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竜とそばかすの姫

2021年【日】 上映時間:121分
SFアドベンチャーファンタジーアニメミステリー青春もの音楽ものネットもの
[リュウトソバカスノヒメ]
新規登録(2021-05-16)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-09-08)【イニシャルK】さん
公開開始日(2021-07-16)


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監督細田守
中村佳穂すず(内藤鈴)/ベル
佐藤健竜/恵
成田凌しのぶくん(久武忍)
染谷将太カミシン(千頭慎次郎)
玉城ティナルカちゃん(渡辺瑠果)
幾田りらヒロちゃん(別役弘香)
森川智之ジャスティン
津田健次郎イェリネク
小山茉美スワン
宮野真守ひとかわむい太郎&ぐっとこらえ丸
森山良子吉谷さん
清水ミチコ喜多さん
坂本冬美奥本さん
岩崎良美中井さん
石黒賢恵と知の父親
役所広司すずの父親
島本須美すずの母親
宮本充フォックス
牛山茂司会者
多田野曜平野球評論家
朝井彩加
行成とあ
藤原夏海
榎木淳弥
鈴木れい子
黒沢ともよ
悠木碧
長谷川育美
千本木彩花
長縄まりあ
原作細田守
脚本細田守
音楽岩崎太整(音楽/音楽監督)
作詞荒木とよひさ「心の瞳」
中村佳穂「歌よ」/「心のそばに」/「はなればなれの君へ」
細田守「心のそばに」/「はなればなれの君へ」
岩崎太整「はなればなれの君へ」
作曲三木たかし「心の瞳」
岩崎太整「心のそばに」/「はなればなれの君へ」
編曲岩崎太整「心のそばに」/「はなればなれの君へ」
主題歌中村佳穂millennium parade & Belle「U」(Vocal:Belle)
挿入曲森山良子「いざ、リラを奏でて歌わん」
清水ミチコ「いざ、リラを奏でて歌わん」
坂本冬美「いざ、リラを奏でて歌わん」
岩崎良美「いざ、リラを奏でて歌わん」
中村佳穂「いざ、リラを奏でて歌わん」/「歌よ」/「心のそばに」/「はなればなれの君へ」
製作スタジオ地図(製作幹事 スタジオ地図有限責任事業組合(LLP))(共同事業体)
日本テレビ(製作幹事/共同事業体)
KADOKAWA(共同事業体)
東宝(プロモーションパートナーズ)
読売テレビ(プロモーションパートナーズ)
電通(プロモーションパートナーズ)
博報堂DYメディアパートナーズ(プロモーションパートナーズ)
読売新聞社(プロモーションパートナーズ)
企画スタジオ地図
制作スタジオ地図
配給東宝
作画山下高明(〈U〉作画監督/CG作画監督)
青山浩行(作画監督/現実世界キャラクターデザイン)
美術上條安里(美術設定)
コミックス・ウェーブ・フィルム(背景)
衣装伊賀大介
編集西山茂
その他講談社(響影協力)
市川南〔製作〕(スペシャルサンクス)
奥田誠治(スペシャルサンクス)
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10.終幕後、何とも言えない神妙な面持ちを作らずにはいられなかった。
駄作だとは思わないし、エンターテイメントとしての複合的な意味合いでの華やかさと、エモーションを持つアニメーションだったとは思う。
だが、同時に、アニメ映画として誠実な傑作かと言うと、そうではないなと思う。
非常にアンバランスで、その不安定さが、とても下卑たものに見える瞬間も少なくはなかった。

主人公のアバター名が「ベル」であることをはじめ、ディズニー映画「美女と野獣」へのオマージュが多い映画だなとは序盤から感じたが、ストーリー展開を追うにつれその要素が大きくなり、オマージュというよりも、新しい解釈と新しいアニメーション表現を携えた“細田守版リメイク”、いうなれば「新世紀 美女と野獣」という趣向が強かったと思う。

圧倒的なビジュアルと音楽の融合によるイマジネーションの渦のようなアニメーション表現は圧倒的であり、独創性に溢れていた。
だが、あまりにも「美女と野獣」要素が強く、その独創性がイコール“オリジナリティ”の創出だったかと言われると、個人的には少々疑問が残った。

