミステリーとして見ていました。しかしそれが逆に幸いし、どんどん物語に引き込まれていきました。一見有罪間違いなしと思われた証言を突き崩してゆく面白さ。謎解きではありませんが、推理ものの魅力を十分堪能できます。 ここで注意しなければいけないのは、あちらの裁判では「推定無罪」が原則。つまり、検察側は有罪であることを立証しなければならないが、弁護側は必ずしも無罪であることを証明しなければいけないというわけではない、ということ。つまり有罪であることに疑念があれば、二者択一で無罪ということになります。劇中でも語られてはいますが、この原則がわかっていないと、なぜ無罪票が増えていくのか理解できないかもしれません。 それはともかく、推理ものとして見ていただけに、最後に3番陪審員が泣き崩れる場面でとてつもなく感動しました。ミステリーから人間ドラマへの転換が、実に鮮やかでおみごと。予想もしなかった展開だけに、感動も大きかったようです。当時子供だったので、父親の息子に対する思いなど理解できるはずもないのですが、大いに感じるものがあったようです。つまり私にとってこの映画は、社会派というよりはミステリー+父と子のドラマという印象が強く、その点他の方と受け取り方が少々ちがうかもしれません。が、映画史に残る名作であろうということは、変わらないでしょう。こんな古い映画をスクリーンで見ることはないだろうと思っていたのですが、今回機会に恵まれたのは幸いでした。ただ、あの最後の「無罪だ……」は、吹き替えの方が感動できるかも。 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 10点(2010-11-20 17:41:30) 140.もう大好きな作品なんですが、見るたびに思うのは、この主人公のようにたった一人で「でも」って態度を取る勇気が自分を含めとくに日本人にどれだけあるのだろうということ。とりあえず一度はそういう態度を取れたとして、自分の意志を曲げずにいることが「やっぱり自分がおかしいのかな?」とかだんだん心細くなったりしないのかな。この映画ではたまたま少しずつ支持者が出てくるわけだけど、「もう一度票を取って11対1だったら譲る」って場面もあったわけで、それは正しい判断とかなんとかの問題じゃなく結局数の論理だし、それでなくても平行線で長引けば「取り引き」が発生して、そういうとき僕は自分自身に「場の空気読め!」って言い聞かせちゃうのかな。だったら真剣に考える意味ないじゃーん。ところで、こういう制度の中でガリレオが裁かれたら正しく裁いてもらえるのかな? もちろん当時の宗教支配が強い背景の中で・・・。現在の日本だって「それでもボクはやってない」みたいな裁判官がいるのでは、自信ない小市民をねじ伏せるのは楽勝なのかもしれない。とか考えちゃうくらい、たった一人の「でも」って態度の勇気のことを考えさせられます。「ニューオリンズ・トライアル」みたいに影で陪審票を操る怖い存在のことを考えると、なおさら勇気が要ります。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 10点(2010-10-23 15:51:14)(良:1票) 139.《ネタバレ》 みなさんの評価が非常に高い作品でしたので、かなり評価のハードルを上げて鑑賞しました。・・・が、期待に違わず充分に楽しめました。最初から最後まで飽きることなく、あっという間に終わったという感じです。 最後まで粘っていた陪審員が折れたシーンでは、序盤に自分の息子の写真を見ながら恨み節を言っていた場面が伏線になっていて、無理なく終わったという印象を受けました。 また、主人公に老人が最後に歩み寄り名乗って握手するのですが、そのままサラッと別れていく。それだけでなく、あれだけ熱く喧嘩腰に言い合った連中が、何事もなかったかのように日常に戻っていくというのが印象的でした。こういった匿名性や中立性が陪審員制度では重要なんだと改めて感じました。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-03-09 09:54:41)(良:1票) 138.密室でオッサンたちが暑っ苦しく議論してるだけなのに飽きさせない。 【SIN】さん [DVD(吹替)] 10点(2009-04-05 14:14:56) 137.《ネタバレ》 当時の米国の時代背景についてよく知らないんですけど、あの少年のような生い立ち・階層の人間は、ろくな弁護も裁判もしてもらえないって前提で見なきゃいけないのかなと思いました。少年が本当に事件の犯人かどうか、それは別の話なんですよね。ちゃんと検証されているか、証拠に疑問点は無いのか、この裁判はまともに行われたか。そういうことを市民の目線で考える。司法の行き過ぎや誤りを市民が監視する。それが陪審員なんですね。■映画にとってまず大事なのは「脚本」だと言われます。まさにそれが当てはまるのがこの映画。勿論演出や演技やカメラワークやカット割りも見事なんですけど、やはりホンがすばらしい。■先日「チェンジリング」見ました。ちょっとまえに「ヘアスプレー」見ました。この2つとは時代が違ったり、人種が違うのですが、アメリカ社会における差別とか、差別によって社会的に正当に扱われなかったりとか、そういうことはこの映画でもわかるんですよ。■差別や司法の不備や人間の心の弱さや流されやすさを、声高に訴えるわけではないけど、この映画すごいですよ。いやそんなことよりこの映画のすごさは“おもしろい”ってことに尽きるのかな。すごく面白い映画なので、まだ見てない人はぜひ見てください。 【まめ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-03-06 21:36:06)
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