みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
2.《ネタバレ》 妙に気になる俳優の中のひとり、ジャンカルロ・ジャンニーニ。 ジャンカルロはルキノ・ヴィスコンティ監督の「イノセント」、エットーレ・スコラ監督の「ジェラシー」などに出演していましたが、特に「イノセンス」での北イタリアの上流社会の男のデカダンスを実に見事に演じていて、もうすっかり彼の魅力の虜になりました。 どこか、マルチェロ・マストロヤンニに似ていなくもないけれど、ジャンカルロは、マルチェロよりも遥かにキザでセクシーなイタリア男だという気がします。 そして、この典型的なイタリア俳優の魅力を何よりも最大限に発揮したのは、リナ・ウェルトミュラー監督の「流されて---」でした。 粗野で下品でセクシーで、それでいてふとした表情に知的なデカダンスをのぞかせるジャンカルロは、ミラノが代表する北イタリアの洗練された知性と、ナポリが代表する南イタリアの陽気さと激情という、イタリアを二分する特性のどちらも持ち合わせた、稀有で貴重なイタリアの俳優だと思います。 そして、リナ・ウェルトミュラー監督とジャンカルロは、「ミミの誘惑」「愛とアナーキー」「セブン・ビューティーズ」などの作品でコンビを組んだ、いわば師弟コンビなのですが、この「流されて---」のジャンカルロは南イタリアの男を体現しています。 ~ 八月の地中海に白い帆を張る豪華なヨット、ナポリの実業家夫人ラファエロは、ブルジョワ仲間たちとバカンスを楽しんでいる。 ところが、モーターボートで沖へ出た夫人は、モーターの故障から召使いの男ジェナリーノとたった二人、無人島に漂着した。 自給自足の原始的な生活の中で、夫人と召使いの立場は逆転していくのだった----- ~ この映画は、アメリカでは一種の"フェミニズム"映画として大ヒットしたそうですが、女性監督の視点から描いた男と女の愛の力学が、ブルジョワと労働者階級、支配者と被支配者、文明と原始といった見事すぎるくらいの図式にピタリと当てはまったせいなのかもしれません。 しかし、思うにウェルトミュラー監督のフェミニズム意識と恋愛観は、もっとしたたかで複雑ではないだろうか。 この映画の原点は、やはりヨーロッパの成熟が生んだ"官能の世界"なのだと思えてなりません。 【dreamer】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-03 10:29:52) 1.《ネタバレ》 少し変な感じもしたけど、監督・脚本が女性と知って「あぁ なるほど」と思った。監督がドMなんだね。まあ、それはそれとして監督が50手前、主演女優が30代半ばということを考えれば少し切ない感じもする。刺激的な非日常への羨望と、愛だけで生きていけるほどもう若くないという現実…。別れの場面はなかなか絵になっていた。女が女を描いた映画だから説得力もある。そもそも愛とは何ぞや…ってところまで行きそうなテーマだけど、とりあえず「女が求める男像」を狂わせた「無人島」は面白いってことでまとめようかな。田嶋陽子先生に見せて感想を伺いたい。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-14 15:06:12)
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