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【クチコミ・感想(10点検索)】
1.《ネタバレ》 シャマランの映画におけるモチーフは、どれもあまりに単純というか、馬鹿馬鹿しいくらい「幼稚(プリミティブ)」なものばかりだ。「幽霊」、「不死身のヒーロー」、「宇宙人」、「都市伝説」、そしてこの最新作における「妖精」・・・。世の常識的(!)な大人たちにとってそれらは、せいぜい子供だましのギミックか、浮世離れしたファンタジーの口実(エクスキューズ)にしかならないだろう。
しかしシャマランの映画は、そんなあ然とするようなモチーフを、どこまでも大真面目に物語っていく。だから観客は、「これには何か、アッと驚く“仕掛け”があるに違いない」と思う。大のオトナが、幽霊や妖精などを「本気(シリアス)」に語るはずがないのだから。実際、シャマランの映画はこれまで、その“仕掛け”において(のみ)評価されてきた。
でもシャマランの映画が描こうとしたのは、やはり幽霊や妖精の方だったのだと思う。なぜなら、それらこそ「物語」の“根源的(プリミティブ)”なものに他ならないからだ。ヒトが「人」としての歴史を歩み出して以来、人間は常に「物語」を求め続けてきた。なぜだろう? たぶん他の生き物たちと違って、人間は、この過酷な世界=現実をそのまま受け入れることに、耐えられないからではないか。だから「物語」を通じてのみ、人は世界や現実を見出すことができた。恐怖や不安、苦痛から目をそらすのではなく(なぜならそれは、“現実逃避”という別の「悪しき物語」だから)、それを受け入れるためにこそ、人は「物語」を求めた・・・。
シャマランの映画は、そういった「物語」あるいは「物語ること」の根源にあるものを、あらためてぼくたちに教えてくれるものだ。この最新作で、ポール・ジアマッティ扮する主人公は水の精(その名も「ストーリー」!)を癒すと同時に、自分も「ストーリー」によって耐え難い過去の不幸な記憶から癒される。そして観客であるぼくたちはその主人公の姿に、「物語(ストーリー)」こそが人間にとって(たぶん唯一の)“救い”であることを深い感動とともに見出すのだ。
だからシャマランの映画は、プリミティブであるからこそ美しい。そう、何て美しく、愛しいんだろう・・・
(以上の文は↓の皆さん、特に【あにやん】さん、【すぺるま】さん、【のはら】さんのレビューから示唆されたものです。ありがとうございました!) 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-10-04 17:24:22)(良:2票)
マーク説明 |
★《新規》★ | :2日以内に新規投稿 |
《新規》 | :7日以内に新規投稿 |
★《更新》★ | :2日以内に更新 |
《更新》 | :7日以内に更新 |
【点数情報】
Review人数 |
73人 |
平均点数 |
5.16点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 2 | 2.74% |
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2 | 5 | 6.85% |
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3 | 9 | 12.33% |
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4 | 10 | 13.70% |
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5 | 15 | 20.55% |
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6 | 12 | 16.44% |
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7 | 11 | 15.07% |
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8 | 8 | 10.96% |
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9 | 0 | 0.00% |
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10 | 1 | 1.37% |
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【その他点数情報】
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