みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
45.個人的に初黒澤。三船の豪快さと京マチ子の品の良さが光る。人間のエゴや自己都合の良さ、業というのをさらけ出す。鑑賞終了後一気に芥川の羅生門も読破。根底は一緒。黒澤はちゃんと咀嚼している。このテーマ性は現代作品でも応用できそう。 【タッチッチ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-06-21 20:14:32)(良:1票) 44.《ネタバレ》 黒澤を「世界のクロサワ」に押し上げた記念碑的作品。尺も90分以下というコンパクトさ。印象としては、音の聞き取りにくさはあるものの、画は現在でも十分に勝負できるものだと思った。 ■カメラワーク、構図の取り方がうまい。そして実は細かな工夫をいろいろしている。例えば雨が見えるようにするために、あの雨には実は色が付けてある(墨を溶かしたと聞いた)とか。 ■ストーリーは、各人のエゴによって真実が「藪の中」にされていく過程が描き出される。各人が何を守りたく、そのためにどういう物語を語るかというのは、きちんと考えてみるとなかなか面白い。各人の話の中では、皆語り手が「(仕方なく)殺した」と、殺人の役は引き受けているところがまた興味深い。 ■個人的には、最後に真実らしいものを志村が語ってしまうところと、最後に希望を見出してしまうところとが若干残念。こういう流れなら最後の最後まで真相は「藪の中」にするような構図にしてほしかったし、志村が短刀を盗んだとはいえ善人、というポジションはなんか息詰まる展開をラストで抜いてしまっている。志村を最後で超悪人のようにしてしまってもいいし、そうでないなら三人の言い争いをもっと引っ張ってもいいと思った。 【θ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-03-05 00:24:40)(良:1票) 43.《ネタバレ》 物凄くエロい映画だと感じた。昔のお公家さんのようなメイクで、現代では全くエロく見えないはずの京マチ子が凄くエロく見えて仕方なかった。意識的、無意識的を問わない記憶の美化や荒廃した世界におけるヒューマニティなど、多くの抽象的な事柄を扱った作品であることは理解できるが、個人的には女性のつかみ所の無さ、そこから来る怖さに最も惹かれた。そしてそれがたまらなくエロいと感じた。 木こりは別として、結局生き残るのは女一人であり、女の行動が話のキーとなる部分であり、そして女の行動自体が一番意見が分かれるところなのだ。この話は男が語る「女」の話であり、この「女」は男(僕)から見た女性一般を表象している、様な気がする。怖ろしや怖ろしや。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-01-10 16:58:33)(良:1票) 42.戦後10年ほどの間の黒澤作品の中で、特に傑出した作品には、僕には思えない。、、、海外で評価されたのは、推測するに、1.例えば三船が森をかけるカット割りの躍動感などの映像技術、2.絶対的真理の否定という物語のアイデア、3.様式美を抜きにして日本文化の独自性を伝えていること、などだろうか。、、、、、だが、1.については他の作品にも十分に片鱗は示されているし、2.については、そもそも黒澤のリアリズムと、絶対的真理の否定というのは両立するものなのだろうかと思うし、3.については日本人の私たちには、特に意味のあることではない。、、、、、そもそも、海外で高く評価されたからといって、僕たちも高く評価しなければならないいわれはないのだ。、、、、、確かに、三船という時代劇の旧来の垢に染まっていない役者を中心にして、これまでとは異なる時代劇の空間を構築した意義は大きい。だが、その本格的な構築は「七人の侍」まで待たねばならないのではないか。、、、、そしてこの作品では、映像は斬新だとしても、音は劣悪で、しばしば映像を妨害している。、、、、さらに、すでに触れたが、黒澤自身、最後に木こりの話を付け足したように、ある種、確かなもの、絶対的なものは存在するのだと黒澤は考えているに違いない。そしてそれに基づいて彼のリアリズムは成立していると僕は思う。だとすると、主観的な語りによって事実が形成されるから、事実自体多様なものであり、一つではないというポストモダン的な、「羅生門」の一見したところのテーマは、実は黒澤の思想とは一致せず、へんな目くらましになってしまっている。 【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-30 11:33:53)(良:1票) 41.《ネタバレ》 どいつもこいつも皆嘘つき。 でも人を信用したいという坊さんまで人を疑ってしまう始末。 