みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
5.《ネタバレ》 【現代の楽園】というタイトルが一層皮肉を強める。自爆テロリストが如何に誕生するかの一例を淡々と追っているが、殉教ビデオ撮影中に軽食中の男が素通りするブラックな演出が、殉教における高尚さとは皆無の、居心地の悪さをより身近に感じさせる。自爆テロに積極的・消極的な二人の兄弟の立場が逆転していく過程が印象的。空爆を除けば、彼らもごく普通に暮らしている人々に過ぎないのだろう。どちらかが滅ぶまで殺し合いは永遠に続き、それを大義として利用している権力者がのさばる不条理。民族と宗教が歴史レベルで雁字搦めになっては第三者が論じる資格すらない。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-02-15 18:38:35) 4.パレスティナ問題を日本の感覚で捉えるのは困難ことだけど、自爆テロも辞さない強い信念の一端をかいま見ることができた。何とか平和になってほしいと願望するが・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-03-22 19:31:28) 3.パレスチナの自爆テロのニュースを見るたびに、なぜなぜと思い続けていたが、この映画を観て少し分かったが気がした。あくまでも分かった気がするだけで実際は違うのかもしれないが、実行犯の彼らの気持ちに共感できた。 あっさりと自爆テロに協力しようとする彼らの気持ちが理解できないという意見もあるが、私は比較的すんなり理解できた。彼らはあらゆる未来を閉ざされている。特にサイードは物事を考える能力に恵まれているのに、大学などは夢物語で自動車の修理工しか職が無い。イスラエルに膝を屈して就労ビザを取ってもたいした職につけないのは目に見えている。自分の能力を生かせないのは本当につらいことだ。「やってられない」という思いが強いだろう。まして、彼は父親がイスラエルに対する協力者とみなされ処刑されている。汚辱を晴らすためにも実行犯に応募するのは無理が無い。 インテリ役の女性(スーハ)を登場させたのも効果的だった。イスラエルによる占領という軍事的暴力に自爆テロという暴力で対応することの不毛を説く彼女の主張は分からないでもないが、対立の現場であるヨルダン川西岸地区(ナブルス)で生まれ育ってきたサイードたちには通じないのは自明のことだ。いわゆる「暴力の連鎖」。その哀しさを盛り込むことで、ストーリーはぐっと深みを増した。 実際にテロを実行するに当たって、ハーレドやサイードの心の動きの過程が分かりにくいのが難点だが、作られた価値は十分にある。もっとこういう映画が日本にも入ってきて欲しいと思う。DVD特典映像の監督インタビューも一見の価値あり。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-09-26 00:42:55) 2.《ネタバレ》 意気揚々と自爆テロに向かう兄と寡黙な弟の対比が印象的です。最終的には兄はテロが根本的な解決にならないことに気づき弟を呼び戻そうとするのですが、弟は無意味とわかりながらもテロに向かうことをやめることができません。当番として回ってきた自爆テロ参加の命令に逆らわずただ運命に従順な弟の姿は、彼らを指導する立場の人間=権力を行使する側の不気味さを際立たせます。鑑賞後、実にやるせない気持ちにさせられる作品でした。 【さめがい】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-03-14 21:12:50) 1.《ネタバレ》 百人いれば百通りの正義があり、その人の身にならなければその正義が間違っているとは安易にいえる事ではない。ただ彼らの肉親、母親は心の底では今日も息子の帰りを待っていた。それだけは、はっきりと言えるような気がしました。そして自分の中の正義を貫き通したサイードでさえ坊主になったとたんに表情をなくしたように見え、ハーレドと二人でいた時が一番幸せそうに見えたのは気のせいでしょうか。今の日本で生きていて、ましてや神への信仰心のうすい自分には想像も理解も出来ない状況の話でしたが現在の世界情勢の一端を漠然と知れたというだけでも意味がある事でした。普段テレビで報道されているニュースの奥側を少しだけ見れたような気がしました。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-04-01 20:26:35)
【点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS