みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
3.《ネタバレ》 まず言いたいのは、私は登山をしません。したいとも思いません。事前に綿密に準備して、ものすごい荷物を持ちながらものすごい危険を冒して、ただ山を登って降りる。・・・いやぁ、無理です。でもこの映画を観ると、少なくともあの景色を肉眼で見てみたいと思わせられました。そう、肉眼で。個人的にはこの映画のポイントはそこにあるのかなと思いました。現実の剱岳はスクリーンのそれよりもっと壮大で荒々しく、清冽で危険な山でしょう。映画のそれは縦横のみの、しかも角度も決められた所詮二次元の映像です。しかしそこで出来うる限りの映像を木村監督は魅せてくれ、「本物はもっと素晴らしいよ、これをきっかけに本物を見に行ってほしい」というメッセージを私に送ってくれました。個人的な勝手な解釈なのであしからず。 昨今の銀幕事情は、CGなどの人が映像に手を入れる技術が当たり前になっています。決してそれらを批判するわけではありません。SFなどの実際にはありえない事象に対してCGなどで表現できるようになったのは、観る側として純粋に映画を楽しむ幅が広くなりました。ただ、求めれば実物があるのにCGに走ってしまうのはもったいないと思ってしまいます。『空撮・CG一切なし』けっこうだと思います。その中でしか味わえない自然の本物もあったと思いますし、それに触れた役者もだからこその演技が出来たのではないでしょうか。 役者といえば、宇治長次郎氏の存在が忘れられません。誠実で素直で、山に対して真摯に正面から向き合う山男を完璧に演じ上げていました。人に対しても自然に対しても礼を欠かさないその姿勢は、自分が見習うべきものをたくさん見せてくれました。 私は登山をしません。したいとも思いません。ですが、山に限らずこの世界にある風景を出来る限りたくさん肉眼で見ていきたいと、そう思わせてくれた作品でした。 【TANTO】さん [映画館(邦画)] 10点(2009-08-04 10:31:55)(良:4票) 2.前から四列目ぐらいで鑑賞した。スクリーン一杯に映し出される美しくも荒々しい自然の圧倒的な迫力。これが映画だろう。また、背景に負けないぐらいの役者の熱演も光った。エンドロールでも立ち上がる観客は、誰一人としていなかった。テレビで見るのは、もったいない映画だ。映画好きならぜひ映画館で見てほしい。 【パオ吉】さん [映画館(邦画)] 10点(2009-06-23 15:01:12) 1.木村監督のこだわりの映像、四季折々の劔岳の美しさ雄大さ、そして険しさや厳しさが大画面いっぱいに表現されました。 劇場で観て本当に良かった。 こんなに綺麗なところがあるのだなと、ため息が出ました。 それと共に、雪国に住むものにとっては、見るだけで手足がかじかみ寒さが身に染みました。 寒い冷たい本当の雪です。 軽い発泡スチロールのウソ物ではありません。 CGの小奇麗ではかないものでもありません。 雪のけ、雪掘り、雪下ろし。 それだけでも辛いのに、明治時代の衣装で切り立った劔岳に登るなんて! 監督をはじめ、キャストスタッフの熱い思いとご苦労がこちらに迫ってきます。 この映画を観て昔を思い出しました。 子供心に刻み付けられた「八甲田山」の雪の進軍。 今思えば、実写による嘘偽りの無い迫力る映像に心を動かされたのでしょう。 数十年経った今でも、いくつかのシーンが蘇ります。 この作品の見どころは、浅野忠信さん(柴崎芳太郎)と香川照之さん(宇治長次郎)の息の合ったやりとりだと思います。 スタジオではなく本物の山で悪戦苦闘し、次第に役になりきり、かけがえのない相棒になっていったのかな?と思いました。 我慢強く黙々と働く雪国の気質。 無茶な命令でも全力を尽くす気力。 古き善き日本人の真心がこの作品に息づいています。 2009年度私のベスト映画のひとつです。 【たんぽぽ】さん [映画館(邦画)] 10点(2009-06-21 20:49:47)(良:3票)
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