みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(4点検索)】
6.《ネタバレ》 キサーゴータミーは、愛する息子に死なれてしまった。彼女は息子の死を受け容れることができず、遺体を抱えながら「この子に効く薬を下さい」と言って回っていた。 彼女はブッダの元にも訪れ、同じことを言った。するとブッダは言った。 「芥子の種をもらって来なさい。ただし、一人も死者を出さなかった家からでなければならない。」 彼女は9日後に戻って来て、言った。 「私はシュラバスティの全ての家を回りました。しかし、一人も死者を出さなかった家は一軒もありませんでした。」 ============ 新海誠は「秒速50センチメートル」で、「さよなら」と書いた手紙を渡すことができず、少年の頃の思いを大人になるまで引きずる主人公を描いた。 本作では主人公のアスナが、少年シュンと親しくなるが、彼の唐突な死によって引き裂かれる。しかし地下世界を旅して、森崎先生の亡き妻リサの霊が体に入ると、アスナの霊は肉体から追い出され、死後の世界に行く。そこには死んだシュンとペットのミミがいて、束の間の再会を果たすが、シュンの弟シンがクラヴィスを破壊すると、リサの霊はアスナの体から抜ける。すると死後の世界にいるアスナは、シュンの霊に「行くんだね」と言われ「うん、さよなら」と告げて、元の肉体に戻る。 人には別れがあり、死は避けられないという現実を受け容れることで、人は大人になっていく。「さよなら」と告げるセレモニーを通して、自分にも相手にも別れを言い聞かせることが必要なのだ。 ゆえに、死者の復活を本気で願う森崎先生は、大人になりきれていない。彼は、復活した妻リサにも「さよなら」を告げていない。現実世界を拒否した彼は、地下世界を永遠にさまようことになる。 新海誠はこの次の作品「君の名は。」でも、ガールフレンドが村ごと消滅したのを、タイムラグを利用して丸ごとなかったことにする物語を描いている。彼はいつになったら大人になれるのだろう。 「喪失を抱えて生きることが人の宿命だ」というのが本作のテーマであることは明白だが、それを視聴者にアピールすることには失敗している。主人公には確固たる意思はなく、常に流されていて、常に男に助けられている。何のために地下世界に来たのか動機が曖昧だし、生死の門が崖の下にあるとわかっていても、そこを降りるだけの勇気もなければ、動機もないように思える。最後に現実世界に戻った彼女に、成長したような形跡も見られない。 イザナギ・イザナミの神話をモチーフにした「掴み」は興味深いが、主人公に意思や魅力が乏しく、せっかくのテーマを寓話にまで昇華できていない。キャラクターの造形が某社にそっくりなのはご愛嬌。 【高橋幸二】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2020-02-13 14:22:36) 5.《ネタバレ》 何度も観たくなる映画が良い作品だとすると、これはダメだなぁ。 キレイな画は観賞のきっかけにはなるけど、それはそんなに大事じゃない。 お話自体も壮大じゃなくていい、人が魅力的かどうか。 ただただその事を再認識させられるような作品だったかな。 声優さんはとても良かったと思います。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-03-04 10:06:20) 4.「秒速5センチメートル」に続いてこの作品、とは...そして次が「言の葉の庭」。意外だ。 正直言って、無理にジブリ系をアニメのお手本として一度なぞった、そんな気がする。そして、そんなことは全く必要ない、ということを認識できる映画。 【simple】さん [地上波(邦画)] 4点(2018-01-03 20:06:33) 3.アニメとはいえこの世界観からは許されない「予定調和」というより「それはないだろ」の連発に嫌気。色はよいのにもったいないですねぇ。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 4点(2016-07-11 21:50:28) 2.《ネタバレ》 イザナミ・イザナギ神話のように死者を甦らせようとする行為を通じて命の意味を表現する、という筋でいいのでしょうか。こう言えばシンプルなのですが、なんとも共感しにくい作品です。妻を取り戻したい森崎は分かり易いのでいいとして、主人公の明日菜のモチベーションがまったく不明。ほんの僅かな時間しか関わっていないシュウのためにそこまでするのか?という疑問が立ってしまいます。ミミとの別れもそうなのですが、主人公の悲しみとは裏腹な描写不足が目立ちました。逆に母子家庭の件やアガルタの人々等で削ってもよかったのではというシーンも多く、全体としてちぐはぐな印象が残りました。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-04-14 15:47:43) 1.《ネタバレ》 この監督さんにしては「らしくない」モノを作ったなぁ、という印象です。これまでの作品は、舞台の世界観から離れたところで登場人物たちの内面の機微を演出することに主眼が置かれていたように思います。センチメンタルな喪失感に支配された語り口は、昔の村上春樹の小説のようでした。それらに比べると、本作はとても「普通」に見えるし、逆に主人公の求めるものが見えにくい。「私、淋しかったんだ」と彼女は言いましたがそれが実感として伝わって来ず、心情と離れたところで舞台と状況が転換して行きます。冒険と主人公の動機がリンクしていないので、盛り上がりに欠ける。過去の宮崎アニメが3つくらい、入れ替わりに意識される設定が苦しく、わざと特定できないようにしたと思える時代設定も、テーマの不明瞭さを助長しているだけでした。作風の幅を拡げたかったのかも知れませんが、本質的な個性は大事にして欲しいです。エールのつもりです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-06-20 16:29:31)
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