みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
2.《ネタバレ》 ハイセンスお洒落系不条理サスペンスの装丁ですが、中身は典型的な寓話でした。時代設定さえ変えれば「まんが日本昔ばなし」の一編でも違和感はありませんし、ジブリ映画と言われても気づかない。さしずめタイトルは『もののけ森の神隠し』。おっと内容は意外とハードなのでファミリー向けではありませんね。 寓話ですから教訓が付き物ですが、本作の場合は何でしょう。「自然を守ろう」ですか?あるいは「親と仲良く」ですか?いいえ違います。「ここぞという時、判断を誤るな」です。 主人公は奇跡的に迷いの森から生還し恋人と再会できました。それは森の住人の意思を汲む姿勢を見せたから。道義的に彼は森を救う努力義務を負いますし、彼自身の意向にも沿うので不都合はありません。しかしタイミングを測る必要はありました。 恋人は主人公に懇願します。一旦家に帰りましょう。大事な話もあると。しかし彼は固辞し再び森へ向かってしまいました。この展開は映画として当たり前です。戦闘員とひとしきり戦ったのち、一服してからボスと戦う仮面ライダーなんて居ません。公共の利益のために我が身を投げうつ様は『宇宙戦艦ヤマト』のヒロイズムに通じます。しかしこれは昭和の価値観に基づく正義では。今時流行りません。ワークライフバランス。デジタルトランスフォーメーション。私は主人公には一度冷静になって頂き、家に帰って欲しかったと思うのです。それじゃあドラマチックじゃない?知らんがな。 その場の勢いで無茶するのがカッコよく思えるのは精々20代まで。不惑どころか知命に差し掛かる大人の分別の無さに閉口します。適齢期の女性と付き合う覚悟に欠けるのも同じこと。そういう意味で彼は"大人になりきれていない"と感じました。これは武田玲奈と付き合える50男にやっかんでいる訳ではありません。ええ、断じてありません。 教訓は基本的に反面教師や失敗例なので"正しい"寓話の姿ではあります。ただし現代劇ならば、現代らしい教訓を入れては如何でしょう。ラストで「車両保険に入っていて本当に良かった」なんて一人語りを武田が始めたら、映画としては0点ですが私は満点を付けます。 【目隠シスト】さん [インターネット(邦画)] 6点(2024-12-21 16:11:10) 1.《ネタバレ》 伝説のカルト映画『狂わせたいの』や未だに熱狂的なファンがいるバラエティー番組『オーマイキー』などで知られる石橋義正の、なんと13年ぶりの監督作品です。自分はその13年前の『ミロクローゼ』しか観ていないのですが、これもかなりのオフビートで度肝を抜かれました。その後はなんの活動も耳にせず「どうしちゃったんだろう?」と訝っていたらまさかの13年ぶりの映画製作、ただただ驚きましたよ。しかも『ミロクローゼ』で一人何役も怪演した山田孝之が出演、この人はアイドル好きだったりするしユニークなことに対する審美眼の様なものを持っていて信頼できる俳優です。 とんでもない山奥で謎の六人の美女たちに囚われてなぜか森から脱出できない二人の男、私はこの不条理劇の様な前半パートが好みです。なかなかの美形を揃えたこの六人、うめき声の様なものは発するけど全編で無言・セリフなしというシュールさもいいですねえ。彼女らには一応はキャラ分けはされているけど、ずっとリクライニングチェアに横たわってただ足を上げたり下げたりするだけの女は際立ってわけが判らん存在でした。冒頭からしてやたら昆虫や蛇が出てくるので耐性がない人にはきついかもしれないが、思うに彼女たちは森に生きる昆虫や両生類などの化身というか精霊みたいな存在と解釈できるでしょう。伏線回収を図ってゆく後半部は、核廃棄物処理施設なんかが出てきて理屈っぽくなったのは自分としてはちょっと残念な感じ、もっと不条理性をつき通して欲しかったな。でも山田孝之や竹野内豊の最期にはリアルとファンタジーの境目が意識され、良い幕の閉め方だったかと思います。 この映画は石橋義正の三本しかない劇場映画の中では尺は最長だし、これでもその中でもっとも一般受けしそうな作品かと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2024-10-25 21:58:50)
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