みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
8.これまでに何本か見てきましたが、ル・カレ原作のスパイ映画にはいつも独特の空気があります。 アクションや銃撃戦やカーチェイスといった、映画的に見栄えがするシーンよりは、 国家や組織に翻弄される彼らの悲哀、その生きザマのドラマに重点が置かれる。 抑揚の少ない本作のル・カレの世界観に、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技が見事なまでにはまっています。 それだけに結末の衝撃と行き場の無い怒りを爆発させるラストまでのホフマンの演技もまた圧巻。 フィリップ・シーモア・ホフマンは好きな俳優だった。と過去形で語らなければならないのが残念でなりません。 40代後半、50代・・・と年齢を重ねると共に彼の俳優としての魅力にますます磨きがかかることは間違いなかっただけに。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-17 13:19:17)(良:1票) 7.《ネタバレ》 フィリップ・シーモア・ホフマン、何かこう張りに欠ける姿だと感じたのですが、遺作だったのですね。早逝が惜しまれます。 極々地味な作りですが、資金源を断つという任務の重要さがリアルに描かれており見応えがある良作です。 人を裏切って出し抜くのが生き甲斐のようなCIAの遣り口に私もホフマンと一緒に毒づいておりました。 レイチェル・マクアダムスの落ち着いた作品で一人浮いている感が惜しいところです。 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-11 16:49:59) 6.《ネタバレ》 ベテラン捜査官の経験と勘で重厚感あるシリアスな展開で進む。 本格スパイだがド派手な演出はなし。緊張感が高まるリアルな諜報戦。 おもしろかったですわ。 そして怒りと無念の咆哮。 FUCKで締めくくったラスト。遺作になったことが残念でなりません。 味がある実力派ホフマンは後からジワリときます。 また映画の中で会いましょう。 【mighty guard】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-05-30 23:13:55) 5.《ネタバレ》 初見の時は、いまいち理解しづらい点もあったので、原作を読んでの上で再びチャレンジしました。 う〜ん、どうなんだろう、確かによく分かったことは確かなんですが……。 長い長い原作を映画化する場合、どうしてもなんらかの改変が必要なのは理解できますし、そこが映画製作者の腕のふるいどころと思うんですが、 この映画のようにばっさり省略して、それでおしまいってあまりに安易だと思いませんか? 少なくとも映画単体としては、非常に分かりづらい作品になってしまってるような気がします。 あと、登場人物の誰にもあまり共感できなかったのも辛かったな。 主人公、ものすごく力強く手形をばらまいた割には、上部機関?や同盟国組織の裏切りで全て白紙にされてしまうのは、理不尽というよりもむしろ彼の政治力不足、身内 に対する情報収集力不足(紺屋の白袴!)を感じて、彼を信じた人々が可哀想です。 思わず画像検索したくなるような綺麗な女優さんが出てるのに、あまりいい評価ができなくて残念。 【rhforever】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-22 17:31:54) 4.《ネタバレ》 ドイツ、ハンブルク。2001年、911の実行犯がこの港湾都市で計画を練って以降、それを察知できなかった現地の情報機関は躍起になってテロ対策を加速させていた。そんな国際都市にある日、ロシア当局に拷問を受けた過去があるチェチェン人青年イッサが入国してくる。そのことを察知したテロ対策諜報員バッハマンは、彼が大手銀行員と接触したがっていることを知り、全容を解明しようと彼をしばらく泳がせることを決断する。だが、バッハマンの思惑など意に関せず、国の上部機関、警察、現地のイスラムネットワーク、さらにはアメリカのCIAまでが絡んでき、事態はさらに複雑な様相を呈していくのだった。そんな折、イッサを支援していた女性弁護士の手筈で彼がドイツの街中で失踪してしまう……。名優フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作となったのは、ドイツの国際都市を舞台にテロ対策の最前線をリアルに描いたスパイ・サスペンスでした。スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの原作を映画化しただけあって、この全編に漲る息を呑むような緊迫感はなかなか凄かった。派手なアクションやスキャンダラスな設定で観客を煽るのではなく、あくまでもリアルで地味なストーリーなのに最後まで見せきる本作のスタッフたちの手腕は大したもの。