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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(5点検索)】
3.《ネタバレ》 狭い地元コミュニティーの閉そく感や、痴呆老人の介護に苦しむ家庭といった重荷を、通奏低音として描きつつ、女子高生の暴力や、度を越えた落書き、自由な快楽としての性交渉を開放的な不協和音として不気味に響く。 気楽でありながら、常に現実の不潔さを意識させる手法は、素人のようなカメラワークにもにじみ出ており、見るものを不快にさせる。 ステンシルの行方不明者でもある春子は、殺されたわけでもなく、暴力の被害者になったわけでもなく、自分から「優雅な生活」を求めて、自分のこれまでの生活を捨てて行方をくらまし、旅立った。 では、その旅立ちで優雅な生活は得られたのか、という疑問には、最後に赤ちゃんを笑顔で抱いている姿は「得られた」と言っているようにも思える。そこには父親は存在しないが、この映画ではオヤジも警察官もアニメのマフィアも、男は皆、成敗される存在である。 男性としての私は正直楽しめなかったが、女性視点からは違った感想が得られるだろう。 いろいろ考えさせられた意味で、点数は甘目につけたい。 ちなみに、「バニー・レークは行方不明」とは全く関係なさそうだった。 【チェブ大王】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-05-30 00:16:02) 2.《ネタバレ》 やりたいことは、なんとなくわかる。「ダメ女」女優として名人の域に達してきた蒼井優の姿を眺めているだけでも楽しい。地方都市の閉塞感、そこにどっぷりと浸かって腐っている男たち、そこで女として生きることの苦痛、そこからの解放・・・なのかな。ただ、映画としての技法が追いついていない。ぶれすぎるカメラも切り刻んだ時間軸も「アート映画風」なだけで、ぜんぜん効果的ではない。主題として描かれる男性世界としての地方都市のイメージも、なんか一面的で深みがまるでない。気持ち悪い社長みたいな人は実在するんだろうけど、その戯画化がベタすぎてつまらない。その世界に一矢報いているのが、女子高生ギャング・・・だなんて、その発想はまるで90年代に一世を風靡したブルセラ社会学者(死語)のようだ。行方不明の真相もベタ過ぎる。そう考えると、作法も内容も全体がひたすら痛い。この痛さは、まるで、いっときバンクシー風の「アーティスト」気取りで盛り上がってしまった登場人物たちのようだ。その点が面白く、なんだか嫌いになれない。この映画の監督が、この映画自体をそういうメタなセルフパロディとして作っていたのなら、それは凄いことだけれど、たぶん違うんだと思う。 【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 5点(2020-07-09 09:00:49) 1.《ネタバレ》 東京国際映画祭で鑑賞。 オヤジ狩りの女子高生達は、あれ、つまり『2001年宇宙の旅』のモノリスみたいなモンですね。 描いているのは今の時代を生きる若い人達、映像表現はとんがった映画なのですが、なんだか随分古い感覚を受けてしまって、まるで70年代の青春映画みたいで、それは描いている事が普遍性を持ったものだから、だけでは説明できないような気がします。 実は結構芯が脆い映画なように思います。皮を剥いてゆくと意外と殆ど何もないような感じで、時系列バラバラなのもそれを少しでも隠すためのようで。それは映画の内容に符号してはいるのですが。 フェミニズムに寄っているように見えながら、単に男女の差異を描いているようで、そこに更に双方に対する差別的な意識が感じられてしまうのは、それこそがリアルなのかもしれませんが、でもその捉え方が昔からあるものだから、だから古い感じを受けるんですね。郊外の若者の暮らしぶりの描き方も含めて、リアリティという名の差別意識が働いてしまっているように見えてしまって、実はこれかなり救いのないネガティヴ志向な映画なんじゃない?って。登場人物全員馬鹿にしか見えない作りになってますし。 蒼井優は最近『オーバーフェンス』といいこれといい、ちょっと壊れ気味な役が多くなっていますが、それでいいのかなぁ? キャラの抱くジレンマがそのまま映画の抱えたジレンマに直結しちゃてるようで、勢いの良さは虚勢を張っただけな芯の脆い映画という印象でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 5点(2016-10-31 23:43:56)
【点数情報】
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