みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
3.《ネタバレ》 見渡す限りの荒野がどこまでも続くアイスランドの高山地帯。羊の放牧を生業とするとある夫婦は、そんな過酷な地で必死に生きていた。夫婦を訪ねてくる人もほとんどおらず子供もいない彼らは、日々の重労働をたった2人でこなしている。羊の餌やり、農作物の管理、家畜の出産の補助……。ただ黙々と仕事をこなす彼らの表情はどこか悲しげで、ほとんど会話らしい会話もない。きっと過去に何か哀しい出来事があったのだろう。ある日、1匹の羊がとある特殊な〝子羊〟を産み落としたことから彼らの日常が少しずつ歪み始めてゆく……。荒れ果てた高山を舞台に、孤独な夫婦が授かったそんな異形の存在をダークにミステリアスに描き出す異色作。冒頭からこの作品を貫く独特の世界観には惹き込まれた。セリフや説明を極力排除し、過去の辛い出来事から心を閉ざしてしまった夫婦の過酷な生活をただ淡々と描いているのに、終始濃密に漂うこの不穏な空気は凄いとしか言いようがない。そして誕生する1匹の子羊――。この存在がいったいどんなものなのかを中盤まで明かさず、ただ夫婦の反応だけを描くことで何か良からぬことが起きているのだと観客に想像させるこの演出は斬新。中盤、急に登場する叔父の目線でこの異形の存在の正体が露わにされるのだが、その造形が絶妙に気持ち悪くて、なのにこの夫婦がとても愛おしそうに見つめているのが何とも嫌な感じを増幅させる。ところが物語が進むうち、この存在が少し可愛く思えてくるという、なかなか監督のセンスを感じさせるものだった。この唯一無二の独自の感性は称賛に値すると言っていい。ただ、残念ながら肝心のお話の方は自分はそんなに良いとは思えなかった。率直に述べさせてもらうと、これは世界各地の民話や伝承によくある、人ではないものを授かる夫婦のお話。それをいつか何かが起こりそうな禍々しい描写で引っ張っているだけで自分はそこまでの深みやテーマ性は感じられなかったのだ。最後のオチも安易と言わざるを得ない。フォークロアならではの寓話性や教訓をもっと掘り下げて描いてくれれば、より完成度の高い作品となっていたであろうに。惜しい。とはいえ、この重苦しい世界観や羊たちが象徴する宗教的メタファーの扱いなど、この監督のセンスの良さは充分感じさせたので、次作に期待したいところだ。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-12-13 12:19:07) 2.《ネタバレ》 ホラー枠にあったので鑑賞するも、ホラー要素は無いに等しい。 いや、ラダという異形は普通に考えればホラーなのだが・・・見ていると意外と可愛い。 冒頭のおどろおどろしい雰囲気、何か起こるぞ起こるぞからの何も無い。 娘を亡くして夫婦二人、自然あふれる地で暮らしているが傷は癒えておらず病んでいたのか 互いにその異形、異常をすんなりと幸せとして受け入れている。ある意味ではこれもホラーか。 セックスシーンや旦那の弟との過去の匂わせ?的な必要あるのかどうなのかなという部分は気になった。 ラストは成るようになったというか、もっとこう何かないの感を残したままストンと終わる。 というか弟、ヒゲ剃っておけよ! 【HIGEニズム】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-05-14 17:45:02) 1.《ネタバレ》 何というか、非常にコメントしづらい映画ですね。 ネタバレってことでいうと、「頭が羊で、首から下は人間の子供」が出てくるというのは予告編でも見せていたので、この異形の子供を中心に展開する話なんだろうという前提知識で観たのですが。 観ているうちに、色々と「あれ?あれ?」というシーンが次々に。 いくら「最愛の一人娘を亡くした夫婦」とはいえ、あの子(アダ)が生まれた直後のリアクションはあれでいいのか?と。 当たり前のように、夫婦そろってニコニコして我が子のように育てる姿にも「?」(てっきり、アダを自分が産んだように思い込む奥さんと、それを止めようとする夫という対立が生まれるのかと思いましたよ) そして、夫の弟(この二人、兄弟なんだから風貌が似ていてもいいんですが、両方とも髭面なので時々混乱しました)が現れ、「これで波乱が起きる!」と思ったら、それらしいのは最初だけであとは特に起きないし。 最後の「アレ」も、冒頭の描写で大体そんなのが出てくるんだろうと思っていたので特に驚きはありませんでした。 変な映画(笑) 【ebcdic_ascii】さん [映画館(字幕)] 6点(2022-09-25 19:24:24)(良:1票)
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