みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
7.《ネタバレ》 「Far and Away」というタイトルはまさにこの映画にふさわしい。 まず、アイルランド移民のジョセフとシャノンが、船でアメリカに着けば簡単に土地ゲットできるとおもいきや、そこからあれやこれやスッタモンダで、ずっとずっとはるか彼方西へ行くとになる。このアメリカ横断なスケールが実に”far away"(ずっと遠く)だからだ。 さらに彼らが「土地ゲットは簡単だ!」と思い込んでいたのが、現実は厳しかったこともまた”far and away”(思ったよりもはるかに)難しかったという話にもマッチする。 でも何よりも一番マッチしていた理由は 天国にいるジョセフの父親が、旗を立てる直前で死んだトムを生き返らせたという奇跡を物語る上で、"far away”(はるか遠く)空の上にいる死んだ父親の存在をこの映画の重要なものにしているからだ。 序盤でジョセフの父親が地主の手下のせいで事故にあうが、いったん死を迎えたのに、「なにがあっても土地こそすべてだ。おまえは私が叶えられなかった夢をかなえてくれ。土地が手に入ったら天国から祝福するから」と言い残すためにわざわざいったん生き返るというちょっとビックリなシーンがある。 なんだか奇妙な場面ではあったが、ラストの場面でジョセフが頭を打って血だらけで死んだにもかかわらず、父親の神パワーで彼が息を吹き返すミラクルが、コントでもなくジョークでもご都合主義でもなく、”必然”、”自然”に感じさせてくれるのである。 「ノーノー!あなたなしで土地なんていらない・・・(I don't want this without you・・・)」と、ツンデレお嬢様が彼が死んでようやくすすり泣きながらホンネを告白するという、こっちまでもらい泣きしそうな訴えをする場面では、カメラが次第に彼らを上から俯瞰するカタチでどんどん離れていき二人がどんどん小さくなっていく。 大きな大地に、死んだ彼と彼にすがりつく彼女。 あたりは暗く、ヒュ~ヒュ~~~という虚しい響きの木枯らしの音に、ジョン・ウィリアムスの切ない音楽が重なりながら、カメラはさらにどんどん二人から俯瞰のまま遠ざかる。 ロンハワードはきっと、これを、天国の父親目線だとしたのだろう。 天国の父が「おぉおぉ息子よ。せっかく土地とさらにそこで繁栄していくための嫁まで同時に手に入りそうだったところを。よしワシが生き返らせよう」という彼の言葉が聞こえるようである。 次の瞬間、カメラはまるで遊園地のフリーフォールの高速落下のようにトムのところに急降下。 そしてトムが目を覚ます。 どう考えてもこれは、天国の父から彼へ、命が、落とされた瞬間の描写だ。 救援用の飛行機が食糧の支援物資を空からストーンと落としていくように、父親は命を空から彼に落としたのである。 喜び抱き合うジョセフとシャノンに夕日を逆光にして優しく輝く髪の毛が美しく、この場面でこちらまで心からの幸せに満たされる。 そして彼らの後から追ってきて土地に旗をたてようと馬を駆る人達に気づいた二人は、落としたままだった緑の旗を一緒に掲げ、いっせーのせでブスっと土地にそれをブッ刺すところでは、夫婦の初めての共同作業であるケーキ入刀のようで、まるでほほえましかった。 そして私のハートに的があるなら、二人がブスっと旗を大地に刺した瞬間、的のド真ん中にこの作品がストライクしたのを感じた。 爽快なのは、そのブスっとしたあとバっと場面が暗くなり、その後に出てくるのが、”流れ始めるエンドロール”でもなく”タイトルの題字”でもなく、”The End”というクラシカルな文字だったことだ。 いきなりエンドロール開始だと味気なく、タイトル題字ならちょとドヤ顔な感じで引いていただろう。 それが、昔の映画ならよくあったが最近の映画ではとんと見なくなった”The End”を、クラシカルな題材を扱ったこの映画で用いたのは正しい選択である。 ・・・ということで、このラストのシークエンス数分だけで、ごはん3杯はいけちゃうんじゃないかというくらいの素晴らしいラストであった。 もちろんこの二人だけでなく、シャノンのオバカな両親や、クラブの踊り子、娼婦宿の女将と娼婦たち、ボクシング賭博のドン、スノッブなスティーブン・・・にくめないサブキャラや脇役も、無駄の無い脚本に支えられたストーリーの中で魅力にあふれていた。 若かりしトム・クルーズが、アクションや男くさい映画ではなく、このようなデキのいい壮大なロマン活劇で、無学なシャイで頑張り屋さんというとびきりキュートな役の作品を残してくれたことは、誠にラッキーで貴重なことである。 【フィンセント】さん [DVD(字幕)] 10点(2016-11-30 10:11:40) 6.《ネタバレ》 10年以上前に観てからずっと心に残る映画です。 トム・クルーズとニコール・キッドマンには、ジョゼフとシャロンみたいに仲良く暮らしてほしかった・・・ 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-06-08 22:57:54) 5.《ネタバレ》 エンヤのBestにこのエンディングが入っていて、どんな映画だろうと気になって観たんだけど、ユーモアもあって冒険もあって、これは相当好きな映画♪♪DVD買ってしまうくらい!