みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(3点検索)】
3.この映画のストーリーラインが描き出したかったことは、うらぶれた人生からの脱却を実は夢見ている裏稼業の男が、不意に現れた“若者”との一夜の交流を通じて、決意と活路を見出していく物語だったのだと推察する。 なにせ、脚本は二度のアカデミー賞にも輝くウィリアム・ゴールドマンである。 きっと本来イメージしていたストーリーラインは、ラスベガスの欺瞞に満ちた輝きの中で、己の腕っ節のみで生きてきた不器用な男の哀愁と、その先に見えた真実の光だったのだろう。 そういうストーリーラインを示す描写や設定は確かに点在している。 しかし、残念ながら結果としては、この映画においてそういった芳醇なドラマ性は生まれておらず、全編通してチグハグでバランスの悪いアクション映画に終始してしまっている。 その原因が、イメージはあるものの緻密な人間描写の構築まで至ることが出来なかった老脚本家にあるのか、ドラマシーンの演出力に欠いたB級アクション映画監督にあるのか、はたまた良い意味でも悪い意味でも“筋肉バカ”である主演俳優にあるのかは定かではないが、まあ何とも残念な映画に仕上がってしまっていることは間違いない。 監督はサイモン・ウェスト。世間的にはB級アクション映画専門監督というレッテルを貼られており、その認識に間違いはないと思うけれど、個人的には1997年の「コン・エアー」以来、決して嫌いにはなれないアクション映画監督の一人である。 主演のジェイソン・ステイサムとも、「メカニック」「エクスペンタブルズ2」と、相性の良い仕事ぶりを見せてくれていただけに、今作に対してもB級アクションならではの良い意味で“雑多な娯楽性”を期待していた。 実際、アクションシーンの見応えは確かにあったと思う。 “銃”を絶対に使わないというキャラ設定を活かした主人公のアクションシーンにはキレがあり、銃を使わないからこそ生じる残虐性とそれに伴う“痛々しさ”が特徴的だったと思う。 ただし、アクションシーンに限らず総てのシーンが短絡的かつ散文的で主人公の行動原理に説得力がまるでなかった。 「主人公がどういう人間なのか」という肝心な部分が、極めて曖昧で掴みきれない。 勿論、敢えてそういう主人公造形をする作品もあるけれど、結果として本質的な魅力を欠いてしまっていることは、脚本、演出、演技の総てにおいて力量が足りていないということだろう。 詰まるところ、今作においては脚本、監督、主演俳優の“食い合わせ”が悪かったということだと思う。 全く別の座組が実現していたならば、もっと良い映画になり得た可能性はあった……かもしれない。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 3点(2017-04-18 12:43:50)(良:1票) 2.《ネタバレ》 冒頭、知り合いのお姉ちゃんが酷い目に遭わされて、何だかんだでその復讐に立ち上がるジェイソン!と思っていたら、それは早々にあっさり解決してしまう。で、今度はカジノで大金を賭けてどうのこうの。終盤にはさらに反転して、コルシカ島がどうとかヘタレであるとかないとか。いや、一体これは何だったんでしょうか。一つ一つのシーンはそこまで悪くないのですが、前後のつながりがここまで何も考えられていないというのも珍しいです。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2023-01-15 01:41:27) 1.《ネタバレ》 ジェイソンステイサムが出てるアクション映画はほぼハズレなしかと思ってきましたが、今回初めてハズレに出会いましたw ラスベガスを舞台にしてるといいながら、ぜんぜんラスベガスを感じさせません。 最初のほうは、ラスベガスの夜景をイメージビデオのようにいろいろ画面に出して「ここはラスベガスですよ!」と一生懸命アピールしてるんですけど、その後、地味で薄暗いなカジノがメインになり始めたあたりから、もうこれはどこの場末の賭博上だって感じになってきます。おそらく経費節減のため、屋内の撮影をベガス以外のロケ費用の安い地域ですませて、そうした映像がたぶんこの映画の8割くらいつかわれている。 とにかく”どーでもいい”画面作りが目立ちます。 物語が始まってまもなく、ステイサムは、ヤクザにレイプされた女に復讐の手伝いを頼まれ、助けないといいながら手助けするわけですが、特にその主犯格を探し出すのに時間も労力もかからず、滞在先のホテルで働いてる黒人メイドが「~号室の~~って人だよ」とサクっと教えてくれて解明できちゃうので面白くもなんともありません。 その後、ステイサムは主犯格の男にもとへ行って、主犯格の手下2名とお決まりの数分間の対決シーンを済ませたあとは、被害女性が後から登場して主犯格の男から札束とその男のペニスを手土産に早々に退散。 いってみれば、この映画の盛り上がりは始まって数十分のこのエピソードが一番の盛り上がりどころ(盛り上がりといっても、その盛り上がり具合は高さ3cm程度のお粗末さですが)であり、その後は、”どーでもいい”エピソードが延々と垂れ流されます。 ほめるところはほとんどなく、もちろんいつも通りステイサムはかっこいいのですが、作品によってガラリとキャラクターを変えてアカデミーノミネートも視野にいれたような渾身の演技をみせるハリウッド役者と違い、「どの映画のステイサムも、だいたい同じ」なので、つまりこの映画を見なくても、ほかの映画でも、この映画で見たようなステイサムが見られるので、つまりこの映画は見なくてもいいかもしれません、という悲しい結論をつけさせていただきます。 【フィンセント】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-10-24 11:13:02)
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