そういった超有名作との類似性も含めて、ストーリーそのものにおける“新しさ”はほぼ皆無だったのではないかと思える。
女子高生の主人公が抱える喪失と痛み、出会いと再生のプロセスは、極めてオーソドックスだったと言えよう。
そして、それを描いた現実世界の描写は、インターネット上の仮想世界の華やかさに対して、きっぱりと「地味」だった。

だがしかし、その「地味」な現実世界の描写こそが、このアニメ映画においては白眉のポイントだったとも思える。
少女の抱える傷心と、普遍的な心の機微が、高知県の田舎を舞台にしたアニメーションの中で、繊細にきっちりと描かれていた。
むしろ、それに対して派手で、壮大で、イマジネーションに溢れているはずの仮想世界の描写の方が、何だか既視感を覚え、面白みを感じづらかったと言える。
そういう意味では、田舎に住む女子高生の、地味でノスタルジックで瑞々しい現実世界の生活描写をもっと長く丁寧に描き出していてくれたなら、今作に対する印象はもっと変わったと思う。


そして、この映画における最大の“難点”は、やはり、最終的な決着の付け方だろう。
「児童虐待」という非常に重く切実な現実社会の闇を取り上げているにも関わらず、ストーリーの帰着があまりにも浅く、おざなりだったのではないか。
主人公のまるで合理的でない無鉄砲な自己犠牲的行動にも納得がいかないし、周囲の「大人」とされる人たちの存在の空虚さと無責任さにも不快感を覚えた。
実際に、同じような環境下、もしくはもっと劣悪な状況の中で虐待を受けてしまっている子どもたちは世界中に存在するわけで、それを主人公の“ファンタジー”的な言動であたかも解決したように見せてしまうことは、配慮に欠けるし、不誠実に見えて仕方がなかった。
もちろん、そういう題材を扱っている以上、製作者側にそんな適当な気持ちは無かったのだろうけれど、やはり誤解を生じてしまう描き方であったことは否めないし、根本的な作劇の軽薄さが露呈しまっていると思う。


前述している通り、大部分においてエモーショナルな映画ではあった。
インターネットの仮想世界におけるイマジネーションも、現実社会の風景を描いたノスタルジックも、秀逸なアニメーションで描き出すに相応しいものだった。
しかし、細田守という、いまやこの国を代表するアニメーション監督の作品である以上、主題となるストーリーの不誠実さや軽薄さは致命的であり、看過できるものではない。
商業的に巨大になってしまったブランドは、往々にして誠実な視点を見失いがちだ。細田守監督には、今一度、クリエイターとしてのエゴイズムを突き詰めて、唯一無二の作品作りに挑んでほしいなと思う。 鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 5点(2021-07-17 18:29:52)(良:2票)

9.《ネタバレ》 仮想空間と田舎を対比させているのは「サマーウォーズ」の系列作に見える。仮想空間には警察がいないそうだが、どうせ運営側が直接統制をかけるだろうがと思えばそういうことでもなく、これはいわゆるweb3.0か何かで誰にも支配されない世界が実現しているという設定か。50億の集合意識で本当に価値あるものが自ずと見出されていくという都合のいい展開は、監督が基本的なところでインターネット空間の発展に期待を寄せているという意味かも知れない。
また本物の顔を見せてこそ信頼が生まれるという考え方はわからなくはない。本人似のアバターを提案する方式も人格的なつながりを持たせる意図のようで、またSNSと紐づけ可能という設定からも、完全に別人格になれるメタバースというよりは実名登録で写真付きというフェイスブックの原点を忘れるなというようでもある。「新しい人生を始めよう」という言葉は、新たに見出された可能性を仮想空間内で完結させず、現実世界に持ち帰った上で新しい人生を自分で作っていけという意味かと思った。仮想空間の映像表現を売りにしながらも、「サマーウォーズ」と同様に現実世界とのつながりを意識していたようではある。

ところで素人が水難救助をしようとすると、結果として助けようとした方が亡くなってしまうことが現実に多い気がする。そういう時は無理せず公的機関に通報する一方、自分は安全な場所から助ける努力をするのが適切だろうが、しかしそれでも主人公の母が自分で助けに行ったのは、理性的判断というよりそうせずに済ませられない性のようなものがあったのか。まさにその点を主人公が受け継いだのだとすれば、そういう理屈抜きの衝動にそのまま共感できるかどうかがこの映画の評価を分けるかも知れない。主人公の方は今回たまたまいい結果を出せたということらしい。
全体的にみて、作り手側の思い優先で現実性度外視のところが多いのは作家性の強さと取るべきか。またそれとは別に、映像で観客の感情を動かす力を持った映画だとは思った。点数は作中の"半分が批判、半分が評価"というのを一人分の数字に反映させておく。

