みんなのシネマレビュー

すべて彼女のために

Anything for Her
(Pour elle)
(ラスト3デイズ ~すべて彼女のために~)
2008年【仏・スペイン】 上映時間:96分
ドラマサスペンス犯罪もの
[スベテカノジョノタメニ]
新規登録(2011-05-08)【M・R・サイケデリコン】さん
タイトル情報更新(2017-07-17)【ESPERANZA】さん


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ブログに映画情報を貼り付け
監督フレッド・カヴァイエ
キャストヴァンサン・ランドン(男優)夫・ジュリアン
ダイアン・クルーガー(女優)妻・リザ
オリヴィエ・マルシャル(男優)作家・アンリ・パスケ
脚本フレッド・カヴァイエ
音楽クラウス・バデルト
製作マルク・ミソニエ
オリヴィエ・デルボスク
配給ブロードメディア・スタジオ
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【クチコミ・感想(7点検索)】

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7.《ネタバレ》  「脱獄は簡単だが、その後が大変だ」という台詞が印象的。
 この台詞が序盤で語られる場面だけでも充分にインパクトがあったのですが、映画の終わりにも再び繰り返されるというんだから、何だか徹底していましたね。
 脱獄に成功した主人公達の未来を示唆する台詞であり、この映画を象徴する台詞でもあったように思えます。

 とはいえ、その簡単なはずの「脱獄」も充分に困難である事が劇中で描かれており、だからこそ(逃げ続けるのは、コレ以上に大変なのか……)と思える終わり方になっているのが見事。
 脱獄に成功し、ハッピーエンドと呼べる終わり方のはずなのに、まだまだ前途多難である事を示唆される。
 でも、それまでに描かれてきた主人公の力強さを思えば、そんな困難も必ず乗り越えられるはず……と、希望を失わずに前向きな着地を果たすバランスは、かなり好みです。

 そんな具合に、中々の佳作と呼べる品なのですが、難点としてはやはり「主人公の妻が無罪かどうか、最後まで謎のまま」って事が挙げられるでしょうか。
 主人公は一貫して無罪を信じている訳だし、物語の展開としても「そんなの、どっちでも構わない」って話ではあるんですが、やっぱり観客としては気になっちゃうんですよね。
 仮に有罪であれば「それでも主人公は妻の無罪を信じ、殺人を犯すほどに暴走してしまった」という切なさが生まれただろうし、無罪であればハッピーエンド感が増したであろうし、答えを明かさないままというのが勿体無く思えてしまうんです。
 意味深な場面を挟み「どちらでも観客の好きなように解釈して良いよ」って思わせるような形でもなく、何か「妻が有罪なのか無罪なのか、答えを出すのを忘れてた」って感じられる構成だったのも痛い。
 ここは素直に「妻は無罪である」と示す場面を挟んでも良かったと思います。

 あと、コレは観客側の自分が悪いんでしょうけど、今回久し振りに鑑賞し(あれ? 主人公が殺す相手って、因縁とか全く無い麻薬の売人だったの?)って驚いて、ガッカリもしちゃったんですよね。
 「序盤に主人公を騙して金を奪い取った相手から、復讐がてら大量の利息込みで金を奪い返す」って展開だと記憶していたんですが、実際はそういったストーリーの繋がりは無く、勝手に美化して記憶しちゃってたみたい。
 その場合、序盤で主人公を騙した奴らに何の仕返しもしないまま終わっちゃうのかって不満も生まれるし……
 この辺りは、思い出補正の恐ろしさというか「一度観た映画を、何年振りかに観返して評価する」事の難しさのようなものを感じました。

 でもまぁ、そういった諸々込みで考えても、やっぱり「良い映画」「面白い映画」でしたね。
 単純に、妻が美人で息子が可愛いってだけでも、主人公を応援したくなるような魅力がありましたし。
 脱獄計画で大変な中でも、幼い息子を公園に連れて行って遊んであげたりする場面とか、ちゃんと主人公が「良い奴」だって事を示す描写があるのも嬉しかったです。
 劇中で妻のリザが困惑していたように、ともすれば観客としても(この主人公、やり過ぎ)(いくら愛する妻の為とはいえ、流石に応援出来ない)って気持ちになってもおかしくなかったのに、そこをギリギリで踏み止まる形になっていましたからね。
 空港に指名手配の写真が届く前に、間一髪で間に合った場面とか、そこで観客に(あぁ、良かった……)と安堵させる為にも、主人公を完全に「暴走する狂人」としては描かず、感情移入出来る余地を残しておいたのは、正解だったと思います。