新天地求めて知らない町に行って理想と現実の間で戸惑いながらも頑張る主人公たちが好印象で、テンポよく進む展開にこれぞ映画!って思う作品だった。お互いの気持ちが見えずもクリスマスに家宅侵入しつつもジョセフが自分の夢を語って、シャノンが「pretend to love me…」ってシーンが好き♪その後ジョセフが好きなんだけど自分じゃどうしようもなくて婚約者にシャノン渡して全力ダッシュするシーン、胸に響きます。でも何つっても最後の二人で旗を持って一緒に刺して『The End』のあの終わり方最高!This day ends together far and away♪内容と好きなケルトのBGMとエンヤで10点! 【ジムプリチウス】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-07-17 21:10:28) 4.かしこまったタイトルに騙されてはいけません。軽妙さと重厚さが絶妙なバランスで組み合わされた、実にフットワークのよい映画なのです。私が今まで見てきた中でもっとも清々しい映画でした。同じようなお話の「タイタニック」よりも5~6倍は面白かったです。とにかくトム・クルーズとニコール・キッドマンのカップルが実によく、2人の姿はいくらでも見ていたいほどです。好きなのにケンカばかりっていう2人の仲は本当にマンガなんですけど、マンガよりもきれいな2人がやるので違和感なしなのです。「トム、付き合っちゃいなよ」と、中学生感覚でお節介を焼きそうになったほどです。そしてあのラストも本当にマンガ。でも大好きです。私まですんごい幸せな気分になってしまいました。「THE END」の文字が出た後も、「2人とも、幸せに暮らすんだぞ」「仲良くケンカしろよ」などと、老婆心ながらいろいろとお節介を焼いてしまうのです。こんなにいい映画、しかも恐ろしく豪華な布陣であるにも関わらず、えらい冷遇ぶりなのがビックリです。「ダンス・ウィズ・ウルブス」だとか「許されざる者」だとか当時はリアル志向の西部劇がブームだったので、それに乗っかって宣伝を間違えたのでしょうか?ビデオやDVDのジャケットを見ても、えらい重厚な大河ロマンとして売られてるし。でもこれは、男性よりも女性が喜ぶ映画だと思うんですけど。 【ザ・チャンバラ】さん 10点(2004-08-28 16:16:06) 3.2時間を越える壮大なスケールの物語ですが、中だるみがまったくなく、1つ1つのシーンが息をのむほど叙情的です。 邦題にある「大地」という言葉は、この映画の1つの目的です。しかし最後にトムクルーズが念願の大地に旗を突き刺そうとしたあの瞬間、敗者のようにうなだれた姿をみれば、彼の目的は「大地」でなかったことが分かるかと思います。 特にラストの2重のドンデン返しは、無条件に、幸せな気分に浸れることを請け負います。 今ではすっかり映画界の大御所になってしまったトム・クルーズとニコールキッドマンですが、若き日の2人の姿は、必死さと、がむしゃらさに溢れており、本当に輝いて見えました。 トムはあの賭けボクシングのシーンが圧巻だった!この当時のトムの体は小さいが筋肉が引き締まっている。 また好奇心豊富な少女を演じるニコールは「モダン」に憧れアメリカの大地をめざす。「私のアメリカ行きを手伝ってくれたら私の奴隷にしてあげる」 この高慢ちきなニコールの態度には、不快さは微塵もありません。無垢で可愛らしい。 そして彼女を見つめるトムの目が演技を超えて、ラブラブなのであるっ!この映画は、女性の成長の物語だと言えるかもしれない。 洗濯すらろくにできない金持ちの夢見がちな少女が、たくましくなり自分の夢を実現していく。 再会を果たしたトムが、成長したニコールキッドマンを見て、まぶしそうに目を細め、「君は本当に自分の夢を実現できるところまで、辿りついたのか?本当にすごい奴だ」と感慨深げに言った台詞がとくに印象的でした。 【花守湖】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-10-15 14:29:30) 2.ロン・ハワードがいかに往年のハリウッド映画を愛し、その正統的な継承者であるかを見事に証明してみせた、彼の最大の野心作にして最高傑作。であるのに、なぜこうまで本国アメリカはもちろん、日本でも注目されないままなんだろう…。実際、「あっ、ここはハワード・ホークスだ!」とか、「これってジョン・フォードの『アイアン・ホース』そのままじゃん!」とか、単なるモノマネに終わらない引用が画面に豊かさをもたらし、トム・クルーズとニコール・キッドマンのふたりも大健闘しているっていうのに。クライマックスは、『シマロン』ばりのランドレースの大スペクタクル。これに興奮&感動できない向きとは、何も語る気にはなりませんっ! 【やましんの巻】さん 10点(2003-08-20 11:03:59)(良:1票) 1.トムのファイトクラブ最高!! 【トムクルーズと握手した人】さん 10点(2002-10-21 13:55:16)(良:1票)
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