なお今回は少女の大泣きは控え目だった。主人公は「こんなに普通の子だったなんて」と言われていたが、普通未満と思われなくてよかったともいえる。仮想空間はとても人とは思えない連中だらけで、主人公がちゃんと歌姫の姿をしていたのはかえって特異なようでもあった。 かっぱ堰さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-02-25 09:16:26)(良:1票)

8.《ネタバレ》 世界中のほとんどの人が利用しているというネット上の仮想現実空間「U(ユー)」。そこである日、その唯一無二の歌声で新世代の歌姫として人気を博してしまった平凡な女子高生すずの恋と冒険を独創的な映像で描いたアニメーション。監督は、昔から僕とはどうにも相性の良くない細田守。と言う訳で、自分は全然観る気はなかったのですが、何故か海外でそこそこ評判がいいのと今回地上波でノーカット放送されると言うことで、「まぁただで観れるならいいか」と今回鑑賞。ただで観ておいてこんなこと言うのもなんですが、正直さっぱり面白くなかったです。映像はとてもシャープでポップで充分に洗練されていて劇中歌もそこそこ耳に残るし、このきれいな映像に引っ張られて最後まで観ましたが、肝心の脚本の方はかなり独りよがりでつまらない。監督の頭の中だけで成立しているのだろうストーリーがひたすら強引に展開してゆくので、観客は最後まで置いてけぼりを喰らったような感じになります。主人公のお母さんが亡くなるシーンも具体的な状況が全く分からないので説得力が欠片も感じられない(子供が溺れてるのに、周りの大人たちがボーッと見てるだけってさすがに不自然すぎるでしょ!)。伏線もなにもあったもんじゃない竜の正体なんて、「は、なにそれ?」ってもはや頭ポカーン状態。あと、好きな男の子に見つめられて顔が真っ赤になる女の子という、昭和のおっさんが妄想しそうなステレオタイプな女子高生とか見ていて痛々しいので止めていただきたい。まあ映像と音楽はそこそこ良かったのでギリ5点。 かたゆきさん [地上波(邦画)] 5点(2022-10-03 05:36:48)(良:1票)

7.《ネタバレ》 細田守監督が「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」、「サマーウォーズ」に続いて手掛けたネットをテーマにした映画で、登場する仮想空間である〈U〉は「サマーウォーズ」のオズに比べてより現実的であり、悪意あるネット上の書き込みにもリアリティがあるなど、先の2本とは対照的な印象を受けるのだが、なんか見ていてこの20年で細田監督のネットに対する考え方が変わってしまったのかなと思えてきて、そこは少々残念に思う。本作は現実世界では過去のトラウマから暗く、父との関係もうまくいっていない主人公であるすずが〈U〉の世界で歌姫になるという設定だが、歌うシーン自体はすずの声優をつとめるのが歌手ということもあってとても素晴らしかったものの、物語上ですずが実は〈U〉の世界でトップクラスの人気を誇るまでになるほど上手かったというのはイマイチ説得力に欠け、はっきり言って細田監督が演者の歌唱力に頼っているようにしか見えない。竜が出てきてからは「美女と野獣」っぽいなと思っていたら、そもそも本作のコンセプトが仮想空間を舞台にした「美女と野獣」だったとのことでちょっと納得するも、どこかで見覚えのあるような城のダンスホールでベルと竜が踊るシーンがあまりにもそのままとかの部分はさすがに気になり、「美女と野獣」好きなのは分かるけど、もう少し控えめにやってほしかった。(主人公の名前がすずで、〈U〉での主人公のアバターの名前がベルというのもそうと分かればあまりにも安直に感じる。)すずのしのぶくんに対する恋心や、恵の父親による我が子への児童虐待も描かれているが、それを描いたことでちょっと話が散漫になってしまった印象は拭えず、詰め込み過ぎた感じがしたし、必要とは分かるのだが、すずが〈U〉の世界で素顔を晒して歌うシーンでクライマックスを迎えてしまい、その後にすずが東京に行く件がちょっと蛇足に感じられた。ところで、すずの母親の声は島本須美が演じているが、だったら父親の声は役所広司ではなく、糸井重里でも良かったのではと見終わって思ってしまった。 イニシャルKさん [DVD(邦画)] 5点(2024-01-28 18:13:18)

