みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(4点検索)】
3.《ネタバレ》 千と千尋を観て、そう言えば去年録画したこの作品、シチュエーションが似てるかもな?と、改めて観ることにした。 結構グッと詰め込まれた感。絵は丁寧で綺麗だし、アングルも工夫されていて人物も活き活きと描かれている。 もう何と言ってもピンふりの魅力に尽きる。衣装や存在の面白さが目を引くけど、同級生たちが煙たがりつつも認めざるをえない才能と、ひたむきな努力。彼女は小学生ながら、自分の高級ホテルだけでなく、花の湯温泉郷全体の今後を考えている。 ついついトゲのある言い方をするけど、それは自分の真剣さの裏返し。 花の湯に来て数ヶ月のおっこと春の屋旅館が、旅行通が好みそうな雑誌に取り上げられたけど、嫌味や妬みの一つも言わない大人なピンふり。 ピンふりはおっこよりもっと先に、じゃらん的な浮いた雑誌に取り上げられるべき名物女将になっても不思議じゃないと思う。でもきっと、派手な見た目に反して、裏方的な控えめな努力をしてきたんだろうな。最後の客のエスコートの仕方に、客と春の屋、そしておっこに対する最大級の気配りが感じられた。 両親を亡くしたおっこが、ピンふりやグローリーさんと触れ合いながら、小さな旅館の女将として成長していくドラマか。巻数の多い児童文学が原作だそうだから、きっと私のイメージ通りの作品なんだろう。 原作とかTV短編とか、きっと面白いんだと思う。ただこの映画の構成がどうも引っ掛かってしまう。 出だし、ほのぼのしたお祭りとおっこの家族団らん。神楽の最後、不気味さを見せる狐面…神様の舞なのになぜ不気味に?その直後、全てを奪い去る交通事故…予想外過ぎて心臓がパクパクしたわ。 グローリーさんとのドライブで急に事故のフラッシュバック。それもかなり細かい描写で…えぇ~このタイミングで入れてくるの? そして最後の客が事故の当事者。これは、小学生の女の子には、というか遺族には残酷すぎる。 最初と最後と中間に両親の死を挟む。これが万が一にも実話なら納得だけど、あくまで人が作った物語。長い作品(原作)の1エピソードだったら解らなくもないけど、90分くらいの短編映画の主題としてこのエピソードを選んだ訳で…なんか水曜日のダウンタウンのドッキリ企画並みに悪趣味に思えた。 事故から1年も経ってないのに、峰子女将は息子夫婦を死なせた相手の名前を忘れて予約を受けたのか。事故の加害者の妻は被害者の葬儀に行くだろうし、そのときの喪主はお父さんの母である関峰子になると思うけど、加害者のこと気にしてなかったのか? 加害者夫婦も、唯一の生き残り、小学生の女の子が、その後どこに行ったのか気にしなかったのか。花の湯温泉方面から家に帰る高速で事故が起きたのに、なぜ加害者夫婦は花の湯温泉を選んだのか? 雑誌にはフルネームでなく“おっこ”って出たとか、女将が宿帳で気がつくとかあったけど、もうこの映画のメインが“おっこを容赦ないトラウマに向き合わせてみた。”に思えて、他のほのぼのした魅力的なエピソードが吹っ飛んでしまった。 そうなるとまた、余計なものまでが色々目に付いて、例えばおっこが1人で、誰もいない家を出ていくシーン。親族とか近所の人とか誰も手伝わないの?友達は見送らないの?小学生が独りで花の湯温泉まで行くの? うり坊とかみよちゃんとか鈴鬼とか、精神的にショックを受けた子が創り出した、いわゆるイマジナリーフレンドなの?とか。 そうなっちゃうともう、子供向けにしてはグローリーさんの入浴セクシー・ショットが多すぎない?とかまで… う~ん…皆さんの高得点も納得なんだけど、この作品を好きな私と、この構成を嫌いな私が出てしまう。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2021-08-12 13:58:32) 2.泣けると聞きハンドタオルをポケットに忍ばせ期待していってきましたが、残念泣けませんでした。 捉え方は視聴者に任せるって感じです。 あんま深く考えずにいくとひょっとするかも。 【へまち】さん [映画館(邦画)] 4点(2018-10-20 17:24:43)(良:1票) 1.《ネタバレ》 ■構成について 非常にダイジェストな作りで、総集編的になっている。 主要なストーリーラインは以下の6つ。 ・若おかみの孤立と成長 ・うり坊と峰子 ・真月と美陽 ・客三組 それぞれが魅力的な素材だったけど、6つのストーリーを94分で描くのは無理があった。 結果、どうなったか? あらゆる障害は滞りなく、スムーズに解決する。 うり坊と美陽には遺された人とのドラマはなく 若おかみが幽霊を見れなくなる演出の舞台装置の域を出ない。 「幽霊が視える若おかみと遺された人々の話」か 「未熟な若おかみとやっかいな客達の話」のどちらかに振り切れば掘り下げられたのだろう。 もともと、複数の原作小説を一つの映画に収めることに無理があるのだ。 これが監督の責任なのか、配給会社の責任なのかは知らないけど。 ■メッセージ性について 監督はインタビューで仏教の滅私を描いたと語ってるのだけど それなら等身大の小学生として生きる選択肢を与えた上でおかみを選ばせるべきだった。 周囲の大人がフォローせず、幽霊と気のいい客に支えられたギリギリの状況じゃ 滅私じゃなくて理不尽な環境に対する認知的不協和の解消に過ぎない。 自分を奮い立たせるしかない。 登場人物はみんないい人だけど いい人との出会いだけで奉公の素晴らしさを説こうとすることこそが この作品のリアリティの限界点だ。 動物みんな共存させつつも肉食動物の食事事情を 一切描かなかったズートピアに通じる子ども騙し感が残る。 ターゲットを子どもと割り切ったのかもしれないが。 辛い過去があるけど落ち度はないし反省してる。 そりゃあまあ、葛藤はあるにせよ許せるだろう。 そうではなく、クズな客が現れ、全然反省してないし生きてて社会の役に立つかも分からない、 むしろいない方が世の中のためなのではと思わせるクズが現れた、でもどうやら困ってるらしい。 そこで手を差し伸べられるか。 普通はそんなやつ助けない。でも花の湯温泉なら──── そういう語り口であれば、言わんとするところは読み取れたかもしれない。 ■その他 子ども向けであることを主張するかのような ミュージカルのような演技。 子どもに真摯に向き合ったとき、本当にこのような演出が必要なのだろうか。 また、トラウマが思い起こされるシーンへの切り替えも急で 明るいBGMから突然不穏なBGMになり、スムーズな心の揺さぶりを阻害しているように感じられた。 俗世に疲弊した占い師と、親を亡くしながらも純朴な若おかみの交流は素晴らしい。 それだけに惜しい。 【Donatello】さん [映画館(邦画)] 4点(2018-10-10 02:19:22)(良:1票)
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