みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
4.《ネタバレ》 『ノスタルジア』の延長線上にあたる作品なのかな、と思う。長いワンシーン・ワンカットの流麗なカメラワークと映像美は素晴らしく、核戦争を揺れだけで表現するあたりは鮮烈。行きすぎた文明社会が根底から覆される時代に突入する寸前、父親は全てを捨てる代わりに、神に救済を求める。家政婦マリアは聖母マリアの暗喩のように思えるし、陰陽魚太極図のロゴが彫られた黒いバスローブを身に纏い、尺八のBGMをバックに家を燃やし尽くすシーンは、東洋の僧の出家を想起させる。精神的な殉教という意味で前述した『ノスタルジア』に通じるものがあった。過去という虚栄を築き上げた自分勝手な大人を全て否定したことで、はじめて息子は言葉を発する。これからの世界はその時代の人間が作り上げるものであり、老醜を晒す前世代が口を出す権利はない、とタルコフスキーは次世代の子供たちにメッセージを発しているようだ。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-06-21 14:20:41) 3.《ネタバレ》 さて、タルコフスキーだ。しかも2時間半だ。うあ観るのに覚悟がいるなあ。台詞にとらわれないこと、プラス理解しようとしないこと。この2点を自ら言い聞かせて観賞。のっけからニーチェの終末論を語りだす郵便配達夫に引く。ま、まだ始まって数分なのにこうですか。哲学的で難解、眠たくなる要素てんこもり・・かと思ったら自分でも意外なほど引き込まれた。光あふれる、とはまた逆のしっとりした品格ある映像。居間の調度品の優雅なこと。磨きこまれた木の床、風にたなびくレースのカーテン。不吉な振動に棚から零れ落ちるミルク。床一面に広がる白。窓とベッドと鏡のみの子供部屋はゴシックホラーのようでどきり、とする。心惹かれる妖しさ。映像詩人とよばれている監督だ。学生の頃詩の解釈が苦手だった私のような人間は、考えることを放棄して感覚でキャッチすることが正しい観賞の仕方なんだろうな 多分。眼福でありました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-04 02:13:00) 2.《ネタバレ》 細かな意味や筋よりも、ひたすら映像美に酔いしれるほうがいいのではないかと思うような作品。陰影の美しさ、すさまじい長回しなど、映像としてだけみても十分すごい。飛び散るミルクのカットは有名だが、個人的には最初から二番目の森のカットのあの得体のしれない感じが好き。 さて内容だが、核戦争による終末を淡々と描き切っている感じか。ガタガタ揺れる食器ですべてを表し尽くす。そして最後のサクリファイスはある種の希望と絶望の入り混じった地平を見ているのだろう。もはや論理ではこの映画は理解しえない。そう、ラストのセリフではないが、言葉ではないのである。 【θ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-01-09 01:20:27) 1.《ネタバレ》 前半のオットーの趣味に関する長いセリフ、夫婦間・親子間が上手くいっていない様子、アレクサンデルが母の庭を手入れして却って美を壊してしまった話、オットーがアレクサンデルにマリアと「愛し合う」ことで”救われる”と告げるシーン・・・・それぞれの話に何の繋がりがあるのか今ひとつ読み取れなかった。 子供に名前が無いのは何故か? そもそも家に放火する意図は? 無理矢理解釈を試みると ◆家とギクシャクした家族関係 →破壊すべき、あるいは破壊せざるを得ない「今の世界」。 ◆名の無い”子供”→ 希望を託すべき「未来世界」の象徴。 でしょうか? アレクサンデルが自分の家に放火して、救急車で運ばれていくシーンには唖然。 犠牲になったのはアレクサンデルじゃなく、残された家族じゃ・・・・。 あまりに抽象的すぎて理解を超えてますが、映像美というのは確かにあったと思います。 ミルク瓶が床に落ちてパッと飛び散るシーンに、それを強く感じました。 【kazu-chin】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-10-02 08:52:37)
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