みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
3.《ネタバレ》 文句なく傑作です。 あまりに濃密な2時間弱でした。 とにかく司葉子が綺麗。 そして脚を終始、出しすぎ! 細い腕にからまった腕時計も似合いすぎ。 スーツ姿も似合いすぎ。 元々美しい女優さんですが、司葉子をここまで美しく、清楚に、そしてはかなげに撮った成瀬巳喜男監督は凄いですね。 そして、素晴らしいのが、あの音楽。 哀しい旋律が耳から離れません。 たららららら~♪ うーん、メロドラマラスです。 これが成瀬監督の遺作というのだから驚きです。 最後の最後にこんな作品を撮った成瀬監督。 私はますます好きになりました。 成瀬監督の作品は、その鑑賞本数を重ねれば重ねるほど、好きになっていく不思議な魅力を持っていますね。 加山雄三が病床に臥しているときに、加山雄三は司葉子に「手を握ってくれませんか?」とせがみます。 司葉子は仕方なく手を握ります。 そしてすぐに手を放しました。 しかし、その後、今度は司葉子の方から手を握ります。 思わず握ってしまったのです。 このシーンには参りました。 非常に印象的なシーンですね。 司葉子の揺れ動く心情を、見事に描ききっていて見事です。 夫が亡くなった後、その夫を車でひき殺してしてしまった男を愛せるはずはない。 そういった理性と、目の前にいる男を好きになってしまったという女としての感情。 これがぶつかり合い、司葉子は苦しみます。 この葛藤の様子を、成瀬監督は見事に映し出しています。 これほどまでに、感情移入できる作品はそうはありません。 最後に別れた後、この二人はずっと苦しむのでしょうか。 再会はあるのでしょうか。 そんなことを観た後も考えてしまいました。 そういった余韻を残すラストは、素晴らしいの一言でした。 ところで、司葉子ですが、本作を観て更に好きになってしまいました。 自身の「お気に入り女優」に入れると共に、彼女の出演作をもっと観てみたいという気持ちになりました。 あ、そうそう! 本作で司葉子の名ゼリフがあります! 「ばはは~い!けろよ~ん!」 これです! これが聞きたいから、また観て見たい。 それだけのインパクトがありました。 あー、「ばはは~い!けろよ~ん!」ってやってる時の司葉子って、なんてキュートなんだ。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2008-03-22 00:16:50)(良:1票) 2.《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督の遺作にして、これまた素晴らしい傑作になっていて凄い。普通、遺作ともなると大抵の場合、かなり質が落ちたりするものなのに、この監督さん、やはり凄い。もうそれしか言葉が浮かびません。よくこれだけ一人の女性の傷ついた心、感情的な心のゆれを描けるものだ!恐ろしいほどです。夫を交通事故で失った女(被害者)と加害者との恋愛という設定の中で、描かれる男と女の心のゆれ、どうしようもないやるせなさを映像によって映すこの何とも言い様のない表現方法の凄さに、そして、被害者であるにも関わらず加害者の男に対して、次第に愛情、恋愛的な心を持ちはじめるという女性にとって、何ともやるせない、哀しさみたいなものを眼と表情によって演技している司葉子の美しさに、ただただ泣けて仕方がない。最初は相手の男(加山雄三)にどこかに消えて欲しいとばかりに必要に迫ってたいたものの、どんどんと惹かれるようになり、遂には身体を許そうとする姿など、下手なセックスシーンよりもゾクゾクっとさせられる色気があるし、官能的です。それにしても成瀬巳喜男って監督さんは、男なのにどうしてこれだけ女性の心理というものを上手く描けるのか不思議です。その表現方法と映像的、センスにあの何ともやるせない音楽がこれまた抜群の成果を持たらしていて、終り方も物凄く余韻を残したまま終わらせる。とにかくこれまた成瀬巳喜男監督の代表的作品として、外せない。私はこれを観て、司葉子という女優が一気に好きになってしまった。まだ観てない彼女の出演作品、幾つもあるので他のも観たいと思います。 そんな司葉子の美貌にクラクラすること間違いなしの一押し作品です。これを観たらほとんどの男は司葉子に惚れるだろう!そして、あの「ばはは~い!けろよ~ん!」が忘れらなくなることでしょう!それでは皆さん一緒に「ばはは~い!けろよ~ん!」←一日の終わりの挨拶はこれで決まり!最後にやっぱり10点に変更する。えぇい!持っていきやがれ!文句なしの10点満点だ! 【青観】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-05-12 12:32:13)(良:2票) 1.成瀬監督の作品群の中ではかなり暑苦しい部類に入る脚本だと思う。もうメロメロのメロドラマ。だから(?)なのか、成瀬監督らしさが伝わってくるのは会話のない部分だったりする。視線劇は相変わらず。司葉子が朝帰りした時の森光子のあのイヤラシイ視線は凄い。「この下世話な○○女がっ!」と心の中で叫びそうになるぐらい(ウソウソ)。前半は司葉子(ホント綺麗。話が進む度に綺麗になってくる。) の悲しさばかりが引き立つが、後半は加山雄三の哀しさ、特にラホールのくだりは笑ってはいけないと思いつつその惨状には思わず笑ってしまう。「僕はついてる人間なんです。」ってあなた。最後の津軽節も司葉子のためだけでなく、自分のためにもという部分はあるのだと思う。よって後半は完全に加山雄三サイド。この時点で成瀬演出にしてやられてしまったわけである。もっと素晴らしい作品はたくさんあるけど、「乱れ雲」はそういうのとは別の意味で好き。これが文芸座でやっていた時、ちょうど司葉子のトークショーがあった。そこで出た話で印象的だったのはラストの十和田湖のシーンでのこと。これを撮る前日、撮影も終盤という事で特別に酒が振舞われたのだが、司葉子は自分のシーンが残っているし明日の化粧にも影響が出てしまうからと遠慮したそうだ。そうしたら成瀬監督が「今日はかまわないよ」とお許しを出し、その時は監督の人柄にとても心を打たれたそうだが翌日、いつもより一生懸命化粧していた司葉子に監督から一言「今日は正面のショットはないよ」。それがあの十和田湖の美しいシーンの正体。うーん、なんて人だ。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-09-02 15:30:01)(良:2票)
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