みんなのシネマレビュー

私の男(2013)

2013年【日】 上映時間:129分
ドラマ犯罪ものロマンス小説の映画化
[ワタシノオトコ]
新規登録(2014-06-19)【ヴレア】さん
タイトル情報更新(2023-11-29)【にじばぶ】さん
公開開始日(2014-06-14)


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監督熊切和嘉
キャスト浅野忠信(男優)腐野淳悟
二階堂ふみ(女優)腐野花
モロ師岡(男優)田岡
河井青葉(女優)大塩小町
三浦誠己(男優)美郎の先輩
三浦貴大(男優)大輔
広岡由里子(女優)タクシー会社の事務員
吉村実子(女優)老婆
相楽樹(女優)章子
松山愛里(女優)花の同僚
高良健吾(男優)尾崎美郎
藤竜也(男優)大塩
安藤玉恵(女優)小町の先輩
太賀(男優)大塩暁
康すおん(男優)タクシー会社の運転手
原作桜庭一樹
脚本宇治田隆史
音楽ジム・オルーク
撮影近藤龍人
配給日活
特撮オダイッセイ(VFXスーパーバイザー)
美術安宅紀史
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1.“女”にとって、“男”は、ほんとうに、純粋に、暗く空いた心の隙間を埋めるためだけの、“詰め物”だったのかもしれない。
精神が歪んでいるわけでも、感情が欠如しているわけでもない。
むしろ逆だ。
あまりに真っすぐに、あまりに直情的に、自分に“無いもの”を求めた結果だ。

不条理であり、おぞましさすら感じる。
しかし、その激情を表す言葉はやはり「愛」以外にはあり得ない。


「あれは私の全部だ!」と、“女”は叫ぶ。

もう、この咆哮にすべてが表れている。
文字通りの死の淵から、“空っぽ”の状態で生き延びた少女は、「必然的」に現れた“男”で、その空洞を埋め尽くしていったのだろう。

“女”が“男”で満たされるのにそれほど時間はかからず、同様に“男”も“女”で満たされていく。
「秘密」が誰に暴かれようが暴かれまいが、それを誰に非難されようが非難されまいが、最初から最後まで彼らの世界には、二人しか居なかったのだと思える。

何かがほんの少し違っていれば、辿り着いた場所はもう少しマシだったのではないか……と、僕自身を含めて、他人は思う。しかし、そんな他人の思考はあまりに無意味であることに気づく。
“男”の台詞に表れているように、彼らがほんとうに望んでいたことと、彼らが辿った運命は、少しずつ確実に乖離していったのかもしれない。
それでも、彼らはああやって互いの命をつないでいくしかなかったし、あの先もああやって生きていくのだろう。


ドヴォルザークのメロディーが夕刻を告げるチャイムとして流れる中、“女”が数日ぶりに帰ってきた“男”を迎える。
映画の展開的には、まだ物語が劇的に転じる前の何気ないシーンとして映し出されているが、おそらくはこの映画の中で最も重要なシーンだったろう。

誰も知らない二人だけの世界。孤立感と、それ故の多幸感。
そして彼らの背景に染み渡っているような不穏さと背徳感。

でも、たまらなく美しいこのシーンを忘れることはできない。 鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 10点(2014-07-21 07:01:22)(良:1票)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 15人
平均点数 6.33点
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1016.67% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review1人
2 ストーリー評価 3.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 3.00点 Review1人
4 音楽評価 3.00点 Review1人
5 感泣評価 0.00点 Review1人

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