みんなのシネマレビュー

100,000年後の安全

INTO ETERNITY
2011年【デンマーク・フィンランド・スウェーデン・伊】 上映時間:79分
ドキュメンタリー
[ジュウマンネンゴノアンゼン]
新規登録(2011-04-12)【ちゃっぷまん】さん
タイトル情報更新(2015-06-18)【かっぱ堰】さん
公開開始日(2011-04-02)


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【クチコミ・感想(7点検索)】

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6.《ネタバレ》 淡々とした映画だが、映像的に美しいのでそれほど退屈しない。余計な人間が映っていないため世界の果てのような印象がある。背景音楽としてシベリウスのValse Triste(劇音楽"Kuolema"(死)の1曲)を流していたのはわざとらしくもあるが、使い方としては効果的だった。
現地は地質的に安定した場所とのことで、この映画でも技術的なことはあまり問題にされておらず、制作者も「地震や火山のない地域」であれば可と考えていたようである。代わりに後世に危険をどう伝えるかの方に重点が置かれた形になっており、この辺は日本人としてはずれを感じるところだが、ナレーションが未来の人間に語りかける形式のため、映像の印象と相まって10万年後の伝説を語るようなファンタジックな感覚がある。ナレーションに出る「君」は英雄志向の若者のようなイメージだが、最後は洞窟の怪物の返り討ちに遭って終わったらしい。
登場人物としては、一緒に出ていたスウェーデン人のオジサンとオバサンが微妙に慣れ合った感じで和む。一方でフィンランド政府の当局者?(肩書きがアドバイザー)は、映像的には黒で悪人イメージながら人物がいかにも頼りなく、これは本物かどうか疑わしいような気もする。

なお公式発表によれば、わが国でも先月下旬の閣議決定で最終処分の基本方針が改定され、これまでは外部の法人に任せていた候補地選定に「国が前面に立って」取り組むこととし、「国が科学的有望地を提示し、調査への協力を自治体に申し入れる」ことまでするらしい。同時に国民の理解を深めるためとして全国でシンポジウムなり説明会を始めているようで、そういう点で時宜にかなった映画とはいえる。 かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-18 00:58:44)

5.311の後に見たから深く心に残る映画。やっぱり原発はコントロールできないって。 aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 7点(2014-08-10 02:19:43)

4.SFのような雰囲気。やっぱり安全ってのはありえないね。注意を促すか?忘れさせるか?難しいですなぁ。 すたーちゃいるどさん [インターネット(字幕)] 7点(2014-02-09 21:20:58)

3.《ネタバレ》 なかなか良かった。2011年だが、震災前の映画。
この映画で問題提起をした人たちは詰めの甘さに臍をかんだのではないだろうか。最終処理場をテーマにし、いつか漏れる。ということにスポットを当てたのは当時画期的だったのかもしれないが現在においてそれはやや的外れであると感じられた。

文明がすっかり滅亡してしまった未来、次の世代の新文明がこの施設を掘り起こしてしまったら?などという事ばかりが論じられているが、今であれば断言できてしまう。こんな想定不足で検証不足なら非科学的すぎて心配してもしょうがない。

作中で以下の点が指摘されているが怪しい。
再処理を完全否定しているが、この施設が完成することよりも先に非ウランベースに乗る。こんな施設を実用化するよりよほど難易度も低い。この施設への口実と取るべきか。
ウランが底をつきる話も出ており、そのことを心配している体を演じていながら、人口増でそれに伴う廃棄物の増加を憂いている。核施設の恐ろしさばかりをあおっている。ONKALOという施設だが、見た限り岩盤を掘削してコンクリート詰めするだけの施設にしか見えない。こんなレベルの土木工事で最終処理場を作って10万年も保つわけがない。核関連の技術は今後急速にウラン脱却に向かうはずで、作っている間に廃止になるのではないだろうか。

不完全な物の告発ではなく、人間が管理している内は完璧だが未来人が開けたら心配であるというスタンスでまとめてしまったのがどうもいけない。
現在の人類は、稼働可能な非ウランベースの炉をすでに持っており、主燃料であるトリウムと同時に他の核物質の燃焼と消滅が可能で、長寿命の核種が出来にくい方式もある。方式による長短があるが、それぞれが実証されていることを素直にわかりやすく問題点も含め告発するべきだったのではと思う。

こういった心配がされた時代はだいぶ昔に過ぎ去っている。すでに既存で既知なのだ。次の世代の方式の心配を告発するべきだったのではないだろうかとも思う。
けど、限られた情報の中で良く作られていて面白かった。 黒猫クックさん [DVD(吹替)] 7点(2012-04-21 03:50:12)

2.《ネタバレ》 演出でと言うか撮影方法でと言うか、テーマはもちろん、絵的にも精神的に怖い話でした。放射性廃棄物の最終処分場、もう作り始めてる割に、危険警告の看板付けるのどうするのの方針もまだイマイチ決まってないし、こんな軽い感じでこれほど重大な話が実際進んでるの?って怖くなりました。改めて、核のゴミが生物にとって安全なレベルに下がるまで10万年って・・。普通に数字で書いてもピンと来ないけど、これって我々人類の歴史に匹敵する数字だし、この処分場耐えられるのか・・。今後を考えると、その間に戦争とか天変地異とか、隕石だったりとか、何が起きるか分からないのにと思うと本当にゾッとした。10万年後を見届けられる人間なんていないのに、この問題を引き継いでいかないといけない我々の子孫可哀そうだ。考えさせられました。  (ちなみにもっとドキュメンタリーっぽい作りかと思ってたので、その意味では意外な構成でした) ネフェルタリさん [映画館(字幕)] 7点(2012-03-17 18:33:25)

1.《ネタバレ》 フィンランドのオルキルオトに世界で初めて建設されているという放射性廃棄物の処分場。その存在自体全く知らなかったので、とても興味深かったです。地下を採掘して、巨大な街ぐらいのスケールの空間を数キロに渡って構築、完成は2100年頃で、廃棄物の保持期間はなんと10万年という、とてつもなく壮大なプロジェクト。個人的には、放射性廃棄物の危険性うんぬんよりも、インタビューに答えてる人たちが皆、未来の人類に対してすごくペシミスティックに考えてるところが気になりました。このプロジェクトにたずさわる会社の人たちや、放射能の専門家の人とか、そういう人たちがインタビューに答えてるんだけど、皆さん共通してるのは、今の世界や人類は、未来にそのままの形では持続しないという点。フィンランドは数万年後に氷河期になるという話から始まり、未来の人類は今とは使う言葉が違うだろうから看板は絵を描いて伝えるべきだという話から、仮に処分場に未来人が訪れても、我々がピラミッドの建設理由を未だわからないのと同じように理解出来ないだろうと言う話、この100年で2度の世界大戦が起こったのに、10万年も平穏でいられるのかという話等々。そこには明らかに、技術的、文化的に、あるいは人類そのものに対して、持続性を疑問視している様子がうかがえる。おそらくだけど、もし日本でこういう処分場が建設されるとしたら、ああいう「未来の人類」に対しての議論は一切なさそうな気がする。僕個人として、科学技術がそのまま永続的に進歩していくという楽観的見方があるから、インタビューを受ける皆さんの考え方には色々な意味で興味深かった。 あろえりーなさん [DVD(字幕)] 7点(2012-01-29 22:10:36)

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【点数情報】

Review人数 13人
平均点数 6.85点
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