 警察側も数多くの証拠を掴んでいるし、後の「スリーデイズ」(2010年)に比べると、主人公達がいずれ逮捕される可能性も高そうな本作品。
 それでも、きっと彼らなら大丈夫だと思えるし、そう思いたくなるという……
 ビターなチョコレートのような、程好い余韻を味わえる映画でした。 ゆきさん [DVD(字幕)] 7点(2023-09-28 21:24:50)(良:1票)

6.《ネタバレ》 すべて彼女のために、でもすべては自分のために、そして息子のために、家族のために。選んだ道はとことん裏街道。残念だったことは銃に頼ってしまったこと その銃で殺人の罪を犯してしまったこと その銃で汚れた金を奪い取ってきたこと そしてその汚い金が家族三人の生活資金となってゆくこと。
この男を 許すか 許さざるべきか   


許して賜う   
そもそも突如不幸に見舞われた家族だ。
決して声を大にして言えることではないが、だからあえて、小声で蚊の泣くような声で言わせてもらうよ  ぶう~ん 『許しますよ』  ぶう~ん 『だからとことん逃げ切ってネ』  ぶう~~ん。とな 3737さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-01-27 20:37:41)(良:1票)

5.《ネタバレ》 のっけからフランス人カップルっていちゃいちゃし過ぎじゃないのか?と引く。もう少しで家じゃん。エレベーターの中くらい節度を持て。そもそもそんなことしてなきゃコートの血にだって気づいたのでは。ニュースにだって目が行ったのでは。・・そこはまあ置いといて。平凡な国語教師の夫の奮闘ぶりがまあ涙ぐましい。よその女が秋波を送っても数ミリも心が動かないのがエライ。D・クルーガーがいくら美人だといってもこの鉄の意志たるや。子供も可愛く撮れている。ダイアンが後ろからそっと覗き見たときの小さな丸い背中、嗚咽をこらえてそっと横に座る母親らしさにもらい泣き。ここは「無事に逃げ切ってくれー」と全力で祈る場面だ。最後まで口を割らなかった父親の腹の座った表情も渋かった。フランス映画にしては珍しいハッピーエンド。パリ警察が徹頭徹尾無能なのには困ったもんだ。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-21 00:11:19)(良:1票)

4.「スリーデイズ」 の、勝ちですね~! 本作、オリジナルは、エピソードが少なく..タメ が無いというか、緩急が無いというか..観ていて、少し淡白に感じます..共感、感情移入という点でも、完敗ですね..ラッセル・クロウの好演も段違いだったかな(本当の大学教授に見えたし)..ヴァンサン・ランドンは、どう見ても、教師には見えない..ダイアン・クルーガーも美人すぎて、リアリティが感じられない(作品の中で浮いている)..どちらを先に観るかで、ずいぶん印象も変わってくるとは思うけど... コナンが一番さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-21 18:44:52)

3.すべて彼女のために→スリーデイズと連続して見た後で投稿。
ハリウッドのリメイクとしては珍しく(?)リメイク後もそれなりに楽しめる出来なので、今作を見た人は機会があれば見て欲しい。ちなみに点数は今作と同じ。

今作は、ラブストーリーというか妻への愛というところに重点がおかれていると感じた。(リメイク後は家族やヒューマンドラマ)
妻への愛があれば何でもできる、という情熱と必死さは日本では描けないジャンルだなぁ…と。日本の男性は弱すぎる(苦笑)

「3年前」「3ヶ月前」と表示されるテロップが、“現在の時点から”という意味に気付くまでは混乱した(笑)
3年前の更に3ヶ月前なのに、なぜ時間が進んでるように見えるの…?ややこしい映画なの…??と焦ったが、単純に考えればよかっただけ(笑)