でも子供を育てようと改心するオヤジに、最後は救いのある結末でした。 【クロエ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-06 23:00:58) 40.《ネタバレ》 女は犯され、男は死んだ。それだけが事実。だが誰の視点で詳細が語られようが、自分の有利なように繰り広げられる"物語"がそこにあった。真相が醜悪で泥臭いものだとしても、受け取る側は好みの情報を事実として広めていく。まさに現代社会のマウンティングとファクトチェックそのものだ。最低限のセットだけで中世と感じさせる黒澤明の力量は言うまでもない。京マチ子の多重人格にも似た怪演が、男の所有物として踏み躙られてきた女という生き物が、如何に時代をしたたかに生きてきたことを印象付ける。人間の愚かさに直面しながらもそれでも世は捨てたものではないと思わせる重厚なヒューマニズムが、モノクロ画面に鮮やかに焼き付けるラストが心に残る。たとえその意見が個人から見た美談だとしても・・・ 【Cinecdocke】さん [地上波(邦画)] 7点(2020-04-16 00:45:47) 39.はじめて見た黒沢映画でした。 芥川龍之介の『羅生門』と『藪の中』がミックスされている。 舞台を見ているような作品。 三船敏郎は強烈にパワフルです。 【めたもん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-05-05 21:31:41) 38.初見、原作未読。真相はまさ藪の中。文明や科学が進化しても人の心は1000年前と大差ない事を思わされます。美しい画の中で躍動する役者達に豪華な額縁の名画を鑑賞しているようでした。赤ん坊の件はとってつけた感がありますが、今も昔も変わらぬ、この世は捨てたものではない事を見せてくれます。 【The Grey Heron】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-06-08 05:37:37) 37.小難しい内容にもかかわらず3人の証言による表現の仕方は見事と思います。 1950年にしてこのような手法で作られていたことも驚きだし、ほとんど古めかしさを感じませんでした。 エピソード自体はこじんまりしていたものの、それはそれで短編小説的な面白さはありました。 【午の若丸】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-12-31 00:23:14) 36.《ネタバレ》 ストーリーとしては、原作にかなわないですね。これはやはり、真相がわからないから面白いのであって、目撃者がいたのでは興ざめ。しかもそこから、なにやら教訓めいた結論を出しているのもよくなかった。原作にないため、付け足しという感じが強いです。監督としてはこれが言いたかったのでしょうが、どうも俗っぽいという気がします。 逆に映像の方は、すばらしかったと思います。どちらかというと、映像を鑑賞する映画ではないでしょうか。海外で高く評価されたのもうなずけます。早坂文雄もあいかわらずいい仕事をしています。それだけに、強引に(と思える)「いいお話」に持っていったのが残念でした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-17 20:33:46) 35.芥川龍之介の原作。つまんなそうだなと思ったら、物の見事に引っ張られた。 黒沢監督って、昔からこんな手法を使っていたのか。 あくまで実験的作品といったような作りだが、「市民ケーン」を鑑賞した時のような、 当時としての斬新さは確かに感じた。ラストはていよくまとめられてしまった感があるけど、 終盤までは大変面白く、役者陣に関しても安心して見ていられた。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-25 08:35:44) 34.《ネタバレ》 黒澤監督の技量がいかんなく発揮された歴史的名作。場面展開やカメラアングル、映像にグイグイ引き込まれていく。 ヴェネツィア国際映画祭グランプリ受賞が物語るとおり「映画」としてすごい、というのは素人の私でもなんとなくわかる。 黒澤監督の技量で一気に見てしまったが、後で考えると、脚本を強引にまとめてしまった感が否めない。「わからない、わからない」から始まって一貫して「わからない」と言っているけど、よくよく考えると、何がそんなに「わからない」のかわからない。私自身が劇中の下人みたいに俗物だからか?(^^; また、人間の身勝手さ、嘘、欲深さに対する問題提起を、黒澤監督映像マジックで一気に見せているのが斬新といえば斬新なのだが、最後に若干の救いを与えたのは個人的には生ぬるく思う。志村喬がやっぱり悪人でしたという終わり方でも良かったかも。 黒澤監督の凄さを感じ、色々考えさせられる映画ではあるのだが、「娯楽」がほしい人向きではないかもしれない。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-18 18:19:59) 33.やはり88分でも面白い映画は撮れる。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-11-15 23:31:26) 32.《ネタバレ》 男が死んでいるという事実から様々な人間の嘘や事実が暴かれていく展開が面白かった。誇張した嘘の殺陣には迫力のある音楽が流れ、事実にはあえて音楽を流さない等演出も素晴らしかった。 【osamurai】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-03-08 23:45:48) 31.《ネタバレ》 演技がすばらしかった。お坊さんが志村さんを疑うシーンが印象的。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-05-24 07:35:32) 30.《ネタバレ》 黒澤映画の中でも通好みな作品だと思う。どうしても七人の侍のような痛快劇が好きな自分としては少し印象が薄く感じてしまった。それにラスト以外は嘘っぱちの話と言うこともあるし、どうもスッキリさせてくれない作品でした(あと、降臨させる話はちょっと強引だし)。希望を持たせる終わりは良いのだが、嘘の話を散々聞かされたあとにこれは本当なのかさえ疑いたくなるし、果たしてあの子供はどんな人生が待っているのか?とかまで考えてしまいたくなる。人間の本性を描いている所は実に面白いが、最後はどうしても無理やりな気がしてしようがない。字幕がある状態でもう一度見れたとしたら少しは印象が変わるのかもしれないが。 【taka-104】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-03-04 23:54:12) 29.《ネタバレ》 私は「昔の邦画」(モノクロの頃)がちょっと苦手である。どんなに名画といわれても、あの棒読み(特に女優)がめちゃくちゃ気になってしまい、中々ストーリーにのめり込めないのだ。経緯あってソフトが手許に来たのだが、羅生門か・・・評価の高い作品だよなあ・・・と思いつつ気が引けるところがあった。そんなわけで恐る恐る?鑑賞したのだが、この作品は、ストーリーにちゃんと入っていけた。演技はまあ、やはりあの頃特有の下手さだが(でも若い三船敏郎のバカ笑いは結構よい)。思えば事件の4つのバリエーションはほとんど同じなのに、微妙に各語り手が自分を擁護したエゴになっている、この描写は上手い。原作の「藪の中」は未読なんだけどね。最後にこれも人間のエゴイズムを書いた「羅生門」の一部を追加しているのが面白く、エゴは人間の自然である、しかし情もまた人間の自然であるという救いある結末にしたところに、作り手の人間的良心を感じる。 【あっかっか】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-01-19 13:40:56) 28.少々聞きとりにくい部分があるのと、ストーリーが多少わかりにくい部分があるのですが、全体的には観てよかったと思える映画です。最後の朽ち果てた羅生門がいいです。 【東京ロッキー】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-04-19 16:44:06) 27.《ネタバレ》 2回目の観賞でのレビューです。 1回目よりさらにおもしろく感じました。 ラストに志村喬が赤ん坊を抱いて去って行くシーンがあるんですが、 2回目の観賞で気付いたんですが、 あの時の志村喬の顔は「深い」なぁと。 そう思っちゃうからこの映画はすごいと思います。 素直にまた見たいと思いました。そんな映画です。 音声の聞き取りにくいシーンがあったのがちょっと残念でした。 【す!】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-08 00:30:04) 26.《ネタバレ》 これほど極端ではないにしても 自分を正当化するために嘘をつくってことは よくある訳で、そういう意味で身につまされる映画ですね。 みなさんおっしゃる通り、声が聞き取りづらいです。映像はデジタルリマスターとかいう技術できれいに出来るらしいですが、音声は難しいんでしょうか? 【くろゆり】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-04-05 23:00:23)
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