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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(4点検索)】
2.《ネタバレ》 七五三のシーン、乙羽信子のお祖母さんにフランキー堺のお父さん、その子たちの三代かと一瞬思ったが、会話から、あれは夫婦なんだろうな、乙羽さんまだお祖母さんは気の毒だ、などと思い返していると家に帰り、すると星由里子が出てくる。え、この人誰? こっちがフランキーの若妻か、するとやっぱり乙羽は気の毒でもお祖母さんか、それとも星はフランキーの妹なのか、などと混乱していると、星が「お父さん」と呼びかけている。え、じゃあの子どもたちはずいぶん歳が離れてるようだが星の妹弟なのか。ここまでに分かったことを整理すると、つまり大正生まれの乙羽と昭和生まれのフランキーがアネサン女房の夫婦で、フランキーが14歳ぐらいのときに長女の星が生まれ、それから戦後の混乱期十年間は子どもを作れなかったが落ち着いてきてあと二人作った家族、ってことなんだな。別にどうでもいいんだけど、この映画のヘンさがそんなところから始まっていた。これ、近景と遠景しかなく、中景はパニックになる群衆だけで、たしかに核時代の怖さってのは遠景が突如近景に覆いかぶさってくるところにあるのかも知れないけど、近景がいま言ったように輪郭が曖昧。会話もひどく、ホームドラマ用のセリフの間に強ばったメッセージがこなれないまま挟まっている。一方遠景がこれまた、大事な回路が簡単に故障したり軍人のオッサンがチャッチャッと起爆装置外せたり、ほとんどコントをやっており、核時代の軍隊はもうコントなんだという『博士の異常な愛情』的な批評の目でやってるんなら分かるが、どうもそうは見えない。マジでやってる。典型的なプラカード映画で、けっきょく戦後日本が核兵器廃絶に関して何にも出来なかったのは、プラカードを掲げるだけで満足していたこの想像力皆無のだらしなさに尽きるだろう(この国のプラカード主義は根強く健在で、たとえば拉致問題。交渉をしようとせず内輪での講演会やポスター貼ってるだけ、しかも交渉の扉を閉ざしたバカな政治家の人気が当時は上がった)。というわけでこの映画、建設中のビルが見える日比谷公園など時代の風景だけ味わえました。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-12-16 10:19:03)(良:1票) 1.経済的要請から、他社に先駆けて早々と軍部と結託し 数多くの軍事教育映画・戦意高揚映画を作り上げ、 多大な利益を挙げてきた東宝撮影所。 まさに戦争とはまずもって経済行為。 局地紛争勃発の報道に際して、主人公が戦争関連株の取引に躍起になるように、 戦争とは理性的な金儲けの道具に他ならない事をこの映画はしっかりと露呈させる。 自分の身にふりかかる全面的核兵器戦はイヤだが、 自分の利益になるどこか遠くの通常兵器戦は大歓迎という、 条件付の浅ましいご都合主義的反戦論である。 61年という時代設定からして紛れもなく戦中世代であるはずの主人公の、 戦争に対する無反省と「東宝」的日和見主義。 他国の戦争を踏み台にした特需に対する認識も疚しさも一切無く、 「国民が働いたから」と自賛する欺瞞的な平和と繁栄の図。 ゆえに、大仰な伴奏音楽で露骨なまでに強調される彼の悲憤慷慨も 何一つ共感・同情を呼ばない。 ナイーブでエモーショナルな、つまりは反理性的な反戦メッセージは 退行でしかない上、随所に挿入し過ぎの戦闘描写はそれ自体、 製作側の意図に関わらずいくらでも「反・反戦」的ニュアンスを含み得てしまうことへの無自覚が明白である。 戦争自体が多義的かつ多面的ゆえ、その映像は悲惨のみならず、 悲壮美や魅惑的スペクタクル、爽快なアクション性をも併せ持つ宿命だが、 この映画の円谷特撮場面の数々がまさにそうだ。 東宝特撮技術もまた第二次大戦の中で培われてきた映像技術、 つまり戦争の恩恵なのであり、だからこそこの映画は安易な反戦には落ち着かせない。 無線交信場面のあまりに直截的で無粋なショット、字幕のタイミング、 編集、音楽処理は全くダメだと思う。 【ユーカラ】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-08-08 20:50:10)
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