みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
6.《ネタバレ》 このところTwitterで読んで意識してきたこと。ひとつは、実社会は暴力が支配しているということ。もうひとつ、正しさは暴力の免罪符ではないということ。この映画を観ながらそのことを考えてました。レイプは暴力、さらに焼き殺してる。捜査が進まないことに対し名指しで看板を立てるのも、法律ギリギリを狙った暴力でしょう。署長が膵臓がんであることをわかってやってるなら尚更だ。紳士的で人格者なウィロビーの拳銃自殺は、それを周囲に見せつけることまで考えればまわりにとって暴力だ。ディクソンは幼稚で粗暴、コントロールできてない乱暴者。家を出て19歳と一緒になっちゃう元DV夫も乱暴だし、嫁の看板に放火するのは暴力。誤解とはいえ看板燃やされた腹いせに警察署に火炎瓶はないな。暴力が暴力を産む中、広告屋レッドのオレンジジュースで連鎖は止まる。ウィロビーの遺言もあってか、生まれ変わったようなディクソンは、もしかしたらいい警官になれたかもしれない。でも世の中そんなに甘くない。 暴力に対してただ単に無抵抗でいることは、消極的にとはいえそれを肯定することだ。だから泣き寝入りは論外。でも、変えられない状況を打開し抗議を示す行動は時として暴力となる。それは問題解決の手段としてベストじゃない。セカンドワーストかもしれない。暴力を重ねる愚かしさを許し合い、支え合って前に進む。 ラストでアイダホにドライブする2人は、どこかモヤモヤしたまま最後には思いとどまるのか。なんかそんな気がする。スッキリしないけどね。勧善懲悪のアクション映画よかこっちの方が現実的で余韻がある。 【ごりちんです】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-04-15 14:53:40)(良:3票) 5.《ネタバレ》 一つのレイプ殺人をトリガーにして、とどまることを知らない不幸の連鎖。全く先が読めないという展開も含めて、コーエン兄弟の映画を彷彿させます。そして、「ファーゴ」以来、久しぶりに存在感のある (ありすぎる笑) フランシス・マクドーマンドでした。 本作の「ビルボード」は、コミュニケーション不全の社会のメタファーと思います。一方通行で煽るのではなく、初めからミルドレッドと署長が対話をしていれば、ディクソンとレッドが対話をしていれば、レイプ殺人一つだけで不幸は済んだ話。そもそも、母と娘が口論ではなく対話をしていれば、娘が暗い夜道を一人歩いて街に向かう愚行も回避できたかもしれない。怒りや憎しみは何も生まない、というよりは "対話" (コミュニケーション) 不足が生んだ悲劇のお話と思う。 また本作の広告用ビルボードの使い方は、匿名で個人に向けてメッセージを発信する、といった共通点から、ネットの投稿や掲示板を思い出します。時に相手 (個人) を一方的に誹謗中傷しているのに、書いた本人に罪の意識がない、という点もよく似ています。本作のテーマは決してネット社会の風刺ではありませんが、裏テーマとして含みがあるように少なからず感じました。 観応えはありますが、救いがない、着地点がもやっとしている、ミルドレッドやディクソンの行為に全く共感できない、以上からこの点数です。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-02-05 17:06:56)(良:2票) 4.高評を目にし 鑑賞..冒頭から、ん?って思ってしまう 独特な雰囲気と演出..それは物語が進んでも変わらず、設定 バックボーンに至っては、作家が作った感がプンプン臭ってきて とても鼻につく..そして違和感が..ストーリーにリアリティーが無く 微妙に勘違いしている作品..ラストも難しく創りすぎ..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-09-13 12:56:44) 3.《ネタバレ》 3枚の看板という設定に溺れることなく、そこからストーリーは次々に意外な展開を見せる。役者陣の演技も堅実。元夫のアホ彼女が登場人物中唯一本質を突いていた(しかも別に何も意識せずに)とか、妙に面白いところもある。と、良いところはいろいろ目につくのですが、それでも何か食い足りないのは、脚本の計算ずくぶりが前に出すぎていて、物語としての躍動がないというか、アンダー・コントロール感が漂っているからなのです。贅沢? 【Olias】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-08-23 01:22:34) 2.《ネタバレ》 「怒りは怒りを来す」。そこからどう抜け出すかが本作のテーマだろう。三枚の看板から始まった波紋から、事なかれで終わそうとする警察とそれでも闘い続ける遺族の母親。善と悪の二元論では決まらない、灰色の人たちの鬱屈は多くの人たちを傷つけていく。だが、そこまでいかなければ腹を割って向き合うことができなかった。対立するミルドレッドもディクソンも言動が極端で感情移入すら許さない。しかし、署長の手紙とぶつかっていく過程で少しずつ穏やかになっていくのは印象的だった。愚かで弱くてどこか愛おしい。完璧な人間なんていない。どこかで答えを見つけなければならない。そこらへんがリアルだとは思うが、そういうモヤモヤを求めたくない、痛快な娯楽大作みたいに白黒つけた明確な落とし所を求める人には向かないだろう。二人の行く末は明るくないが、最初の二人とは明らかに違っていて、決して暗くないはずだ。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-08-12 13:08:15) 1.《ネタバレ》 やりきれない人々の怒りの矛先は鋭くなる ミルドレッドはおかしい。でも同情せざる得ない。街の反応も同感できる。署長は良い人だ。(でも自殺するのは間違ってる)、でもミルドレッドの悲しみから生まれた怒りは三枚の真っ赤な看板となり、署長が自殺してしまった事で事態はさらに混乱を極め更なる怒りへと伝染する。 友人の逮捕、広告屋への暴行、警察署への放火、看板への放火。 やりきれない思いとやり場のない怒りは時が進むにつれ矛先は鋭くなり、最終的にレイプ犯「かもしれない」男へと向かう。 沸点の低い連中が多いこの町で起こった騒動の終幕はそんな殺人へと向かう彼らを見送って終わる。時に恐ろしく、時にユーモラスに見える彼らの先が見えない犯人探しは進めば進むほどグイグイ引き込まれる逸品でした。 【えすえふ】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-03-09 23:09:21)
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