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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(3点検索)】
3.《ネタバレ》 どんなに偉大な人間でも必ず欠点はあるものだから、もし本当に尊敬し真実の姿を表現しようとするならば、その人の長所だけではなく短所、欠点も描くべきでは?それを神聖化し完全無欠の存在にするために、その人の失敗を全て他の人に押し付ける、北朝鮮や中国で「偉大なる」指導者を称えるために行われるならともかく、この日本で、一流の作家、随筆家と言われる人が監修した映画でされるべきことでしょうか?山本五十六は海軍の航空兵力を育てた軍政家としても、三国同盟に断固反対した政治家としても大変優れた人物だと思います。しかし、戦略家、戦術家としてはどうでしょう?島の占領か、機動部隊の撃滅か全くはっきりしない作戦目的(南雲にはっきり伝えたというのは、完全にフィクション。)。どう見ても無理な短い準備期間(索敵の潜水艦部隊は配置に間に合いませんでした) 意味不明な戦力分割(アリューシャンに行っていた航空部隊がミッドウェーにいれば。嗚呼) 作戦前に行われたシミュレーション結果の強引な改ざん(実行者は宇垣ですが、認めたのは山本です)全て、この分野に少しでも興味がある人間にとっては常識的な事実ですが、何一つ触れられませんでした。そして作戦失敗の全責任は南雲の「命令違反」のせい!?確かに南雲も航空部隊の指揮に関する限り山本とあまり変わらない凡将です。しかし、少なくとも「命令違反」はしていない、いやするはずもない。永野に吹き込まれて、最初から攻撃機に全て陸用爆弾を装備していたとか、どうしてそんな出鱈目がまかり通るんでしょうか?信じられません。史実はきちんと山本の命令どおり半数は魚雷装備でした。第一次攻撃隊からの二次攻撃要請の報告を受けて、その魚雷を陸用爆弾に転換しようとし、その最中に敵機動部隊発見の連絡を受け、また魚雷に再転換、その混乱の最中に敵の空爆というのが歴史的事実です。もちろん自分的にも「そのまま陸用爆弾でいかせろよ」と、彼の判断ミスを残念に思う気持ちが無いわけではありません。しかし、映画の中に描かれてるような確信犯的な命令違反が原因の失敗と、史実のような混乱した戦場での判断ミスが原因の失敗とでは全く意味が違います。一人の人間を神格化するために別の人間に架空の犯罪的行為(命令違反)を押し付ける、これがこの国で一流の作家と呼ばれてきた人が行うことでしょうか?南雲さんにだって、子孫や親族は現存するだろうに 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-01-19 11:23:46)(良:1票) 2.《ネタバレ》 過去に何度も映画化ドラマ化されてきた。 彼を研究した本も数知れず。 今更山本五十六をわざわざ映画の主人公に据えるのか? 内容は今まで知られてきたいわゆる通説から逸脱しない凡庸な造り。 しかも細部での間違いが多い。 「真実」などと銘打つのなら考証をしっかりしてリアリティをもっと増す努力をしてほしかった。 例えば上官の部屋に入るとき、「失礼します」などと言って入ってくる。 軍隊では性、官位を名乗り「入ります」だと思ったが。 食事のシーンも山本長官がみんなとどんぶり飯を食っている。 全般でどうか知らぬが少なくとも艦隊司令部の士官は良い食事だった。 和食でも塗り物の立派な食器を使ったし洋食はフルコース。 もちろんナイフフォークですべて給仕付きで粛々と食事をした。 親しみを抱かせるための演出なのかどうか知らないけど(単に無知なだけかもしれない)、題名に「真実」などと入れた映画にしてはあまりにもお粗末。 他にも冒頭海軍省かどこかの門前で陸軍歩兵の分隊が銃を構えて威嚇するシーンがある。 陸軍と海軍の対立を表したつもりか何か知らぬがあんなくだらない演出を入れるべきではない。 真珠湾作戦で第二次攻撃をするべきだったか、ミッドウェイ作戦で島攻略が主眼か米太平洋艦隊撃滅が目的だったのか。 両作戦の司令だった南雲中将の判断というのが歴史の中で問われてきたが、この映画では両方とも永野軍令部総長が南雲に入れ知恵をしたことになっている。こんな話は聞いたことがない。 ミッドウェイ戦では敵機襲来までの時間が何分前などとわかっているがあり得ない。 全てがこんな調子、演技にしても別に感銘を受けるようなものはなく、とにかくなんで今山本五十六の映画を作ったのだろうと思うのみ。 三国同盟に反対していたこと、真珠湾攻撃の(作戦としての)成功、最前線での悲劇的な戦死と日本人の琴線に触れまくりの対象、海軍善玉イメージがあるので戦後70年を通じて英雄視されているが、そろそろそういうステレオタイプの見方は改めるべきだろう。 別にことさら悪く描く必要などはないが、もっと客観的に事実を踏まえて赤裸々に描いてほしかった。 昔ならいざ知らず今はもっといろいろな事情が明らかになってきている。 そういう意味で残念だし、特に題名に「太平洋戦争70年目の真実」を付けたうえでこの程度の映画しか作れないという日本映画界に失望する。 【称えよ鉄兜】さん [ビデオ(邦画)] 3点(2012-03-27 06:43:16) 1.う~ん。ちょっと期待しすぎたかなあ。 空戦シーンには臨場感があって、このクオリティで「大空のサムライ」をリメイクして欲しいと思うくらいだったけれど、肝心の内容が。。。 一言でいうと、歴史の教科書をそのまま映画化した感じ。 登場人物のキャラクターはステレオタイプで個性がないし、ストーリーラインも歴史上あった(とされる)出来事を順々に出していくだけ。しかもそれをセリフとナレーションで説明してしまっている。 CGや衣装などは安っぽくなく、凝っているのは分かるけど、なぜかカメラがほとんど動かないので、結局ただ退屈な場面の連続にしか見えない。 エンターテイメント的に面白いものを作ろうという意志がまるで感じられないのだ。 確かに山本五十六という人はある程度評価の定まっている人物あり、歴史上起こるイベントはむやみに動かすべきではないと思うけれど、だからと言ってそれを盾にドラマ部分をすっ飛ばして良いのかという話だ。 あまり詳しくない人にも分かりやすいように配慮したつもりかも知れないけれど、それならなおさら教科書をまるまる渡すような真似をしたらダメでしょう。 個人的には、海軍部内の強硬派との対立とか、陸軍の東條や辻政信とやり合うとか、息詰まる駆け引きを描いて欲しかったなあ。 【applesoda】さん [映画館(邦画)] 3点(2011-12-25 01:32:40)
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