みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
8.まず脚本が弱い。べつの脚本家を立てるべきだったと思います。物語として何を伝えようとしているのかが最後まで見えませんでした。 映像は非常に美しいですが、映像そのものが何かを語れていたかといえば、かなり疑問です。「生活者の音楽」とか「世界が鳴っている」とか「世界が祝福している」といったことが、セリフとして語られることはあっても、映像じたいによって説得的に表現されることはありませんでした。「生活者」にかんしていえば、映像的には、松坂桃李よりも、むしろ眞島秀和のほうがはるかに「生活者」を感じさせました。 ムーンメドレーを連弾したときに、二人がどのような「月」のイマジネーションを飛翔させたのか。それも映像で語られることはありません。ただ二人の手と表情が映されただけです。「春と修羅」を演奏するときに、それぞれのピアニストは何を表現しようと試みたのか。それも映像としては何ひとつ語られません。やはり演者の手と表情が映されただけです。そもそも宮沢賢治の「春と修羅」の世界は何ひとつ映像化されていません。プロコフィエフやバルトークの協奏曲の演奏場面でも、描かれるのは演奏者の表情と聴衆の反応ばかりで、そもそも作曲家と演奏者が何を描こうとしたかはまったく見えてきません。 これでは「音楽を映画にした」とは言えないと思います。この映画自体が「世界が鳴っている」ことを十分に体現できていない。 音楽映画としての意義は、いかに「いい音楽を聴かせたかどうか」ではなく、いかに「映像で音楽を見せたかどうか」に求められるはずです。いい音楽を聴かせるだけなら、プロの奏者に演奏させれば済むことです。音楽映画であるためには、音楽がイメージとして観客に共有されなければなりません。演奏場面で手と表情を映すだけなら、普通のコンサート映像と同じです。顔だけ俳優に置き換えたにすぎません。 それぞれのピアニストが、どんな困難を、どのようにして乗り越えたのかも、映画を見ただけではほとんど理解できません。「蜜蜂」と「遠雷」が作品の表題である必然性も、映画を見ただけでは何も伝わりませんでした。「雨と馬」に至っては、まったくもって意味不明でした。これでは、たんに原作を読んだ人のためのイメージダイジェストでしかありません。映画を見ただけで「蜜蜂」が“天賦(ギフト)”を意味すると理解できる人は皆無でしょう。まして、スローモーションの「雨と馬」が、原体験としての“ギャロップのリズム”だと理解するのは絶対に不可能です。「雨と馬」のもったいぶった映像を流す暇があったら、「蜜蜂」と「遠雷」の意味の対比をもっと明確に示すべきだったでしょう。 扱き下ろすほどひどい作品ではありませんが、ポーランドの映画大学に学んだエリートの作品と期待しただけに、長いミュージックビデオのような内容には肩透かしを喰らいました。 【まいか】さん [映画館(邦画)] 6点(2019-10-30 19:59:20)(良:2票) 7.《ネタバレ》 コンクール会場内の描写以外をほぼ全面的に排除したストイックな姿勢が、そのままコンクールに立ち向かうピアニスト達の視点と重なり、作品に一本の筋を通している。私生活的な部分のあれこれみたいなのが極力最小限なのがいい。また、全体的に台詞が少ない中に(少ないからこそ)、各役者の役作りもなかなか頑張っていると思う(斉藤由貴のみ、ステレオタイプな人格設定でちょっと浮いているが)。結局は音楽頼みなのではないかなどと斜めに見てしまう要素はありながらも、それを押し戻すほどの作品としてのパワーがある。ただし、心象風景描写や回想インサートの入れ方がちょっと雑なのは気になりました。あと、ラストの順位発表なんてものがなければ、もっと良かったと思います。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-11-08 02:44:07) 6.《ネタバレ》 原作未読のせいか、よく意味のわからないシーンがありましたが、良作だと思います。一次予選で落ちた女性で感じの悪い人が一人いた以外は、コンテスタントがお互いを認め合い、助け合い、高めあっていき、成長していくのが印象的でした。 私はこの映画のことを全然知りませんでしたが、テレビドラマの「ドラゴン桜」で鈴鹿央士くんの演技があまりにすばらしく、鈴鹿くんの過去作を探して、ここにたどり着きました、鈴鹿くん、エンドロールで(新人)と書かれるくらい無名の俳優さんだったようですが、この作品もすばらしかったです。彼の今後に期待しています。投稿時点で、この作品のキャストに鈴鹿くんが載っていないので、ぜひ掲載してください。 【チョコレクター】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-07-09 18:52:20) 5.《ネタバレ》 1600本メモリアルレビュー。ピアノに人生を捧げた若者たちのスポコン。熟練ピアニストたちの競演。静かで熱い戦いだけど、人物の個性がちょっと弱いかな。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-11-01 05:43:34) 4.《ネタバレ》 邦画には珍しい映像主義的映画で少し驚いた。原作は未読だけど二段組みの分厚い小説だったと思うので、映画化に際してかなりの情報をそぎ落としたのだろう。 映像で語ることに徹底しており、登場人物を深彫りし具体的には描いていないため、結局どういう人物だったのか分かりづらく、クライマックスである最終審査でもそこまでのカタルシスは得られなかったが、感情や考えをベラベラじゃべったり、モノローグや説明台詞満載で映像にも凝っていない平凡な作品よりはマシ。今後も注目の監督さんだと思った。 鈴鹿央士は新人とは思えない演技っぷり。そしてやっぱり松岡茉優は良いぞ。無理だと思うけど、「アマデウス」みたいに役者が実際に鍵盤叩いてたら、海外に出しても恥ずかしくない映画になっていただろうなぁ。 ピアノ演奏のイメージ映像として、「ヱヴァQ」と同様馬が用いられていたけど、何か元ネタがあるのか? 連続ドラマで観てみたいな~。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-10-11 20:26:09) 3.《ネタバレ》 原作は未読ではあるが、作者とテーマから想像するに、重厚で読み応えがある一方で物語の世界観に引き込まれるのは想像に難くない。音の映像化に挑んだ作品ではあるが、実際に演奏しているわけではないというのが致命的な弱点である。それでも、最後までコンクールを中心に音を映像化したのは評価できる。音楽的な感性は持ち合わせてないけど、最後の順位はちょっと納得いかない。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-11 16:33:15) 2.松岡茉優かわいい(そこかよ!) 彼女じゃなかったらたぶん観てなかった 4人のピアニストはそれぞれ敵対視するのではなく、 お互い高め合って昇華していく存在なのが面白いなと思った。 まぁでもドシロートにはピアノ(ピアニスト)のスゴさは、 伝わりにくく、共感しにくく、なんとなく雰囲気しか分からなかった。 タイトルが謎 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-09-16 22:35:05) 1.《ネタバレ》 映画化の際には、「映像化不可能と言われた…」というアオリがありました。確かに、小説で表現された主要ピアニストたちの天才性が実際の音を聞かせてしまうと、途端に陳腐になってしまうのではないかという危惧があったと思います。私は幸いというか残念というか、音楽の審美眼を持たないので、「どの演奏も良かった」程度の感想にしかなりません。音楽の良しあしを分かる方の評価を聞いてみたいです。本編のストーリーについては、原作通り、ライバルたちがお互いを刺激しあう展開はキチンとあって盛り上がりましたが、前記の理由に加え、審査員たちのリアクションがなんとも淡白で曖昧なために、順位の結果に納得できませんでした(ここも原作の通りなのですが)。特に風間塵に関して語ってほしかったです。この人物が台風の目なはずなので。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-06-06 13:52:10)
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