みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(5点検索)】
2.鹿島臨海工業地帯開発のオハナシ。大規模な工事のシーンや、台風のシーンなど、巨大プロジェクトをテーマにしたスペクタクルを狙っている、らしいのですが、ちょっとネタ的に厳しいか。 開発そのものよりも、その前の用地買収等が中心に描かれて、土地を売るやら売らぬやら、この後ギャオスでも出てくりゃ盛り上がるのですがそうもいかず、スペクタクル感は乏しい印象。というよりこの映画、むしろそういう、苦労した甲斐があったよねバンザイ的な展開ではなく、もう少し皮肉を利かせた作品になっています。工事の前に立ちふさがるのは、自然の猛威よりはむしろ、人間たちの思惑。言ってみりゃ、正解が無い。さんざん苦労した挙句、石原裕次郎演じる主人公には、虚しさ、徒労感だけが残ってしまう。オレは何のために苦労をして、一体何を作ってしまったのか、と。ちょっと、一筋縄ではいかない物語となっています。 それはいいんですが、そもそもこの主人公、最初は何でこんなにこの開発に入れ込んでいるのか、というのが、イマイチ伝わってきません。冒頭、ここは昔からずっと人々が苦しんできた土地なんだよ、ということが渡哲也によって示されるけれど、現代の石原裕次郎は江戸時代の渡哲也の生まれ変わりだというのならまだしも、そうでないのなら(たぶん、そうではないのだと思う)、結局これ、「石原裕次郎は熱い男だから、彼の演じる主人公も熱い男なのである」と言ってるだけのような。で、その男がラストになって急に投げやりな事を言い出すと、申し訳ないけれど、この人、すぐに変節するテキトーなヤツだなあ、としか思えず。。。 それも含めての裕次郎の魅力でしょ、と言われりゃ、ま、そんな気もいたします。 いずれにしても、一風変わったアプローチの作品、ではあります。 映画の中に何度か、夕陽のシーンが登場して、夕陽を描く映画にきっとハズレは無いでしょ、と思っていたのですが、この夕陽のシーンがこれまたどういう訳か、もう一つグッと迫るものが無くって。こういう辺りも、ちょっとこの映画の描き方が皮相的に感じられてしまうところ、でもあります。 音楽は、武満徹。やっぱり何か、普通の映画音楽とは響きが違いますね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2025-02-24 19:09:58) 1.《ネタバレ》 石原裕次郎作品が一挙にレンタル可能になったので順次見ているのですが、本作はその中でも一番地味な内容でした。なんというか、全体的にどっちつかずな、奥歯にものが挟まったような、煮え切らない感じなんです。他の作品は、日本の高度成長期を切り開いた、男達の熱き思いと努力の物語、みたいな感じで楽しく見れるのですが、どうもこの作品は「文明批判」みたいなものが根底にあって、それが本作の煮え切らない感じに繋がってるんだと思うんです。わざわざ、江戸時代の治水対策のところから話が始まり、そこからさらに現代の貧しい農民達のために土地を開発するという話になるんですが、それ自体が公害だの、私利私欲だの、スカッとしない展開になっていく。勿論時代的にそういうメッセージの有る作品にしてもかまわないのですが、どうもこの作品はその立ち位置がいまいちしっかりとせず、悩ましい感じで終わってる。自分としては、スーツ姿でブツブツと思い悩む裕次郎よりも、やり遂げた顔を見せる裕次郎のほうが好き。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-06-14 23:36:32)
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