みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
3.《ネタバレ》 笑いあり涙ありで特に深刻な破綻もなく、良質の娯楽映画と思われる。不満があったのは、いいタイミングで父親が倒れるなど若干の都合良さがあったことと、ラストに再度土下座が出なかったこと程度だった。そのほかエンディングの曲がどこか無関係なところから持って来たような感じだったが、これは聞かなかったことにすれば済むことである。 ところで、料理人が地場の食材を掘り起こして回るというのは当時からあったことなのか、あるいは現在の加賀料理の中に劇中の大名料理がどの程度受け継がれているかといったことはよくわからない。饗応料理の考証などは別にして、実際のところかなりの創作部分が含まれているのだろうが、ただし舟木家が実在の武家であることは間違いないらしい。 武士というからには武を尊ぶのは当然としても、一方では社会の秩序と安定を維持する責任を負った社会階層という面もある。特に江戸時代ともなれば一人ひとりが“公”の心を持ち、それぞれが己のなすべきことを考える、というのも武士の本質をなしていたのではないかと想像され、その手段は剣術ばかりでないはずだという考えも容易に導かれる。御家騒動の一方の首領が単なる悪役ではなく、やはり藩のあるべき姿を考えていたというのは出来過ぎな気もするが、それでこそ終盤に「武士」と「献立」をちゃんと結びつけた台詞が出て来たわけで、出来過ぎではあるが感動的な場面だった。 続いてラストも舟木家の安泰を見通す形で終わっており(最後の地蔵は子宝祈願と思われる)、大名家も一介の武家も、料理を通じて未来へのつながりを残す形になっていた。これも出来過ぎという気はするが、全体としてまとまりのいいお話になっていたのは間違いない。 なおキャストも豪華で申し分ないが、個人的好みとしてはやはり主演女優の存在が映画全体の価値を上げている。江戸の料理屋の娘ならもっと“おきゃん”(時代劇用語)な場面があってもよかっただろうが、今回は武家の妻らしく健気でしおらしい様子も出ていてよかった。こんな可愛い嫁さんに古狸はないだろう、と劇中の親爺と同じ気分になる。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-05-25 19:55:29)(良:1票) 2.《ネタバレ》 『武士の家計簿』『天地明察』など、ここのところ刀に物を言わさない時代劇が、多く作られてしかも皆それなりに面白く、私には嬉しい。 商家の娘から武家の嫁になった料理上手な娘と、料理よりも武芸に執着している料理方の武士の、夫婦の愛情物語が主。江戸時代の料理、特に領主の公式料理方の話が従。武家の料理番というと、『鬼平犯科帳』に登場するねこ殿くらいしか見たことがない。それくらい珍しい着眼点ということなのだろう。 ホントいうと、この主と従の割合が逆に、いやそこまででなくとももうちょっと料理の側に描写を割いても良かったんじゃないかと思う。 主人公の安信の武芸への執着は、そのまま失った想い人への気持ちとなっており、それに相対する形で料理方というものが設定されており、まさしくそれが春なわけだ。 それが、最後に料理と春を選ぶ結末が、実に微笑ましく優しい感動を受ける。 少ない不満点を挙げるならば、加賀の料理、特に饗応料理の底力というか魅力というようなものを、細かに説明するくらいの時間を割いても良かったのではないか。加賀藩の安定を知らしめる、つまりは諍い事からの脱却を意味する宴を、彼らの料理がどのように支え、その料理にどのような意味付けがあったのか、なんて事を魅せて欲しかった気もした。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-07-27 19:19:49)(良:1票) 1.久しぶりに日本の良き文化・美を堪能できる作品に出会いました。時代は移れども、こういった作品を廃れることなく作り続けていってほしいものです。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-12-24 23:30:18)
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