開始から1時間ほどの脱獄までの準備段階は少し退屈に感じる部分もあるが(多分、フランス映画特有の暗さが漂っていた為)ラスト30分ほどの脱獄部分はテンポもよく、ハラハラさせられる展開もあり、純粋に面白かった。

あとは妻が美しい&子供が可愛い(笑)
女性はフランス人、男性はイギリス人が一番美しいと感じるが、日本人の好みなのか自分の好みなのか…(笑) Sugarbetterさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-02 12:38:17)

2.《ネタバレ》 「スリーデイズ」の元ネタってことで観ました。むこうは本作を踏まえた上で「あの」ポール・ハギスがシナリオ作り直してるので勝てはしないんだけど、こっちがちゃんとしてるからリメイクされたんだと思います。ということで、主人公のかかえる「パートナーの無実を完全に信じる」「愛するものと一緒に暮らしたい」を解決する手段として脱獄以外方法がないこと、を受け入れることが出来るかどうかで感じ方が違ってくる。そのためには何でもするというのが主人公の行動原理となっているわけで、それを理解できなければ感情移入できなくてもしかたない。私には受け入れられない人のことは判らない。この骨格に関する評価は「スリーデイズ」と同一です。弱い部分としては、糖尿病、行き先=エルサルバドルなどを先にバラしちゃうことで話が平板になってしまうところ。検査結果を抜き出して持ち去ったり、偽のデータを差し込んだりってのはバレると思っちゃってもしょうがない。リメイク側がうますぎるだけにつらいね。VOLVOとシトロエン乗ってるってことでどんな階層の夫婦かってことが判るんだけど、外車興味ない人にはわかんないよね。そうそう、主人公が「君を想って海を行く」の水泳コーチだったり、ダイアン・クルーガーがフランス語うまかったりと発見も多かった。こんだけフランス語しゃべれるなら「イングロ」の使いかたもったいなかったんじゃあないでしょうか。
特にランダ大佐に殺されるシーンは。 shintaxさん [DVD(字幕)] 7点(2013-03-19 17:30:50)

1.《ネタバレ》 実話かと疑ってしまうほど真実味のある映画だった。ジュリアンは大学の先生で何となくおじさん臭い男。妻のリザはジャーナリズム関連の仕事をしており、若くて美人。まずこの配役がうまい。ジュリアンにとってリザは明らかに身に余る妻なのだ。二人の間にはオスカルというまだ幼い息子がいる。ラブラブで何一つ不満の無い幸せな日々を送っていたある日、突然リザが殺人罪で逮捕されてしまう。凶器の指紋という物証もある上、運悪く状況証拠も揃っており、有罪の判決が下る。残されたジュリアンにとってはまさに青天の霹靂であり、状況の打開を試みるべく、彼は妻の脱獄計画を練り始める。
この映画のテーマはズバリ愛である。ジュリアンは一切妻を疑わない。この設定が映画の面白みを殺ぐという意見もあるかもしれないが、これは映画のテーマ上、仕方が無いことであろう。私にとっては、この設定だけでかなり心を打たれるものがあった。美しい最愛の妻を取り返すためなら、全てを擲っても良いと開き直るジュリアンの姿はとてもかっこいい。私も将来結婚するなら、そこまで深く妻を愛したいものだ。
当然ながら、ジュリアンは犯罪にはど素人なのだが、その彼が脱獄計画を練る様も興味深い。着実に少しずつ決行に向けて準備を進める描写にはリアリティがあった。時には悪党に騙されながらも、妻を助けたい一心で決してあきらめず何度もチャレンジする彼を観ていると思わず応援したくなってくる。それだけにいよいよ決行に移る終盤では、思わず手に汗握ってしまった。
ただし、上映時間が短いだけに、粗い部分があるのも確か。ジュリアンとその父母兄弟との関係については、もっと設定を作りこめるし、リザがいなくなった後にジュリアンが公園で出会う女性との間にももう少しドラマがあって良い。そのあたりをきちんと修正してくるであろうハギス監督によるリメイク版も楽しみだ。 枕流さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-10 20:05:08)

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【点数情報】

Review人数 17人
平均点数 6.12点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
315.88% line
415.88% line
5211.76% line
6529.41% line
7741.18% line
815.88% line
900.00% line
1000.00% line

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