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2.狸御殿ものだけど、御殿が出るのはアタマの化けくらべ歌合戦のとこだけで、どちらかというと七変化道中ものがメイン。鬼ヶ峠を越えるワンシーンだけ桃太郎になったり、フランキー堺とのドラム・腹づつみ合戦では蝶の衣装になったりと、それぞれの場面に合わせて、コスプレしていく(もっとも蝶の衣装で歌ってたのは羊の歌だったが)。歌では、道中おてもやんメイクで“カラコロカラコロ…”と歌う「お祭りマンボ」調の軽快な曲がよかった(追記:あとで調べたら、米山正夫作詞・作曲「日和下駄」という歌だった。「美空ひばりゴールデンベスト」ってCDにも収録されてるぐらいだから有名なんだろう)。高田浩吉が、ひばりのヒット曲の替え歌で天の声を聞かせるって趣向もある。54年は『ゴジラ』の年で、こっちでも放射能雨が絡んでくるが、敵方のコウモリ集団が雨を避けようとコウモリ傘をあわててさす、ってギャグに使われるレベル。ひばりの相棒はポン吉の堺駿二で、ひばり相手のときはあまり弾まないが、舞台が長崎になって悪漢外人の伴淳とやりとり場になると生き生きする。やってることはほんとアチャラカなんだけど、舞台の喜劇人の呼吸が場面を活気づかせる。登場する喜劇人では敵役の有島一郎がコンスタントに良かった。でも一番笑わせてくれたのは高田浩吉の森の精で、頭に手拭いのせた粋な姿の似合う人が、ターバンみたいの巻いてマント着て出てくるの。ひばり七変化の最後は当然お姫様姿、笑って手を振る高田浩吉にこちらも円満に笑えた。有島やフランキーが出て、やたら群舞もあって、すごく東宝的なんだけど、これがなぜか松竹映画なんだな。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-10-29 12:10:53)
1.《ネタバレ》 主演に美空ひばりで時代劇風、オペラッタミュージカルコメディとこりゃまた色々贅沢な作りにはなっているけど、美空ひばりを完全に売り出すための作品てのが解ってしまって折角の面白い題材も脇を固める喜劇役者、特にあの二人、伴淳とフランキー堺の持ち味が殺されてしまっていて残念でならない。この二人の面白い俳優の面白さがほとんど見られないのがとても不満である。そんな中で後半、何と何とあのマキノ雅弘監督の「次郎長三国志」のパロディが出てきた瞬間、思わず嬉しくなってしまった。美空ひばりと堺駿二の二人が森の石松のお墓の前で座ってる場面でいきなり森の石松のあの歌が聞えてきて何だか急にまた「次郎長三国志」シリーズが見たくなってしまった。この監督、間違いなく「次郎長」ファンであることが解る。それにしても歌あり、チャンバラありの、おまけに狸世界での恋愛映画と何だか欲張り過ぎではないかと?この映画はマキノ映画ファン、特に「次郎長三国志」ファン、中でも私のように石松ファンの為にあるようなそんな感じの作品であり、勿論、美空ひばりファンの為にあるようなものでもあり、いずれにしても滅茶苦茶で欲張り過ぎたが、それなりに楽しめる作りにはなってると思います。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-12-29 17:20:46)
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【点数情報】
Review人数 |
4人 |
平均点数 |
6.50点 |
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6 | 2 | 50.00% |
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