6.《ネタバレ》 主人公の情緒不安定さについていけない。竜の正体唐突すぎ。おじさんの私にとっては高校生の恋愛メインのストーリはちょっときつい。前半のストーリーは「美女と野獣」にしか思えない。歌は他のレビューほどひどくはないが肝心の歌詞が聴きにくい。
結果ストーリーなんてなかった気がする。 木村一号さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-11-04 22:52:36)

5.よく言えば現代的なテーマを扱ったマジメな作品。悪く言えば、ありきたりで意外性もなく盛り上がりに欠ける説教クサイ作品。高知の高校生が方言を全く話さない点に違和感。そもそもメタバースの世界を映像化するってどうなんだろうか。現時点ではメタバースが技術的に未熟なのでアニメによる映画化が商業的に成立するのかもしれないが、そのうちホンモノ世界には勝てなくなって映像表現にも限界がくるというか意味が無くなるように思えるが。となると、やはり「物語」で勝負するしかなくなるのではないか。 東京50km圏道路地図さん [地上波(邦画)] 5点(2022-09-29 00:19:46)

4.《ネタバレ》 メインの歌が素晴らしいが故に危うく誤魔化されるところだった。

『サマーウォーズ』が2000年代のネット社会を総括した作品なら、
本作は2010年代のネット社会を総括した作品だけど焼き直し感は否めず。

なぜリアルで歌が歌えないのか、"U"世界の竜に惹かれるのかが説明不足で、
リアル恋愛事情、ネット自警団、ドメスティックバイオレンスといろんな要素を詰め込みすぎて、
それぞれが上手く機能していない、場面重視の細田守ならではの悪癖が際立つ結果に。
"U"に登録してすぐに注目の歌姫なんて出来すぎで、ここでストーリーが破綻しているというか。
虐待受けているのに簡単にネット環境使えるとか、すず一人で東京に行かせるのもありえない。
力技で無理矢理世界観に引き込むので余計タチが悪い。
誰も脚本について異論を挟めない状態なのかな…
奥寺佐渡子カムバックとしか言いようがない。

前作の『未来のミライ』に比べれば、スタジオ地図は本作で何とか首の皮一枚でつながった状態だ。
次回作も地上波で待つ形になるでしょう。 Cinecdockeさん [地上波(邦画)] 5点(2022-09-24 00:17:30)

3.《ネタバレ》 世界観7、テーマ4、キャラクター7、作画8、脚本4って感じ。
サマーウォーズにあったなんとなく楽しい空間ってのがあまりなくて、なんだか鬱蒼とした仮想空間。
まあそれもそれでいいですが、恋愛パートもなんだかマンネリの立ち居振る舞いで、映画の爽快感ナシ。
少し残念な印象の続く細田作品、期待はしてるんだけどね。
突き抜けてほしいな。 ろにまささん [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-06-21 06:17:50)

2.一言で言えば、「時かけ」+「サマーウォーズ」÷2 + 今時の世相 + 50のおっさんが考える ‟青い春”..相変わらず リアリティーのない 雰囲気だけで塗り固めた ツッコミどころ満載の物語..そして オチが なんとも陳腐..ただ、前作「未来のミライ」よりは かなり高評価..だって 物語の体は成しているからね..最後に 主人公の名前が ‟すず” って..ロングランヒットの あのアニメと かぶってるよ? 気にならないのかぁ??(細田って鈍感?) コナンが一番さん [DVD(邦画)] 5点(2022-06-19 11:12:33)

1.《ネタバレ》 うーん、ちょっとダークな感じでした。結末も、もうひとつすっきりしないですね。次回作は、もっと楽しい冒険活劇を期待したいです。 よしふみさん [映画館(邦画)] 5点(2021-08-08 22:59:10)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 53人
平均点数 5.30点
000.00% line
100.00% line
247.55% line
3713.21% line
4611.32% line
51018.87% line
61120.75% line
71018.87% line
847.55% line
900.00% line
1011.89% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.80点 Review5人
2 ストーリー評価 5.42点 Review7人
3 鑑賞後の後味 6.14点 Review7人
4 音楽評価 7.66点 Review6人
5 感泣評価 6.00点 Review4人

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