みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
5.小林正樹監督の作品としてはもちろんのこと、日本映画全体としても最も芸術的で美しい映画であるように思われる。武満徹の幽玄な音楽、日本絵画のように色鮮やかな映像、美しい衣装、そして静謐ながらも芯のある役者陣の演技、それらすべてがホントに素晴らしく、思わずため息が出てしまう。とても小泉八雲の怪談が原作とは思えないほどに芸術性のあるこの作品は、まさしく日本の宝である。 【陽踊り小僧】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2010-08-13 11:29:11) 4.錚々たるメンバー・・・。 琵琶の音が頭から離れません。あんなに激しいものとは。 【kagrik】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2009-12-24 22:55:08) 3.とにかくため息の連続・・・、なんだこの美術セットは、なんだこの色彩美は!!幻想の小舟に揺られるように3時間うっとりと画面を眺めていました。「黒髪」の黒は「雪女」の白に反転し、白に混じる赤は「耳無芳一の話」の平家の情念燃ゆる赤に引き継がれ、「茶碗の中」の無色が全てを鎮めるように見る者を手招きする。必要最小限にして最大効果なる音響が夢幻なる画を作り上げる。は~、とにかくため息です。 【彦馬】さん 10点(2005-03-10 22:55:49)(良:1票) 2.《ネタバレ》 昨今の、安っぽい ハッタリを利かせたホラー物とは、明らかに一線を画す怪作です。 恐怖を暴力的に振り回すのではなく、小泉八雲の「怪談」の世界を「超アナログなSF」として捉え、非現実世界を舞台に、真剣に「耽美・妖美」に向き合った映画なのです。 水の中に落とされる黒、赤のインクの不穏で不吉な美しいオープニングから圧倒されました。 特にオムニバス形式の1話と2話は仰天モノです。 第1話の「黒髪」は非物理的なものと肉体的なものの対比がおもしろかった。 心や精神(この場合は執着、怨念)という非物理的なものは残存し、時間の経過の前には肉体(そして家屋)という物理的なものは脆くも朽ち果ててしまった というお話。 ラストは妻の肉体の崩壊が発覚するとともに家屋の老朽も露呈。 その家屋を次なる崩壊へと促進するのが、とりもなおさず妻を死に追いやった主人公なのだ。 恐怖から逃れるためにバリバリと家屋を壊しながら自らも老朽していく恐怖は 凄まじい。 妻の肉体崩壊の発覚を期に家屋崩壊と自らの肉体崩壊がリンクしていくのです。 「執着の残存」と「家屋や肉体の老朽と崩壊」この図式を際立たせる為に、あの不必要なほどでかいセットが必要だったのですね。 しかもメロディを廃した、精神的キシミ、肉体的・物的キシミをデフォルメしたあの音楽!(60年代の大島渚のあの凄まじい作品群は 美術・音楽ともにこの映画の存在が大きいことを今さらながら発見しました。) 第2話の「雪女」は悲しい母性の物語であり、悲しい恋の物語と感じました。 目的は監視だったのでしょう。ホリゾントに浮かぶ眼がそれを示していると思います。 それが男と姑の人間性に触れて結婚。子供まで設けてしまう。 ささやかな幸せの毎日。しかしそれも永遠ではなかったわけです。 とうてい男を殺せるわけもなく、子供を案じながら家を出ていく彼女の姿が、哀れで、いとおしく感じてしまいました。 男がソッと置いたわらじも雪の中、フッと消えていきました。 きっと、ささやかながら、穏やかだった幸せの証として、感謝しながら持って行った。と私は思いたい。 【マーク・レスター】さん 10点(2003-11-12 23:20:44)(良:5票) 1.ご存知、小泉八雲(=ラフカディオ・ハーン)の原作の中から四話の短編(「耳なし芳一」「雪女」「黒髪」「茶碗の中」)をオムニバス形式で忠実に映像化した画期的な作品。オムニバス形式はヨーロッパ映画などに散見されるものの、当時も今もそんなに多くは作られていない。それだけに日本映画としても極めて珍しい企画だったと言える。で、日本のみならず海外でも高く評価された作品で、かなり昔の作品であるにも拘わらず、独特の色彩効果と人工的なセットデザインで表現された日本的な美しさと恐ろしさは強烈で、今尚脳裏に焼きついて離れない。いくら説明してもこの面白さ(恐ろしさ)ばかりは鑑賞した人でないと解らないし、例を挙げ出したらキリが無いほどだが、その中で・・・若侍が貧しさゆえに妻を棄て、裕福な出の我がまま新妻と一緒になり、境遇が一変してしまう。しかし心優しい先妻との思いが断ち切れず、朽ち果てた家にひっそりと暮らす妻の元へ戻ってくる。詫びを入れる夫を受け入れる妻。やがて一夜が明け、隣の寝床の妻は・・・。まさに身の毛もよだつ瞬間だが、これは復讐か、愛する人に最後に一目逢いたいという女心か、恐ろしくも切ない感動を呼びおこす一編として忘れられない。全編に漂う原作の持つ幽玄の世界を、見事なまでのモダンな様式美と音響効果で格調高く描き切った、実に完成度の高い超一級品の作品であり、後世に語り継いでおかなければいけない作品でもある。 【ドラえもん】さん 10点(2003-03-06 15:35:39)(良:4票)
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