みんなのシネマレビュー

狭霧の國

Howl from beyond the Fog
2019年【日】 上映時間:35分
ドラマホラーファンタジーアニメ特撮ものモンスター映画ショート(短編映画)
[サギリノクニ]
新規登録(2024-12-27)【タコ太(ぺいぺい)】さん
タイトル情報更新(2025-03-10)【イニシャルK】さん
公開開始日(2020-10-31)


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監督佐藤大介
脚本佐藤大介
撮影佐藤大介
製作佐藤大介
特撮佐藤大介(特殊効果・合成)
美術村瀬継蔵(怪獣スーツ造形)
佐藤大介
編集佐藤大介
録音佐藤大介
照明佐藤大介
その他佐藤大介(人形制作)
あらすじ
時は明治42年。叔母を訪ねて九州・大分の山奥の村にやって来た少年・栄二は、ある出来事によって失明し蔵に匿われている少女の多紀理と出会う。ある晩、栄二は独りで外出する多紀理の行動を不審に思い彼女の後を追うと、行き着いた山奥の湖から現れた巨大な怪物を目撃する。彼女はその怪物と会いに来たらしい。何故彼女は怪物に会いに行くのか?やがて怪物と多紀理のことは村人たちの知るところとなり…。人形と着ぐるみの怪物、そしてミニチュアセットによる特撮によって製作された短編アニメーション。

タコ太(ぺいぺい)】さん(2024-12-27)
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1.《ネタバレ》 基本は怪獣特撮映画のようだが、ドラマ部分を俳優が演じるのでなく人形劇にしたのが特徴ということらしい。着ぐるみやミニチュア、また人形の顔が極めてリアルに作ってあり、手書きアニメや現地ロケの映像も組み合わせた独特の劇中世界ができている。
怪獣特撮の部分はなかなか圧巻で、盆踊り会場とか古風な伝統家屋を怪獣が襲うのは、個人的には東宝映画「地球防衛軍」(1957)を思い出す。室内や地面に視点を置いた臨場感にこだわっていて、また人のいる高い塔に怪獣が迫るのは「ゴジラ」(1954)以来の趣向と思われる。なお人間側の反撃で自衛隊が来るわけはないとして、代わりに帝國陸軍とかではなく一般人が怪獣を砲撃するのはやりすぎかと思ったが、これは花火の応用ということだったか。

物語としては悪人の悪人ぶりが単純すぎるとか、盲目の人物が失明に至った経過がむごすぎるといった難点はあるが、何より最後は観客が期待したい結末にちゃんと落としたのが好印象だった。全てが終わってエンディングテーマの「守りも嫌がる…」が始まったところは正直感動した。
また登場人物がそれまでの暗く閉ざされた世界からいきなり未来が開ける一方、怪獣はもといたところに帰るだけというのも安心した。工事がどうなるかの心配はあるが、同じく山中の湖にいた「大怪獣バラン」(1958)の頃とは違って、明治時代ならしばらくは棲家に安住していられるかも知れないという気はする。
ほか全体テーマとしては、外見にとらわれずに本質を感じろという考え方も出ていたようだった。

なお映画の舞台は大分県とされていたが、具体的には監督が幼少時に住んでいた竹田市とのことで、話に出ていた「犬飼」という地名も近くに実在する。終盤の石橋は市内に2つある「石拱橋」(せっこうきょう)がモデルのようで、2つあるうち「鏡石拱橋」(かがみせっこうきょう)が完成したのが明治42年だそうだが、劇中年代をこの年にした理由がそれだったかはわからない。
またエンディングテーマの「竹田の子守唄」も竹田市関係に見える名前だが、実は京都府の民謡だそうで誤解を招く選曲ということになる。しかしこの歌本来の由来からすると、劇中で疎外され迫害されていた人物のためにあえて選んだとも考えられなくはないと思った。 かっぱ堰さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-03-08 22:33:38)
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【点数情報】

Review人数 2人
平均点数 7.50点
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