そんな無差別テロという悪魔の所業を阻止するために誰も知らないところで彼らのような人が日夜、神経を磨り減らすような情報戦を繰り広げているのかと思うと本当に頭が下がる思いです。特に、何処にでも居るサラリーマンのようないでたちでありながら、それでも時折その隠し切れない狂気性を垣間見せるF・S・ホフマンの熱演は見事でした。権謀術数渦巻くテロ対策という問題の難しさに翻弄され、自分の無力さを思い知らされた彼の魂の咆哮とでも言うべき最後の雄叫びは胸の奥深くに突き刺さってくるようでした。つくづく惜しい人を失くしたと残念でなりません。奇しくも昨日(2015/11/14)、フランスのパリでイスラム国と見られる組織によって大規模なテロが発生してしまいました。あらためて、本作のラストに漂う無力感に胸が引き裂かれる思いです。本作の主人公バッハマンのような人たちがそれでもテロという悪魔の所業に決して負けず闘い続けてほしいと、今回のテロで亡くなった人々のためにそう願わずにはいられません。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-11-15 22:00:09) 3.《ネタバレ》 フィリップ・シーモア・ホフマンのいぶし銀の演技が光りますね。彼が亡くなってしまったというのは本当に残念。全体的に静かなトーンで進むが故に、ラストの急展開にはやはりショックを覚えます。直接的な描き方は無かったけど、アナベルはイッサに好意を持っていたのかな?レイチェル・マクアダムスの美しさを再認識。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-04-16 23:57:24) 2.《ネタバレ》 まずジョン・ル・カレが作り出したストーリーに惹きつけられます。スパイ物でよくある(実際にル・カレも良く書いている)米ソ冷戦の対立構造を使用するのではなく、現代の対テロ戦を想定した情報戦はスリリング。テロとは良く“見えない脅威との戦い”と比喩されますが、本作でもそれは同じ。主人公であるバッハマンはどう見ても有能な男ですが、彼は確証がないままに捜査を強引に進めます。イッサが本当に過激な思想を持っているかは分からない段階で(結局持っていなかった)周りの人間を掌握し、アブドゥラ博士が本当に資金援助に協力しているか確証がないままに彼の拘束を決める。テロという言葉の元々の意味は「terror」=「脅(おびや)かす」ということ。安全保障上の彼の行動も一種のテロと言えるのではないのか?と観客に突きつけている様に思えました。しかも最後の彼の叫び「Fuck!!」に現れている通り、彼はどう見ても正義の信念を持ち(世界平和を望んだ)、イッサを結果として助けようと行動し(滞在証を発行した)、アブドゥラ博士も味方に引き込むことで強制的な危害を加える気は無かった。それに対しあのやるせないラスト。そして同僚のイルナから「無茶をし過ぎだ」と警告された上での非難の眼差し。本当の正義とは?と問いかける重厚なスパイサスペンスでした。 しかし作品としては聊か凡庸な部分があったことは否めません。ル・カレの小説の映画化と言えば数年前に『裏切りのサーカス』というトーマス・アルフレッドソン監督による傑作がありまして、それと比べてしまうと、その実力には大きく差があると言わざるを得ません。 本作は静かなトーンで作っているのだから態々無理に“動”のシーンを入れなくても良い気がしました。例えばイッサとアナベルが逃走のシーン。電車と車のチェイスは『フレンチ・コネクション』に代表される定番ですが、ド素人のアナベル達が本職のスパイを巻いてしまうのはあり得ないと思えるし、巻くならそれ相応の演出上の工夫が欲しい。最終的にクラブに紛れ込んでバッハマンの追跡を逃れますが、あれではバッハマンのおなかが人ごみにつっかえて逃げられたようにしか見えない。 但し、名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の演技を観る価値は絶対にあるかと思います。エンドロール前の献呈を観た瞬間、もう彼をスクリーンで見れないことを実感し、本当に惜しい人を亡くしたと思いました。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-01-18 06:54:02) 1.そりゃ酒とタバコに溺れるわな・・・。ホフマン氏の演技は相変わらず凄まじかったです。最初は「ん?」となったドイツ訛り(かな?)にもほんの数分後には違和感がなくなり、「世界の平和のため」に己の存在を消して格闘する男の姿だけがそこにありました。熱っぽさがないのに熱っぽい。抑えた演技なのにパワフル。名演です。他の役者たちも素晴らしかったし、冷たい印象を与える演出も良かった。綺麗にまとまった渋い作品でした。 【Y-300】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-11-30 23:33:49)
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