みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
2.《ネタバレ》 見終わった後の疲労感も含めて、ある意味、戦争映画。恋愛という名の闘争の物語。愛が敵を生み、愛によって闘い、傷つき、ぼろぼろになって、そしてじゃあ、誰が一体勝者だったのか?という。 人と人とのふれあいと摩擦、そのヒリヒリとした緊迫感と共に、様々な要素がその舞台を創造してゆきます。ホタル、星空、川の流れ、バス、自動車、自転車、電車、線路、オートロック、指輪・・・。それぞれが意味を持つものとして帰結してゆくのが面白いです。バスは繋がりを示す一方、自動車は不穏な存在、みたいに。頻繁に登場する料理が心理を映しているのもポイントで。一人暮らしであっても自分のために欠かさない料理はヒロインの生を示し、その失敗は乱れた心を示して。 上戸彩の、決してキレイではないドロドロとした感情を表す演技をカメラや演出が上手く拾ってゆきます。最初は細かいカット割や動き回るカメラが煩わしく感じられましたが、慣れてゆけばそれにも意味があるのだと。 ただ、場を盛り上げようとする音楽がやかましく、またアレンジを変えてインストで3回は流れる金井克子の『他人の関係』が自分の世代からするとふざけているようにしか思えないんですよね(振り付けのビジュアルが頭に浮かんじゃうし)。曲のタイトルが場面の意味を示しています、っていうのならば安直に過ぎると思いますし。音楽に関してはどうにもセンスが悪いとしか感じられませんでした。音楽全面差し替えしたらプラス1点、みたいな。 あと、ヒロインが身の上話をしたのはオーナーに対してのみなので、ウワサ話が広がった時点でオーナーに疑惑を持たなかった(ように思えた)のが疑問でした。 幾らかひっかかりはあるものの、役者の存在感と全編に張り巡らされた技巧によって、ドロドロとした不倫物語が見応えある愛の闘争の物語へと昇華された作品でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2017-06-20 20:18:15)(良:1票) 1.《ネタバレ》 一枚のチラシが、二度と会う事を許されぬ二人を、再び結びつける。でもそのチラシを、上戸彩がなかなか見ようとしないのよね。だもんで脚本家はテーブルの上のチラシを扇風機の風で飛ばして、彼女に注目させようとするのだけど、一向に目を向けようとせず、もうニブイったらありゃしない。業を煮やして今度はチラシの上にカナブンを落として見せ、ようやくニブイ上戸彩でも気づくことになる。これだけ念には念を入れて再会させられたふたりが、そりゃもはや離れられるワケもなく。 大学の先生のくせに、川遊びばかりせずにもうちょっと研究らしい研究をしなさいよ、と言いたくもなるけれど、要するにこの二人の間柄って、子供同士の延長みたいなところがあるのね。だから、大人からの視線を浴びせられると、ツラくなる。そっと川辺で密会し、ままごとのような共同生活をし、やがてあっけなく永遠の別れを迎える。子供の小遣いで買ったような指輪だけが人知れず川辺に残されて、たまたまそれを見つけた子供たちの手にわたって物語はオシマイ。なんちゅうはかない永遠性であることよ。 斎藤工演じる北野先生、なんの活躍も見せないままアッサリと事故死(同乗の伊藤歩が強すぎるんじゃなくって、斎藤工が弱すぎるんです)、上戸彩は(そして観ている我々も)遺体との面会すら許されぬ、という、物語の中の「死」の特権すら剥奪する残酷さ。まーホント、気が滅入ります。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 7点(2019-01-29 22:33:07)
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