みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
3.《ネタバレ》 血まみれの女子高生の背後で横転するトラックのオープンニング画像、すばらしい。そこから唐突に、かみ合わない会話を夫婦が交わす。この不安感。日常的な人間関係の危機をベースに世界の崩壊を描くというのも黒沢清監督作品のド定番なので、SFとしての論理性やら世界観よりも、熟成された不条理が醸し出すブラック・ユーモアを楽しむ方向で鑑賞したのは正解だったと思います。とくに後半、牧師が語る「愛」の空っぽさ、車に跳ねられて宙を舞う女子高生のハリボテ感(これはぜったいわざとやってる)、突然のドローン爆撃の不条理(バラエティ番組の爆破ドッキリみたいだった)を畳み掛ける感じは最高でした。このあたりは「舞台劇」をそのままやるのではなく、「映画」としてやる意味をちゃんと感じることができました。ただ、当然のように難点も多い。概念を受け取った後の宇宙人側の「変化」が微妙なこと、肉体と精神の関係性もあまり突き詰められているとは思えない(女子高生は冒頭では金魚からおじさん経由で女子高生へ移ってるはずなのに、なぜショッピングモールでは転生しなかった?)、そして何よりも「概念を吸い取る」設定だけで、あ、これは「愛は地球を救う」話なんだな、というラストのオチが読めてしまうこと。ラストの展開は少しひねってましたが、この手の作品の魅力は「え、これどうやって終わるの?」で引っ張る点にあり、そこでずっこけるところまで含めて黒沢清作品のような気もします。意外とまっとうな方向でまとまってしまった本作は、それはそれで物足りないなあと思ってしまったのでした。 【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-05-05 08:27:33) 2.《ネタバレ》 人類から概念を奪い、人類について理解することで、人類を殲滅させることが適当か不適当かを判断しているのだろうか。 それにしては人体を知るためにバラバラにしてみたり、乗り移った人間の内臓を引き出してみたりと、そこらへんは割と緩い設定みたい。 しかし、ガイドの処遇にはかなり厳格で、ガイドから概念を奪うことには最後まで抵抗する。 妻の言うことを聞いて、他の二人と行動を共にするのをやめたり、しんちゃんは実は脳の中で宇宙人と戦っていたのだろうか。 それなら、この壊れかけていた夫婦が人類を絶滅の危機から救ったことになる。 世界を救うのは、結局宗教でも政府でもなく、夫婦の愛なんだよ。 なんてこと思ってみたりするけど、よくわからない映画だった。 良かったのは、長澤まさみ。 つくづくいい女優さんになったなあ。 【roadster316】さん [インターネット(邦画)] 7点(2019-08-02 00:53:09) 1.《ネタバレ》 黒沢清の救いのない展開は、前回の「クリーピー」を観てたので、 多少免疫があった。 だから最後はバッドエンドなのかと思いながら観てた。 そうなんです。この監督「岸辺の旅」や「トウキョウソナタ」でいささか薄められた感じはしてたけど、 元々が「CUREキュア」の監督なので、油断してると、不安のどん底に突き落とされかねない監督なんです。 しかし今回は長澤まさみが世界を救っちゃうんですよね~。 また彼女、いい演技してるんです。 概念を引っこ抜くという発想の面白さ。引っこ抜かれた人の在り方。 宇宙人の特殊能力でしたが、この設定で、アイデア次第ではもっと話の膨らみ方が可能な感じですね。 概念とは、環境の創るもの。 だから環境を変えない限り、引っこ抜かれた概念は、もとに戻っていくのかもしれません。 長澤ちゃんが、「愛」を取り戻すとこまで観ていたかったなぁ。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-06-08 14:08:26)
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