みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
3.《ネタバレ》 山田洋次の映画は、心がほっこりする。AIには創れない映画だ。結局、どんなにビッグデータやらAIやら言ったところで、こんなもんでいいよねの姿勢がコンピューターにある限り、山田洋次の愛の込められた作品には到底勝てまい。さて本作だが、ご存知井上ひさし原作の「父と暮せば」へ捧ぐ作品になっている。優しい父親役の原田芳雄と宮沢りえのじゃんけんのシーンが忘れられない。ここでは山田洋次らしく、幽霊さんにも寅さんみたく失恋させてしまう。そして吉永小百合のラストのこの世とのお別れのシーン。山田洋次がここ何作かで、自分の作品にどんどん落とし前をつけるような作品を創っていってることは確かだ。「小さいおうち」がそうだった。山田映画で子どもの頃から観てきた吉岡くんにけりをつけている。山田監督が死の準備に入っていることは仕方のないことだ。それは避けられないもの。我々は寂しい気持ちはあるものの見守るしかない。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-09-18 22:25:31)(良:1票) 2.僕は本作を終始息子の立場から鑑賞していました。 愛する人を残してこの世を去った無念。 1人残された母を心配しながらもまだまだ母の傍にいたい思い。 様々な感情が入り混じる息子の思いを二宮和也が好演しています。 劇場には吉永小百合さん演じる母親と同年代、 あるいは年上の女性の方も沢山見に来ておられました。 息子を失った癒えることの無い悲しみ。 終盤には劇場の至るところから鼻をすする音が聞こえていました。 きっと皆さん、母親の立場から本作を見ておられたのでしょう。 ラストで吉永小百合と二宮和也の母子の姿が消えていく。 戦後長い年月が経過し、戦争の記憶も少しずつ薄れていく。 本作は松竹の120周年記念作品ということですが、昨年は戦後70周年の節目の年でもありました。 このタイミングでの本作。作品に込められた戦争で亡くなられた方々への鎮魂の思い。 エンドロールの合唱には、山田監督のそんな思いを特に強く感じました。 【とらや】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-01-08 23:14:17)(良:1票) 1.《ネタバレ》 長崎を舞台とする映画なら、坂の勾配は必須の要件と云っていい。 舞台となる二階家は結構な高台の上だ。映画の当初からそれは湾の眺望と共に提示される。 それだけでなく、大学の講堂の座席から教壇を見下ろす、二階から階段下を見下ろす、 枕元の吉永小百合を見下ろすなど、二宮和也のポジショニングにも高低や段差が意識されている。 中でも上がり框を舞台として履物を脱ぐ、居間に上がる、鼻緒を治すなど足への拘りは顕著で、二宮の白いソックスに関わる演出はとりわけ目を引く。 舞台劇的な趣向をベースとしつつ、 二階部屋に差し込む美しい西日や長雨や曇天、木枯らしなど天候の効果を加味してドラマの緊張を高めている。 映画は雲の上から始まり、雲の上へと帰る。宗教画になったきらいもあるが。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-12-20 23:54:54)
【点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS