みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
13.《ネタバレ》 主人公の男がこれまでの経緯を録音機に「告白」する、という体裁なので、映画全編に彼の独白が散りばめられており、少々煩わしい気がしない訳では無いんですが、要するに「これは一人称の物語なのだ」、ということなんでしょうか。ハードボイルドらしい乾いた印象には、確かに繋がっています。 もう一つ。殺人シーンを敢えて画面外で描くのはいいとしても、その後の死体処理のシーンまで、死体をあまりはっきりと写さないのは、映画の時代背景もあるのかも知れないけれど、いかにも無難な感じがして、ちょっと迫力不足、とでもいいますか。でもこのシーン、いや~な雰囲気はよく出てるし、クルマのエンジンが掛からない、なんていう描写のイジワルさも効果的。 誰が何を考えているのか、それとも何も考えていないのか。エドワード・G・ロビンソン演じる、一番わかりやすそうなオッサンが、一番煮ても焼いても食えないような存在で、暗い作品の中にユーモアをもたらしています。 途中、BGMがなぜか未完成交響曲になったりするのは少し違和感もあるけれど(それと同時に、意味も無く『素晴らしき日曜日』を思い出したりも)、ミクロス・ローザの音楽、この先の展開を暗示するように和声を切り替えたりするあたりは、オペラ的でもあり、なかなか聞かせます。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-01 20:42:07)(良:1票) 12.ビリー・ワイルダー初期の傑作、というわけで鑑賞。同僚キーズの鋭い推理に徐々に追い詰められていくネフ、その程よい緊張感が中盤以降保たれていた。フィリス役バーバラ・スタンウィックの悪女ぶりも良い。計画の失敗自体は冒頭に明かされているが、二人の顛末はメロドラマ要素もあり、なかなか読めなかった。こういったジャンルの先駆けと評されている作品だけあって面白さは保証済みといったところか。おススメ。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-24 19:32:43) 11.戦時中に作られたとは考えられないレベルの出来。 いい意味です。 冒頭から、テープレコーダーに殺人を告白する主人公のシーンで始まります。 この頃、すでに「刑事コロンボ」の形が出来上がっていたという訳ですね。 多少シナリオに粗が目立ち、最初は退屈しましたが、物語が進んでいくにつれ、時間を忘れてしまいました。 主人公と人妻、その義娘、そしてその彼氏の関係が絡んでいく過程が見事だと思いました。 そういった点はムダがないですね。 機会があったら是非一度ご覧になっていただきたい作品です。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-21 21:33:13) 10.サスペンスとしては多少雑なところはあるし、話は単純だし、主人公が失敗したというオチも最初からネタバレされている。でもなぜか見入ってしまう。主人公はどこでどう間違えたんだろう?という興味関心で引っ張っているのかもしれないし、登場人物が限られていてキャラもしっかりしているので、ダレずにテンポよく見られるというのもあるのかもしれない。 実際、カネを払いたくない保険会社の調査能力ってものすごくて、警察のヘタな捜査より執念が違うので殺人事件を暴く事は現実にあるらしく、そういったリアリティーも感じさせる作品でもある。 尚、1944年の作品だが、サイパン陥落で日本は敗戦濃厚な時期で、米国も東西で戦争の最中のハズなんだが、そういった世相を全く感じさせない不倫の保険金殺人の作品を作ってしまうというのはどういう事なのかと考え込んでしまうのが、戦前作品を見る事のデメリットではある。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-08-04 17:10:02) 9.《ネタバレ》 バーバラ・スタンウィックと言えば今じゃすっかり忘れられた女優ですが、本作の悪女フィリスはこれだけしかないという彼女の代表作、あの独特のヘアスタイルは今でも悪女のアイコン的な存在であります。ハロプロ有名グループの某アイドルがこのフィリスとよく似たヘアスタイル(しかも金髪)だったことが懐かしく思い出されます、そういやこのアイドルもけっこう強気なキャラでしたね。 ジェームズ・M・ケインの原作をレイモンド・チャンドラーが脚色してビリー・ワイルダーが監督したのですから、そりゃ傑作にならないわけがないじゃないですか。でもチャンドラーとワイルダーは撮影中は険悪な関係だったみたいで、『見知らぬ乗客』でもヒッチコックと揉めているし、このレイモンド・チャンドラーという偉大な作家は人づきあいが上手くなかったみたいです。 “フィルム・ノワール”には色んな定義がありますが、本作は間違いなくその最初期に位置していることは間違いないでしょう。そしてたぶん本作がワイルダー唯一のフィルム・ノワールなんでしょうけど、要はこの人どんなジャンルでも手を出せば軽々と傑作にしちゃうし、やっぱ天才なんでしょうね。この時代は、優れた脚本を書ける映画作家が存分に腕をふるえる黄金時代だったと思います。 ストーリーテリングはフレッド・マクマレイが冒頭からヴォイス・レコーダーに事件を順繰りに語るというオーソドックスなものですが、それがナレーションにもなるというハードボイルド小説の定石みたいなテクニック、ここら辺にチャンドラーの爪痕があるのかもしれません。その単調になりがちなスタイルをぐいぐいと引っ張るのがやはりエド―ワード・G・ロビンソンの力量なんでしょうね。ただ一つ残念だったのは、フィリスが最後に二発目を撃てなかったうえにそこで(多少)改心したような展開になったところでしょう。なんか中途半端でとことんサイコパスみたいなキャラを通して欲しかったところですが、時代を考えるとヘイズ・コードが猛威を振るっていた頃ですからしょうがないかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-16 20:56:35) 8.情婦ほどのインパクトはありませんが、最後まで気が散らずに観られました。切れ者のキーズがかたわらで真実スレスレの推理を披露するのに戦々恐々な主人公の場面が好きです。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-11-27 11:51:32) 7.《ネタバレ》 フィルムノワールの代表的な作品。 ビリーワイルダーってこういうのも撮れるんだと感心。 犯人目線で完全犯罪を目論むが徐々にほつれが・・・、というサスペンスが大好きなので、本作もハラハラしながら楽しめた。 キーズが鋭い推理でズバズバ核心をついていく度、やばい、ばれるよ~って思いながら手に汗握ってました。 こういうキレるキャラクターってカッコいいなあ。 【kosuke】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-27 00:55:35) 6.結論が先に出ていても、最後まで見る者をはらはらさせるよくできた映画だ。こういうのを心理サスペンスというのだろう。バーバラ・スタンウィックの金髪(かつら)が気になったが、悪女を強調するためかもしれない。 最初見たときは、嫌疑が別方向へ行って何もフィリスを殺さなくてもと思ったが、やはり飛び乗った電車は終点まで降りられないのだと思い直した。それと主人公が、いったんキースが疑いだしたら、間違いなく真実をつきとめるという凄さを感じた。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-04 23:36:13) 5.シンプルなサスペンスではあるものの、最初から告白(自白)しているもので犯人も手口も動機も序盤から分かっている。謎解きを排したサスペンスなので、どこをどう楽しめばいいのかと思いきやこれが面白い。ただ事件の流れを順を追って説明されるだけなのに面白い。 何と行っても、いいキャラで名探偵ポジションのキーズさんがとても魅力的なのはかなり大きいところで、彼が主人公のスピンオフが観たいくらいだ。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-22 15:26:56) 4.結末を最初に見せて回想録で綴ってゆくという手法はこの後ワイルダー自身の『サンセット大通り』を含めて多くのフィルム・ノワールに有効な手法として取り入れられることになる。さらに夢のハリウッドにおいての冷酷な女の登場は当時としては驚愕に値しただろう。そんなパイオニア的価値も評価しつつ、でもこの作品の面白さはやはりエドワード・G・ロビンソンの絡ませ方だろう。この人物が登場するたびにサスペンスは盛り上がり、しゃべることで暗いムードを一掃しテンポをつくる。マッチというアイテムを使って作品にユーモアを与え、最後にはそのユーモアのアイテムを哀愁漂うものに変えてみせる。と、脚本の巧さが際立っていますが、当時としては珍しい屋外ロケ、しかも夜!というのも犯罪映画の雰囲気を盛り上げている。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-05-08 11:06:06) 3.《ネタバレ》 コメディ作家としてではない、人間の「負」の面を撮るワイルダーも私は好きです。レイモンド・チャンドラーとの共作で撮られたこの作品も典型的なハードボイルド映画に「ワイルダー節」がちゃんと入っているのがうれしい。事すんだ後に嫌そうな顔をして絨毯のめくれを直すバーバラ・スタンウィック。う~ん細かい! 【Nbu2】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-05-06 11:31:48) 2. 【虎尾】さん 7点(2003-12-13 01:22:22) 1.《ネタバレ》 保険調査員のキーズは、この後、自分でマッチを持ち歩かなきゃいけなくなってしまいましたね。そこんところが、とても淋しい……。10年前に流行ったスペイン風邸宅に花の香り、そこにはアンクレットをした人妻がいる。女と金のために保険金殺人を計画してしまった保険勧誘員は、結局どちらも手にすることができなかったけれど、キーズの友情まで裏切ってしまったのがなんとも虚しい。いつも主人公が右手の爪で点けていたマッチを、ラストでキーズが右手の爪で点けてあげる。救急車と警察を呼んだキーズの心がより痛く感じられる。 【元みかん】さん 7点(2003-11-19 10:11:58)
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