みんなのシネマレビュー

桜桃の味

Taste of Cherry
(Ta'm e guilass)
1997年【イラン・仏】 上映時間:98分
ドラマ
[オウトウノアジ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2014-10-08)【+】さん
公開開始日(1998-01-31)


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監督アッバス・キアロスタミ
キャストホマユン・エルシャディ(男優)バディ氏
脚本アッバス・キアロスタミ
製作アッバス・キアロスタミ
配給ユーロスペース
編集アッバス・キアロスタミ
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【クチコミ・感想(7点検索)】

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7.たしかに眠気を誘うほどに静かで淡々とした映画ですが、私は眠たくならなかった。それどころか最初からずっとドキドキしっぱなし。この男、いったい何考えてんだろう?怒りだすんじゃないだろうか、今度は何言い出すんだ?って感じで。けして内面を見せようとしない展開で見る者を釘付けにする演出が絶妙。主人公は自殺をしようとしている。しかしその理由は語られない。語る必要もない。自殺の理由はいくらでも作り出せます。誰もが持っています。だからこの映画は、自殺を思いとどませるのに自殺の理由=原因を解決するのではなく、生きる理由を模索する。美しい空、冷たい水、おいしい桜桃、そして人との関わり、そのひとつひとつが十分、生を見出す理由になる。ラストはびっくりしました。映画はもう終わりましたと我々に言っている。主人公がはたして生を見出したのかどうかは見せずに。主人公は生を見出し、朝を迎えてほしいと観客に思わせたところで、もうこの作品は全てを伝えた、、、そういう意味かもしれない。 R&Aさん 7点(2004-12-21 12:58:14)(良:3票)

6.《ネタバレ》 荒れ地に伸びる未舗装の道路を進む車。ほとんど同じような情景しか出てこない映画なので、人によっては死ぬほど退屈な作品だろうと思う。でも、どこまでも乾ききった風景と主人公の心がシンクロするような演出に私は何故か冒頭からはまってしまって、最後まで目が離せず一気に見た。おお、なかなか面白かったぞ、と腑に落ちたところであえて不要と思わせるシーンを入れているのは、「はいはい、これは映画ですよー」という宗教的なエクスキューズなのだろうか。最後の最後でノンフィクション的に異文化を思い知るという一粒で二度美味しい(?)作品。 lady wolfさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-11 00:12:32)(良:1票)

5.他人に相談をする人がいますが、私にしてみたらそういう方は既に自分なりの答えを持っており、自分の望む答えを出してくれる人を見つけて背中を押して欲しいだけと思っております。すぐに土をかけてくれる人が見つかっても本当に自殺したのだろうか?彼の本心は自殺などする気は無いのです。ジハードのため戦う兵士、神学生、イスラムの教えに忠実なものを選べば自殺を止めてくれる筈。鳥の命を奪い剥製にする老人、理由はあれど命を奪う事に抵抗を感じない人間が語る言葉こそが現実感を持った言葉となり、自殺をしたくないという彼の本心に届き背中を押す。自殺はしたくないと心は決まっていても自分なりの納得できる落とし前が必要だったのでしょう。 亜流派 十五郎さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-01 21:12:24)(良:1票)

4.人がまだ余りある命を無駄にしようと決心する形は、大きく分けて2つかも知れない。

一つは、自らの命と引き換えに、何かを守るとき。

一つは、漠然とした死への理想像を描いてしまった時。

本作は、後者だろうと感じた。主人公は何か、切っ掛け(原因)があったにしても『死の幻想』に愚かにも憧れてしまった...そう感じる。証拠に、自殺の手助けを他人へ求めている。同時に、この作品は死への渇望も、ましてや生への羨望も無い。“死”自体に意味など無い。意味を求めていたとしても、彼は彷徨う内に其れを失っている。ただ、死ぬ為だけに、死ぬ場所を探して足を前に進めるだけだ。

甘やかな死に魅入られていたとしても、そんな物は単なる“幻想”でしかない…監督はそう伝えたいのか?それとも、“生”は人生の足枷だとでも言いたいのか…。
一つの生命として、この世に存在し始めたときから、人間は(人に限らず…)絶えず彼岸に向かいながら、此岸の営みにいるのであって、その中の少数が終焉を迎えるまでのプロセスをとばし『死』をクローズアップして見てしまうのも不思議ではない。その少数派の1人を主人公にしたに過ぎない作品。

深くて、軽薄な甘美さを、逡巡する主人公の行動と乾いた埃っぽい映像に載せて、私たちに届ける作品だった。 MAZEさん 7点(2004-06-14 00:19:16)(良:1票)

3.《ネタバレ》 キアロスタミ監督が好んでいた「演者が素人」というのがとても良い目となって出た作品ですね。人生に詰んだ(と自分では思っている)おじさんの一日を描いているのですが、役者オーラの無い人たちばかりで展開される訥々とした話はスペクタクルでなくどんでん返しもなく、ほんとに市井のザ・日常であります。
死ぬのを見届けてくれと言われたら我々は、さあどういう言葉を彼にかけるか。若い兵士は逃げ出すし、神学生はその道のセミプロならではの説得をする。けどやはり人生の大先輩の三人目のじいちゃんが良いですよね。頼みを引き受けたうえで、人生で得てきた気持ちを素朴な言葉に変換して伝えます。「もう月を見なくて良いのかい?桜桃の味を忘れてしまうのかい?」「明日の朝会えても会えなくても友達だ」ただの紙袋を下げた(中にはウズラ)じいちゃんの、同胞としての言葉には静かだけれど耳を貸してしまう力がありました。
そして監督ったら「という、お話。」と突然こっち側に引き戻すのですね。驚いた。あのおじさんがフィクションの中で結局どうしたか、各自が想像する余白がごっそり残りました。私はね、翌朝せっせと穴を埋め戻している彼を確信しています。「死ぬ気」メーターが元々半分くらいだったのが、作中どんどん減ってましたもん。あそこで横たわるには雨だって冷たいしね。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-12 23:49:43)

2.タイトルを幸せな感じと勘違いして借りました。たまたま、ヘコんでいた時に観たので、無言で車走らせるシーンごとに、いろいろ考えて立直れました。この時ばかりはこの単調さがとても良かった。 rexrexさん 7点(2004-06-14 01:13:45)

1.車の外の景色、そして音。街の建物、荒地の砂埃、子供の笑い声、鳥の鳴き声、ヘリコプターの騒音。すべてが生々しく、活き活きしている。美しい世界を謳っているが、確かにそうだなと思わず頷いてしまった。こういう絵を撮れるのはすごい洞察力だと思う。これが本当の臨場感なのかもしれない。この街をトボトボと旅している気分になれる。難しく考えないでコメディとして見ればいいんじゃないだろうか。 ぷりんぐるしゅさん 7点(2004-05-04 14:57:10)

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【点数情報】

Review人数 39人
平均点数 6.31点
012.56% line
112.56% line
200.00% line
300.00% line
4410.26% line
5717.95% line
6820.51% line
7717.95% line
8512.82% line
937.69% line
1037.69% line

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